Z700W-OMMF4MICAと音源との相性について

 

今回は、" Z700W-OMMF4MICAの使いこなし その2 " として、音源との相性について検討します。

 

Z700W- OMMF4MICAの音の特徴

検討した構成

Z700W(S)- OMMF4MICAは、音出しにあたって、様々な構成のバリエーションが考えられます。

ここでは、”その1”で、主にご説明した構成の場合に付いて検討します。

すなわち、

  1. スピーカーを前後2つ取り付ける
  2. 前後は、正相(並列)接続とする

なお、ユニットは、前面にOM-MF4-MICA、背面にZ-Modena mk2を取り付けます。

この構成を、Z700W(S)- OMMF4MICA/Modena とここでは、呼びます。
Z-Modena mk2を前面にした場合は、Z700W(S)- Modena/OMMF4MICA とします。

 

相性のいい音源

結論を先に申し上げます。

2つのユニットを取り付けた Z700W(S)- OMMF4MICA/Modena は、割合オールマイティで、あまり音源を選びません。音場型スピーカーになりますので、音の広がり感が実感できる音源がマッチしますが、ジャズ系やオーケストラ、また、弦楽四重奏、なども、よく再生します。

スーパーツイータの必要性を感じさせない速い応答と、比較的素直な高域が特徴的ですが、低域の量感もあります。

ただ、少し苦手なタイプもあります。それについては、後述します。

まず、相性のいい音源の例です。

 

MIles Davis のKind of Blue

例えば、MIles Davis のアルバム"Kind of Blue"

Lee Konitz and Trio MinsarahのDeep Lee

リー・コニッツ(Lee konitsz)とトリオ・ミンサラー(Trio Minsarah)による " Deep Lee "


諏訪内晶子の”ヴァイオリン協奏曲”

諏訪内晶子(ヴァイオリン)とバーミンガム市公共楽団の”ヴァイオリン協奏曲”

 

Hilary Hahn & Eiji OueのViolin Concerto No.1 / Paganini 

ヒラリー・ハーン(Hilary Hahn)と、スウェーデン放送交響楽団によるパガニーニのヴァイオリン協奏曲第1番

 

ハーゲン・カルテットのベートーベンの四重奏曲

ハーゲン・カルテット(Hagen Quartett)の演奏によるベートーベンの四重奏曲

Jacinthaの Here's To Ben

Jacinthaの Here's To Benの In the Wee Small Hours


 

Emilie-Claire BarlowのLike a Lover

Emilie-Claire BarlowのLike a LoverのOn the Sunny Side of the Street

などなど。

 

この内の3枚は、SACDマルチ音源ですが、Stereo版SACDで聴きました。
いずれも、比較的エコー等のエフェクトが効果的に用いられており、それが背面側のユニットにより活きている、といえるかもしれません。奥行き感も出てくるようです。

 

相性があまり良くない音源

ただし、やはり、6cmと8cmのユニットの組み合わせですので、30Hz-40Hz台が高い音圧ではいっているような音源の再生は不得手です。具体的には、パイプオルガン系やヒップ・ボップ系などです。Wで使うと音像が大きめになるので、音像の小ささを追求する聞き方をする女性ボーカル系などは音源によっては合わなかったりします。

 

" The Great Organ of Saint Eustache , Paris " 

例えば、ジャン・ギユー(Jean Guillou)の" The Great Organ of Saint Eustache , Paris " 

 

Snoop Dogg(スヌープ・ドッグ)の"California Roll"

Snoop Dogg(スヌープ・ドッグ)の2015年のアルバム ”BUSH"の "California Roll"


 

Billie Eilish の" bad guy "

Billie Eilish のデビューアルバムWhen We All Fall Asleep, Where Do We Go?の" bad guy "

などです。 

 

このような音源を、かなり高いボリュームで再生しようとすると、振動板がフラフラと動き、歪を招きます。ただし、ユニットが並列に2つなので、音圧の割にはボリュームはそれほど高くありません。

従って、普通はユニットへの致命的な悪影響は、あまりないと思います。

 

ユニットが1つ場合の注意点

通常の音源の場合は案外低音に満足感がある

ユニットが一つの場合、通常の音源では、ボリュームをある程度上げれば、低域が充分な音圧で再生されます。

というのも、普通は、60-100Hz程度が再生できれば、バスドラなどが、かなりの音圧の低音として感じられるからです。いわゆる重低音と表現されるのは、この辺だったりします。ちなみに、チェロの最低音は、65.4Hzです。

このような音源の場合、低域の再生能力という点では、実は、前後の2つのユニット構成の低音とあまり違わなかったりもします。ただし、通常はダクトの長さが違いますので、共振点が異なり、実はより低い側も再生できるとか周波数特性のバランスは異なっています。

 

シングルの場合の再生音の例をYoutubeにアップしました。
下の写真をクリックいただければ、Youtubeのリンク先に飛びます。

 

再生音の例(シングルユニット)

 

なお、ユニット2つの場合と同等の音圧を得るには、2-2.5dB 程度ボリュームを上げる必要があります。

また、エコー感や奥行き感が、1つと2つでは、やや異なります。これは音源によっては、よりはっきりと相違が出ます。1つの場合は、平板でより前に音が出てきます。

 

さらに、ユニット2つの例として、Z700W(S)- OMMF4MICA/Modenaの再生音の例をYoutubeにアップしました。
下の写真をクリックいただければ、Youtubeのリンク先に飛びます。

 

再生音の例(MICA/Modena)

 

 

極低域が高音圧で録音されている音源に注意

ところが、最後に示しました30Hz-40Hz台が高い音圧で入っているような音源の再生の場合、状況はかなり異なります。

具体的には、例えば先程あげた、スヌープ・ドッグの場合です。

これはかなり要注意です。20Hzが-20dBと高音圧になっています。

この曲を再生するとボリュームがそれほど出ていなくも、ユニットが一つの場合、一つのユニットで、音にならない領域を、より高いボリュームで頑張って再生せざるを得ないため、コーンがフラフラと猛烈に動き、かなり危なそうな状態となります。一方、低域の音圧が(再生能力が低く)どうしても足りなく感じるので、ついついボリュームを上げてしまいます。

その結果、ユニットを破損する恐れがあります。

OM-MF4-MICAの場合、最大入力が7Wとあまり高くないため、この限界点はかなり低いといえます。

 

Billie Eilish の" bad guy "は、その点では、少しマシですが、でも、こんな特性です。

このようなある意味ちょっと特殊な音源の場合は、残念ながらOM-MF4-MICAのシングルでの再生はやめたほうがいいかと思います。

 

なお、ギユーのパイプオルガンの場合は、それほど心配しなくてもいいかもしれません。

このように、35Hz以下は、急激に減衰しています。

 

以上、逆に言えば、前後にユニット2つの場合は、安全性が高くなっていますので、その点でも比較的オールマイティと言えます。

 

 

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