Rock You Gentry

 

曲の概要

 Rock You Gentlyは、Jennifer Warnes の1992年のアルバム”The Hunter”の最初の曲です。
彼女は、USAのワシントン州シアトル生まれ。ジョー・コッカーなどとのデュエットで、全米チャートNo.1をとった実績が何度かあります。

 本曲では、大陸的なおおらかさを感じさせる、いわば、カントリーのポップスバージョンのような、さらりと流れる彼女のクールなヴォーカルを聞くことができます。
本アルバムは、ハイブリッドSACD盤が音の良さで評判となりました。現在はamazonなどで、プレミアム価格となっているようです。

 ある意味では、典型的なポップスサウンドとも言えるバスドラ、ハンドクラップやベースなどの軽いタッチのイントロに始まり、クールなヴォーカルが淡々と続きます。ダイナミックレンジは、それほど広い印象がありませんが、イントロの各パートの分離感やヴォーカルの再現性などがチェックのポイントかと思われます。

本曲のピーク値の周波数特性の特徴

実際のイントロから最初のヴォーカルを含む部分のピーク値の周波数特性を下図に示します。


 図  Rock You Gentlyのイントロから最初のヴォーカルまでのピーク値の周波数特性

 

 グラフの縦軸が音圧、横軸が周波数で、20kHzまで表示しています。
音圧の値が-60dB程度で、実際は、ほぼ無音状態です。

 ピーク値を見てみると、案外広い音域で、録音されているのがわかります。

 特に低域の音圧が高く、50-60Hzが全帯域の中で音圧のピークとなっており、40Hzでもその音圧が1kHzの音圧と変わらないレベルで録音されています。スピーカーによって、それが分かる分からないが、はっきり出るかもしれません。優秀録音盤とされるのもこのあたりにも、理由があるのかもしれません。

また、ピークが平均的に出ており、各周波数に渡って、比較的フラットとなっています。曲がさらりと流れるような印象を受けるのは、この平坦な形状も一因でしょう。

 さらに、予想に反して、ワイドレンジの再生能力(特に超低域)が、この曲の再生にはとても大事なようです。

 

音工房Zスピーカーでの比較試聴

 

Z601-Modena (V2)での試聴

 音工房Zのオリジナル8cm のフルレンジユニットであるZ-modena mk2を用いたスピーカーで、バックロードホーンの要素を設計に取り入れたダブルバスレフタイプです。

 まず、イントロがクリアに弾んで聞こえます。次に、クールなヴォーカルが、さらりと流れます。

冒頭から流れる40Hzあたりの低域は他の低域がしっかりでるスピーカーと比較すると少し弱いのは否めませんが、

普通に音楽として聞く分には、バランスは悪くなく素直な良い音ということが言えると思います。

 本機は、このようなポップス系の音楽を、適度な低音と、さわやかな中高音で、バランス良く再生してくれるという印象です。

 

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Z701-Modena (V5)での試聴

 Z601と同じく音工房Zのオリジナル8cm のフルレンジユニットのZ-modena mk2を用いたスピーカーですが、箱は、BHBS(バックロードホーンバスレフ)という形式です。

 Z601より、高さと奥行きがあり、全体の体積が、約2.17倍となります。

 再生音は、Z601よりも、一段とダイナミックレンジが広く聞こえます。

 また、ヴォーカルが、やさしく、でも、前に張り出して来る感じです。BHBS型の箱により応答性のよい中低域が効いているのだと思います。

 なお、Z800などとの比較では、低域から中域の分離能力で負けますが、ボーカルの定位感はこちらのが若干上かなと思いました。

 

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Z-1-Livorno (S)での試聴

 音工房Zオリジナルユニットから成る2ウェイのバスレフスピーカーです。
バスレフポートは、テーパー状で、後ろ側に配置されています。
各専用ユニットとシンプルなネットワーク構成をバランス良くチューニングすることで、コストパフォーマンスと高級機に匹敵するクオリティをとを両立させることができました。

 今回の試聴では、Z600やZ700と比べ、特に、ベースの音のセパレーションと定位感が良く感じました。厚み感も良いです。
 中低域の豊かな再生能力に加えて、スムーズにつながっているツィーターが自然な定位感の向上に寄与していると思われます。

 一方、ヴォーカルの定位については、Z701やZ800に比べ、少し後ろにひっこんだような感じもします。ケブラーウーファーの弱点かもしれません。

全体的にはシンプルネットワークを生かした生きの良さで、ジェニファーの歌声が最も艶めかしく聞こえました。低域の豊かな再生能力に加えて、スムーズにつながっているツィーターが自然な定位感の向上に寄与していると思われます。

 

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Z800-FW168HRでの試聴

 Z800は、音工房Zのマルチウエイで最高峰のスピーカーです。
 2ウェイのバスレフタイプで、形式的には、Z-1と同じです。

ツィーター、ウーファー共に、フォステクスの最高のものを使っています。それぞれ、市販の300万クラスのスピーカーに普通に採用されているユニットです。
 特に、ツィーターのT-250Dの振動板の材料である純マグネシウムは、内部損失が大きく、余分な振動をしないため、音の再現性が高いという点で、スピーカー用の素材としても高く評価されています。加工が難しく、高価だというのが難点と言えます。

 本試聴では、バスドラとベースなど各パートが、解像度よくクリアに聞こえました。
そしてヴォーカルもクリアな明るい音調です。

 ともかく、全体の印象として、音楽が自然にクリアに聞こえるという印象です。

 これは、この曲の特性である非常に広い周波数範囲に渡るピーク値分布を、Z800の再生能力が、きちんと再現しているから、ということのようにも思われます。
逆に言えば、一聴で、なにげなく淡々と聞こえるこの曲の再生には、実は、Z800クラスの広い周波数特性が必要だという事かもしれません。

 

 

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Z-1-Livorno (S)+Z501 での試聴

 Z-1にスーパーツィーターZ501を組合わせて試聴しました。ネットワーク用のコンデンサは、試聴の結果、標準の2.0μFから、0.82μFに変更しました。

 出だしのベースに張りが出てきました。ノーマルのZ-1とは、出だしから、全く違う印象です。

 解像度が増し、ベースとヴォーカルがきちんと分離されて聞こえます。
 さらにヴォーカルのひきこもった感じがなくなりました。
 全体に音がはずんで、中低音の量感と相まって楽しい感じがします。
また、特に低音のセパレーションが良く聞こえます。

いわゆる倍音成分の再生能力の違いということなのかもしれません。

 例えば、矩形波の場合、そのエッジの急峻な立ち上げを形成するための高調波成分が、Z501を追加することで、より再現性高く波形が再生されるようになることで、波形の立ち上がりの部分の再生能力が向上する、というような原理かと思われます。

 

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まとめ

 この曲は、全体を流れる、バスドラとベースの40-100Hzの再生が一つのポイントです。

それと、当然ジェニファーのボーカルの再現性です。
7-8kHz付近にある目立つピークは、そのボーカルのときに記録されており、倍音成分のようです。

この部分の再生能力が、ボーカルの質に関わると思われます。

 

まず、気付かされたのは、今回、試聴した中で超低域に近い40Hz付近の再生能力は、やはりZ800ならではのもの、ということです。唸りのような音が聴こえます。

また、特にスーパーツィーターを追加したZ-1で、この40-100Hzでのベースの音が生き生きと躍動感を増しました。

倍音成分を多く含む弦楽器系の特徴かもしれません。

これら2つは、特にこの曲の低域の魅力をしっかりと聴き取ることができます。

それらとは、また異なり、ボーカルに着目すると、また少し違った評価にもなります。

今回、その点で、Z601のバランスがよかったのが、とても大事なことにも感じました。

 

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