サブウーファーのチェック用にも使える音源 

はじめに

本ブログ記事は、これまでご紹介してきた高音質オーディオソースから、ジャンルを問わず、40Hz以下の周波数の音圧が比較的高いものを集めた音源をピックアップしたリンク集の "その2" です。

これらの曲は、サブウーファーのチェック用などの用途にも使えそうです。

 

その1へのリンク

 

2-1. 火の鳥 / ストラヴィンスキー / ミネソタ管弦楽団 / 大植英次指揮

その2で最初にご紹介するのは、大植英次指揮、ミネソタ管弦楽団によるストラビンスキーの火の鳥の " 1.イントロダクション " です。

36Hz付近に最大の音圧のピークがあります。30Hz以下も、カットされているわけではなさそうで、比較的高い音圧で録音されています。このあたりは場の雰囲気の再現性に関係すると思われます。

この冒頭の部分を、音楽、として聴き取るためには、超低域を解像力よく再生できるシステムが必要です。下手するとただの暗騒音と捉えてしまうかもしれません。

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ピーク値の周波数特性

1番目の、introduction 全体の測定結果を、図1に示します。

曲は始めから、不安を掻き立てるような複数の楽器の合成音のような極低音で始まります。これが、30Hzと40Hzの間にある縦の白い点線が、このグラフでの最大のピークの位置で、36.7Hz とそれより少し低い音の2つのピークから成っています。

20Hz台でも、相対的には、高い音圧で録音されていますので、ボリュームを上げた際には、メインスピーカーの振動板がふらつく可能性があります。

高い音圧で聴く場合には、メイン側にはサブソニックフィルターを入れたほうがいいかと思います。

 

図 . 火の鳥  1. introduction (全曲)のピーク値の周波数特性(Wave Spectraによる測定値;連続値)

 

2-2. " I'm Alright " / I'm Alright / Woong San

Woong San(ウン・サン)は、ジャズ系シンガーソングライターです。本アルバムでは、彼女の落ち着いた女性ボーカルとバックのサウンドが幅広い音域で録音されています。

ここでは、本アルバムのタイトルともなっている " I'm Alright "をご紹介します。 

下に示すピーク値の周波数特性を見ると、最近の録音の傾向で、30Hz以下は、バッサリときられていますが、30Hz以上では、各楽器が高い音圧で録音されているのがわかります。

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ピーク値の周波数特性

アルバムタイトル曲でもある6曲目の " I'm Alright " のピーク値の周波数特性を示します。

 図 . "I'm Alright  " のピーク値の周波数特性(Wave Spectra使用)

白いカーソルで示した最低域のピークは約33Hzで、シンセによるC1の音程と思われます。その上のいくつかのピークも同様ですが、太いバスドラとシンクロしています。

低域側の音圧の高さが、中域とほぼおなじくらいです。一方、低域側ほど人間の耳には聞こえなくなりますので、想定的には、中域のボーカルが目立つような録音となっています。

サブウーファーの導入により、かなり低い周波数まで音が録音されていることに気づくというタイプの曲と言えます。

 

2-3. " Afro Bomba-Bahia " / History of the Drum / Peter Erskin

ピーター・アースキンのアルバム、" History of the Drum "の4曲目です。ウェザー・リポートを連想させるシンセ・ベースが印象的です。最も低いピークが約29Hzです。

この音域にしては、かなり高い音圧で録音されていますが、普通のシステムでは、再生が難しいと思われます。

全曲に渡って、この極低域と他の中高音などが、並列に奏でられます。

中高域と極低域のバランスをみるのにいいのではないでしょうか。

 

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ピーク値の周波数特性

4曲目の" Afro Bomba-Bahia " のピーク値の周波数特性のデータを示します。

約33Hzに大きなピークがあり、30Hz前後にも複数のピークがあるようです。


図. " Afro Bomba-Bahia " のピーク値の周波数特性(Wave Spectraによる測定値;連続値)

 

2-4. "Duke's Lullaby" / The Gad Gang / Steve Gadd

スティーブ・ガッドのチーム、The Gad Gangの4曲目、2007MIXの"Duke's Lullaby"です。

この曲は、スティーブ・ガッドの一人舞台。ドラムス系の全曲ソロというのは、ありそうで、あまりないかもしれません。

下は20Hz台から、20kHzまで、しっかりと音が録音されています。

ハイハットなど、鋭い中高音もはいっており、倍音成分を多量に含むシャープな低域が録音されています。
メインスピーカーとサブウーファーとのチューニング用にいいかもしれません。

キレのいい低音をいかに再生するか、ということが課題です。

本アルバムは、SACDマルチとステレオとのハイブリッドです。Z506-Livornosubを用いる場合は、マルチ再生の場合、5.0ch設定にした方がいいかと思います。

 

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ピーク値の周波数特性

下図に、本曲全体のピーク周波数特性を示します。
グラフの縦軸が音圧(dB)、横軸が周波数(対数表記)で、22kHzまで表示しています。

左側、低域側の白いカーソルの位置が29.3Hzになります。20Hz台にも、複数のピークがあります。ドラムス系のみで、ここまで低域側が伸びているのは、案外珍しいと思います。

 


図   "Duke's Lullaby(2007MIX)"のピーク値の周波数特性

 

2-5. Jupiter / 平原綾香

平原綾香のJupiterです。

この曲は、彼女のいくつかのアルバムで取り上げられていますが、ここでは、ファーストアルバムの ” ODYSSEY " のデータをご紹介しています。

通常のスピーカーシステムで聴くと、おそらく彼女の印象的なボーカルが浮かび上がります。

実は、30Hz台の音が録音されています。

 

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ピーク値の周波数特性

白いカーソル(縦の点線)で示したピークが、33.6Hzです。

低域側のピーク値と中域のピーク値が同じ様な音圧ですから、ラウドネス効果により、中域の方が目立つ録音となっています。


図  Jupiter のピーク値の周波数特性

 

2-6. California Roll Ft. Stevie Wonder / Snoop Dog

ラップのスヌープ・ドッグの" California Roll "です。あのスティービー・ワンダーが、ボーカルとハーモニカで参加しています。

ピーク値の周波数特性をみると、見事に左下がりで、全曲での最大ピークが50Hz台。40Hz前後にもピークがあり、低域のピート感が強烈です。

 

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ピーク値の周波数特性

一番低音側のピーク(白い点線)が、38.4Hzです。

今回ご紹介している他の曲に比べ、それほど、超低域側に伸びているというわけでもないのですが、音圧が高いので、ともかく低域側が印象的です。


図  California Rollのピーク値の周波数特性

 

2-7. Any Weh You Like It /  ms. Triniti

キャッチが、”ダンスホール・ビューティ”の ms.Triniti(トリニティ)。

 彼女は、レゲエ/ダンスホールをベースに、R&B、ヒップポップ、ポップスの要素をミックスした自身のサウンドを、”RAGGA HOP"と呼んでいます。

その名称に由来するベストアルバム”ESSENTIAL  RAGGA HOP" の6曲目に収録されている " Any Weh You Like It " をご紹介しています。

ともかく、時折鳴り響く37Hzの"音”が印象的です。

 

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ピーク値の周波数特性


図  ”Any Weh You Like It” のピーク値の周波数特性

 

 

以上、7曲を、改めてご紹介しました。

 

関連リンク集

その3へのリンク先です

 

下記は、パッシブ型サブウーファーの接続方法についてのブログです。

 

 

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