Duke's Lullaby / The Gadd Gang     Multi-5.1ch

Gadd Gang (Hybrid SACD)
規格品番:  [SICP10098]

曲と演奏者の概要紹介

今回の曲は、SACD Multi-ch(5.1ch )盤のご紹介です。

スティーブ・ガッド(Steve Gadd)をリーダーとするバンド、The Gadd Gangの最初のアルバムで、アルバムタイトルも同じ " The Gadd Gang" (1986)のSACDマルチがリミックス版(2007)で出ています。

この5曲目に入っている "Duke's Lullaby" をご紹介します。

直訳すると、”公爵の子守唄”、でしょうか。

The Gadd Gangのメインメンバーは、4人。
スティーブ・ガッド(Steve Gadd): drums, congas, percussions, vocal
コーネル・デュプリー(Cornell Dupree): guitar
エディー・ゴメス(Eddie Gomez): bass
リチャード・ティー(Richard Tee): keyboard, vocal

さらに、ロニー・キューバー(Ronnie Vuber):baritone sax や、マイケル・ブレッカー(Michael Brecker): tenor saxなどが、曲によりクレジットされています。

コーネル・デュプリー、リチャード・ティー、スティーブ・ガッドと来れば、スタッフ(Stuff)の主要メンバーですが、それに、ビル・エバンス・トリオやマンハッタン・ジャズ・クインテッドのメンバーなどとして有名なエディー・ゴメスが加わっています。

ジャズ、ソウル、R&Bそして、2ビート(16ビート)リズムの”フュージョン”、といったジャンル分けはともかくとして、いずれも、様々な領域のプレイヤーのアルバムに数多くクレジットされている当時の売れっ子メンバーですから、そのプレイの絡みがとても期待できるメンバー構成です。

でも、この曲のプレイヤーは、スティーブ・ガッドのみ。

本曲は、楽器構成が、ドラムとコンガ、そしてパーカッションですから、スティーブ・ガッドのスティーブ・ガッドによる、スティーブ・ガッドのための曲、とも言えます。

なお、今回の試聴したアルバムは、冒頭で申し上げたようにSACD5.1chを含む通常のステレオのCDとSACDとのハイブリッド版で、SACD系は、2007年のリミックス版となります。

CDの規格品番は、 [SICP10098]です。

また、CD層には、2007MIXとオリジナルミックス(1986年)の両方が収録されています。

 

特性測定と評価

本曲のピーク値の周波数特性の特徴

下図に、本曲全体のピーク周波数特性を示します。
グラフの縦軸が音圧(dB)、横軸が周波数(対数表記)で、22kHzまで表示しています。


図  ピーク値の周波数特性

 

グラフの数値が小さいので、文章で補足します。

まず、縦軸ですが、一番上が、0dBで、次に、-20,-40,-60 dBで、一番下が-80dB となっています。
次に横軸ですが、一番左が、20Hz、右に向かって、100,1k、10kと記載されています。一番右の赤枠のやや内側の点線が、22kHz(正確には44.1/2=22.05kHz)に相当します。

この測定には、CDデータをWAVに変換したデータを用いました。また、測定は、データをPC上で再生して内部処理で行っています。従って、SACDの実際の値は、特に超高域で異なっているものと推定されます。

 なお、以下記載のある曲と各ピークの確認等については、ヘッドフォンにより行っています。このモニター用のヘッドフォンには、主にSennheizerのHD-660Sを用いました。

また、DACには、GustardのX16、ヘッドホンアンプには、同H16を用いてヘッドフォンも含めフルバランス出力でモニターしています。

 

 本曲は、楽器構成が、ドラムス、コンガ、パーカッションといった打楽器系のみとなっていますが、音圧のピーク値は、見事に300Hz以下の低域が-20dB以上と高くなっています。

曲の冒頭から、バスドラムが大活躍します。

今回の最低測定周波数である20Hzにおいても、音圧の値が、-20dB以上とかなり高くなっていますので、超低域の再生能力が高いシステムほど、この曲の魅力をひきだせる、と言えるかと思います。

約3kHz から20kHzの領域のピークは、割合自由なリズムのバスドラと平行してきちんとしたリズムを刻み続けるスネアの音に伴って記録されているようです。

クールで正確なリズムを刻みつつ(ほぼ最初から最後まで)、訴えるかけてくるような勢いのあるバスドラを繰り出してきています。
多重録音でしょうか。
スティーブ・ガットなら、同時にできるのかも、と思ってしまいますが。

また、打楽器特有の素早い立ち上がりに関係すると思われますが、倍音成分を豊富に含み、リアルタイムでモニターしていると、例えばバスドラのみの演奏時においても、人間の音程把握の限界を超える5kHzぐらいまでピークが記録されています。

ちなみに、35秒経過ぐらいでの、鼓笛隊のようなスネア等が、6-8kHz 付近のピークをもたらしています。この段階では、6-8kHz 付近にこんもりと小山ができたような形状となります。

その後のプレイのバスドラ関連のピークとスネア関連のピークが重なり、結果として8kHzぐらいまでピークの値が水平に近い形状となっているということのようです。

コンガやパーカッションは、音の印象としては、大きいのですが、全体のピーク値の記録という点では、さほど寄与していないようでした。

 

Duke's Lullaby 5.1ch の試聴

Z800-FW168HRS(Front) + Z-Liborno(Center)+Z800(Rear)

 

 よく弾んだ響きのバスドラが、前方に定位し、かつ空間に広がりをもって聴こえます。
空間に響く自由なタイコの音色に聞き惚れる感じです。

ただし、この弾んだパルシブな響きを再生できるかどうかは、アンプを換えると変わるようです。アンプによっては、低音はでているのですが、魅力がない音、といいますか、締りが悪い感じにも聴こえます。

また、そのような場合、空間も狭く感じることが多く、文字通り平板な音といいますか、プレイに没入する気分にあまりなりません。

逆に言えば、いい音のマルチチャンネルは、すんなりと音楽の世界に入っていける感じがします。

1分45秒ほどして、パーカッション、そしてコンガが後ろから鳴ります。ドラム系は、基本、前からです。
この前後の分離の度合いが、アンプを換えると差があるように聴こえます。

さらに、前方から時折、バスドラがズドンとなります。2分26秒ぐらいのが特に強烈です。
この音が、ステレオだと、パーカッション系もすべて前方なので、その効果がよくわからないのですが、5.1chだと、前後に分離しているので、前からかなり強烈に聴こえます。

前方に定位したドラムス系と、後方のパーカッション系との、スティーブ・ガッドによるテンションの高い掛け合いで、4分間がすぐに過ぎ去ってしまいます。

 

比較試聴に用いた製品の紹介

 今回の試聴に用いた主な製品を、紹介します。

AVアンプ      : TX-RZ830(ONKYO)
ユニバーサルプレーヤー: UBP-X800M2(SONY)

スピーカー:

1.  Z800-FW168HR (フロント、サラウンド)
https://otokoubouz.com/z800/fw168hr.html

2. Z-1-Livorno (S) (センター)
https://otokoubouz.com/z1/livorno.html

3.  Z501を組み合わせ。(C=0.82μF)(センター)

https://otokoubouz.com/z500/501.html

 

CD情報

https://amzn.to/3qn672t

 

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