スーパーツィーターと音源について

はじめに

本ブログ記事では、これまでご紹介してきた高音質オーディオソースから、ジャンルを問わず、スーパーツィーターを付加して試聴した際に、特にその効果を感じて印象的だった音源をリストアップしてみました。

なお、スーパーツィーターの付加による効果などについては、本シリーズの ”ぞの1"でご紹介しました。

今回は、その2として、過去の高音質音源をご紹介したブログ記事から、さらにピックアップしてみました。

音源集 その2

1. ヴァイオリン協奏曲第1番/パガニーニ作曲
  ヒラリー・ハーン & スウェーデン放送交響楽団/大植英次 指揮

概要

ヒラリー・ハーン(Hilary Hahn)と、スウェーデン放送交響楽団によるパガニーニのヴァイオリン協奏曲第1番とシュポワのヴァイオリン協奏曲第8番が入った2006年10月発売のCDから、パガニーニのヴァイオリン協奏曲第1番第1楽章 Allegro maestosoをご紹介します。
指揮者は、大植英次です。
規格品番は、[00289 477 6232] です。
低い周波数から、高い周波数まで、ワイドレンジで録音されています。また、低い領域で、35Hz付近に大きなピークがあり、30Hzと42Hz付近にも小さなピークを見て取れます。
どちらかというと、バイオリンの音が浮かび上がってくるような録音がされているようですが、スーパーツィーターを付加することにより、音色が一層豊かに聴こえてきます。
Z1-Livorno+Z501と、Z701-Modena (V5)+スーパーツイータキットで試聴してみました。

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ヴァイオリン協奏曲第1番第1楽章の周波数特性

図 1. " ヴァイオリン協奏曲第1番第1楽章 " の周波数特性(Wave Spectra使用)

 

2. In the Wee Small Hours / Here' to Ben / Jacintha

Jacinthaのアルバム Here's To Ben からの一曲。7曲目に入っています。

この曲は、最初にヴォーカルのソロで始まります。次にベース、ピアノ、スネアが加わっていき、リリカルなサックスのメロディラインが続きます。

それぞれのパートの効果や定位、音質を比較することができます。また、全体のエコー、ホールトーンの加減なども、評価対象かもしれません。

Z1-LivornoにZ501を組み合わせて試聴してみました。

 

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ピーク値の周波数特性

” Here' to Ben " の7曲目、"In the Wee Small Hours " の周波数特性を示します。

       図 2. "  In the Wee Small Hours " の周波数特性

 

 

3. The Hunter / Jennifer Warnes

 Rock You Gentlyは、Jennifer Warnes の1992年のアルバム”The Hunter”の最初の曲です。

 本曲では、大陸的なおおらかさを感じさせる、いわば、カントリーのポップスバージョンのような、さらりと流れる彼女のクールなヴォーカルを聞くことができます。
本アルバムは、ハイブリッドSACD盤が音の良さで評判となりました。現在はamazonなどで、プレミアム価格となっているようです。

 

Z1-LivornoにスーパーツィーターZ501を組合わせて試聴しました。

出だしのベースに張りが出てきました。ノーマルのZ-1とは、出だしから、全く違う印象です。

 解像度が増し、ベースとヴォーカルがきちんと分離されて聞こえます。
 さらにヴォーカルのひきこもった感じがなくなりました。
 全体に音がはずんで、中低音の量感と相まって楽しい感じがします。
また、特に低域でのセパレーションが良く聞こえます。

 

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ピーク値の周波数特性

本アルバムの1曲目、" Rock You Gently "の連続データの周波数特性を示します。

       図 3. "  Rock You Gently " の周波数特性

 

 

4. 水上の音楽 / ヘンデル作曲 / オルフェウス室内管弦楽団

水上の音楽は、ヘンデルの作曲による管弦楽曲集で、弦楽合奏と管楽器からなる管弦楽編成です。今回ご紹介するのは、オルフェウス室内管弦楽団による演奏です。 

今回は、その中でも、引用されることが多い第2組曲の第2曲のアラ・ホーンパイプの試聴コメントになります。

Z1-LivornoにスーパーツィーターZ501を組合わて試聴しました。

試聴の結果は、一言で言えば、Z-1が纏っていた薄いベールをとった、という感じです。

また、豊かな中低音と筋のいい高音域のそれぞれの過渡特性がよくなったように聴こえました。

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ピーク値の周波数特性

 ” 水上の音楽" の全曲の連続データの周波数特性を、下図に示します。


      図 4. "水上の音楽 " の周波数特性(Wave Spectra使用)

 

 

5. 24の奇想曲  / パガニーニ 作曲 / ピエール・アモイヤル

ニコロ・パガニーニの24の奇想曲(24Capricci)は、ヴァイオリン独奏曲、すなわち無伴奏曲で、左手ピッツィカートなどの難易度の高い強烈な技巧が随所に盛り込まれており、難曲として知られています。

今回は、ピエール・アモイヤルの名器の響き ヴァイオリンの歴史的名器、に収録された演奏を比較試聴用に用いました。

本曲を、Z1-LivornoにスーパーツィーターZ501を組合わて試聴しました。

試聴してみると、全体にホール感が少し増して、さらに弦の音にツヤのようなものを感じるようになりました。

また、ヴァイオリンの長音での音のわずかな変化を聴き取ることができるようになりました。

 

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ピーク値の周波数特性

本アルバム13曲目の パガニーニ:カプリース第24番 、この全曲の連続データの周波数特性を、下図に示します。


 図 5. " パガニーニ:カプリース第24番 " の周波数特性(Wave Spectra使用)

この図では、縦軸横軸を補完しています。縦軸が音圧で、0dB~-80dB、また、横軸が周波数で、20Hz~20kHzとなります。

 

 

以上、5枚のCDを代表的な曲の周波数特性と共に振り返ってみました。

 

音工房Zのスーパーツィーターのご紹介

今回の各アルバムの試聴に用いたのは、音工房ZのスーパーツィーターのZ501とZ502です。用いている材質やパーツなどで、それぞれバリエーションがあります。

Z501

タモ版

ウォールナット版

Z502

タモ版とウォールナット版

スーパーツィータのZ502を改定して、タモ版をリリースしてこちらを通常版としました。

従来のウォールナット版は、不定期の限定販売とします。


  Z502タモ版の正面(左)と背面(右)


  Z502 ウォールナット版(左)と タモ版(右)

Z502タモ版は、ショートホーン形状のエンクロージャーの材質を従来のウォールナットからタモ材に変更し、さらに内蔵のネットワーク部品のコイルとコンデンサをMundorf製からSolen製に変更した廉価版となっています。

 

関連リンク先

スーパーツィーターの設定値など

Z501

Z501と音工房Zの各スピーカーを接続する場合のコンデンサーの推奨値です。

Z502

Z502と音工房Zの各スピーカーを接続する場合のアッテネーターの推奨値です。

 

極低域の豊かな音源集 その 1

40Hz以下の極低域を含むような音源は、そもそも録音が良く、広帯域である場合が多いようです。
ここでご紹介した音源のいくつかは、スーパーツィーターを付加することで、さらに再生音が向上する可能性が高い音源が多いと思われます。

まずは、その 1へのリンク先です。その2,その3などもあります。

オーディオ愛好家のためのサブウーファーとは その1

以下は、パッシブ型サブウーファーの接続方法についてのブログです。

 

音響パネルの使いこなしについて

音響パネルZ103Aのレイアウトによる音の聴こえ方について検討してみました。

 

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