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サブウーファーのチェック用にも使える音源
本ブログ記事は、これまでご紹介してきた高音質オーディオソースから、ジャンルを問わず、40Hz以下の周波数の音圧が比較的高いものを集めた音源をピックアップしたリンク集です。
これらの曲は、サブウーファーのチェック用などの用途にも使えそうです。
音工房Zの試聴会では、これ以外の音源も使っていますので、それらについては高音質オーディオソースとして、別途ご紹介したいと思います。
まずは、その1、として7曲をリストアップします。
1. "Toccata and Fugue in Dm, BWV 565"/The Great Organ of SAINT EUSTACHE / Jean Guillou
サブウーファー導入の効果がよく分かるジャンルの一つがパイプオルガンの演奏です。ジャン・ギユ―のアルバムを以前にご紹介しています。
ジャン・ギユ―の演奏による "パリのサントゥスタッシュ(聖ユースタス)教会の大オルガン " からJ.S. バッハ(1685-1750)のトッカータとフーガです。
長岡鉄男先生の、レコード閻魔帳の上巻に、オルガンの魔術師としてギユ―(ギヨーと記載されています)のアルバムが4枚紹介されていますが、その中で一枚選ぶならこれだ、と断言されています。
本アルバムは、彼自身の作曲によるものも含め、各年代の曲が録音されており、それぞれ印象的ですが、ここでは、バッハのトッカータとフーガを取り上げました。
ピーク値の周波数特性を下に示しています。
低域側でのピークは、32Hz付近にC1の音程の小さなピークがあり、次に、大きな37Hz付近のD1、41Hz付近のE1、43.7HzHzのF1と見事に各音程のピークが並んでいます。
37Hzの音というのがどのように聴こえるかが、サブウーファーを使うことにより感じ取れます。
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ピーク値の周波数特性
本アルバム1曲めの"Toccata and Fugue in Dm, BWV 565" の全曲のピーク値の連続データの周波数特性を、下図に示します。
図 . "Toccata and Fugue in Dm, BWV 565" のピーク値の周波数特性(Wave Spectra使用)
2. Hotel California / Eagles
優秀録音盤として有名なイーグルスの1曲です。なかでもホテル・カリフォルニアは、オーディオのチェック用としてあまりに有名です。
ここでは、最初のボーカルまでのイントロ部分の周波数特性を示します。
40Hz台のバスドラの音と同時に、30Hz前後にピークを持つ音が入っています。これが再生されると、ズーンと沈み込むような余韻の様な感じに聞こえます。
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ピーク値の周波数特性
"HOTEL CALIFORNIA"のイントロ部分のピーク周波数特性
3. Rock You Gentry / The Hunter / Jennifer Warnes
Jennifer Warnesのアルバム、The Hunterの1曲です。女性ボーカルのアルバムとなります。本アルバムは、この曲以外も、全体に低域が充実しています。
ご紹介する曲でも、40-50Hz付近が全体で最も音圧が高く、さらに33Hz付近にもピークがあります。低い周波数側の方が中域よりも高い音圧となっており、低域側が特に目立つ録音となっています。
この極低域の3つのピークの音圧がほぼ同じような音圧で聴こえるかが一つのポイントです。位相調整にいいようにも思われます。
また、中高域もバランスよく録音されていますので、サブウーファーとメインスピーカーとの音圧の調整用にもいいかもしれません。特に、弾む低域のリズム系の音をぼやけることなく再生する、という点でもチューニング用にいいかと思います。
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ピーク値の周波数特性
曲全体のピーク値の周波数特性を下図に示します。
図 Rock You Gentlyのピーク値の周波数特性
4. " Lo Que Me Hace Vivir "/ Akokan / Roberto Fonseca
Roberto Fonsecaは、キューバ出身のミュージシャンです。ラテン系ジャズといいますか、幅広い音楽的背景をベースに作詞、作曲、編曲を行っています。
特に、この曲の出だしは、ラテン系の賑やかさとは異なり、リリカルな感じの淡々としたフォンセカのピアノで始まります。
それが、段々と熱気を帯びてくるような印象です。
本曲の、周波数特性をみると、20Hz台にもピークがあります。20-60Hz台がほぼフラットに録音されています。
ライブのマジックな雰囲気を出したい、と考えての録音とのことです。
このように、20-30Hz台の音圧が高い場合は、メインスピーカーにハイパスフィルターによるサブソニックフィルター機能を導入したほうが無難です。
なお、本アルバムでは、ゲストに、男性ボーカルと女性ボーカルも参加しています。
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ピーク値の周波数特性
"AKOKAN"の2曲目、" Lo Que Me Hace Vivir " 、この全曲のピーク値の連続データの周波数特性を、下図に示します。23Hz付近に比較的大きなピークがあります。
5. " Funky AECO " / The Third Decade / Art Ensemble of Chicago
本アルバムは、メルマガでは、ご紹介していませんでした。
本曲は、アート・アンサンブル・シカゴのアルバム、" The Third Decade "の2曲目です。
CD黎明期に近い古いアルバムですが、録音の周波数帯域が広く、本曲では、下は20Hzまで、高い音圧で録音されています。
この曲では、ものすごい数の楽器が演奏されています。シンセサイザーも使われていますが、ほとんどの音が生の楽器によるものです。
この曲の場合も、20-30Hzの音圧が高いので、そのままだとメインスピーカーがフラフラと動き再生に支障をきたします。サブソニックフィルターを入れたほうがいいかと思います。
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ピーク値の周波数特性
本アルバム2曲めの" Funky AECO " の全曲のピーク値の連続データの周波数特性を、下図に示します。20Hz台まで、-40dB 以上の高い音圧で録音されています。通常のメインスピーカーには再生できず、振動板がフラフラと動く現象を引き起こすので、サブソニックフィルター(ハイパス・フィルター)を入れたほうが無難です、
図 . " Funky AECO " のピーク値の周波数特性(Wave Spectra使用)
6. ” 歌よ " / 龍とそばかすの姫 / オリジナル・サウンドトラック
本アルバムは、映画化されたアニメのサントラ版です。ユーザー様のご紹介によるものです。
2023年1月現在、Netflixなどで公開されています。
本曲は、主人公役でもある中村佳穂のボーカルと、シンセを駆使した柔らかい曲調で始まりますが、ドラマチックな雰囲気が、超低域の音で醸し出されます。
30Hz台まで高い音圧で録音されています。
また、23.6Hzに、ピークがあります。(白いカーソルの位置)
ハイトーンの女性ボーカルと、シンセベース等の深い音との対比がとても印象的な曲です。
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ピーク値の周波数特性
5曲目の ” 歌よ " の全曲のピーク値の周波数特性を、下図に示します。
図 . ” 歌よ" のピーク値の周波数特性(DIGI Checkによる測定値;離散値)
図 . ” 歌よ" のピーク値の周波数特性(Wave Spectraによる測定値;連続値)
23.6Hzにもピークがあります。
7. bad guy / When We All Fall Asleep, Where Do We Go? / Bilie Eilish
Bilie Eilishのヒット曲、" bad guy " です。今を代表するミュージシャンの一人と言えるかと思います。特に、Appleがプッシュしているようです。
全体的には、50Hz付近に大きなピークがあり、37Hz付近もかなり高いピークがあります。30Hz以下はおそらく意図的にストンと落ちています。
冒頭からの、低音のビートが印象的ですが、2分30秒後の、スイープ的な音の展開もかなり印象的です。
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ピーク値の周波数特性
” bad guy " の全曲のピーク値の連続データの周波数特性を、下図に示します。
前半の低域のピークは、約37Hz前後、2分30秒以降のピークは、約49Hzになります。30Hz付近にも、小さなピークがあります。その下は音圧が下がっています。
図 1. ” bad guy " のピーク値の周波数特性(Wave Spectraによる測定値;連続値)
以上、7曲をピーク値の周波数特性と共に振り返ってみました。
関連リンク先
極低域の豊かな音源集 その2
その2へのリンク先です。
オーディオ愛好家のためのサブウーファーとは
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サブウーファー用のチャネルデバイダとして、デイトンオーディオのDSP-408を使って見ました。
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