目次
Symphony No.8[ 千人の交響曲 ] /Mahler /Solty-Chicago et.al
規格品番:[POCL-6001]
はじめに
前回のブログで、本アルバムについてご紹介しました。
高音質オーディオソースのご紹介 *マーラー / 交響曲 第8番 [ 千人の交響曲 ]/ ショルティ、シカゴ交響楽団他
今回は、その試聴結果をご紹介します。
今回の試聴のメインスピーカーには、Z1-LivornoとZ1000-Bergamo の2機種を用いました。
それぞれの単体のケースと、スーパーツィーター、また、サブウーファーを組み合わせたケースを比較試聴しました。
比較試聴の設定
今回は、音源のご紹介でも述べましたようにメインスピーカーと、それにスーパーツイーター、さらにサブウーファー、を組み合わせた場合で、それぞれ試聴をおこなってみましたので、その結果についてご紹介します。
(Z1-Livorno + Z506-Livornosub + Z501)と(Z702-Bergamo + Z506-Livornosub + Z502) との比較試聴のセッティング
試聴環境の設定(比較試聴のレイアウト例)
今回の比較試聴の際のレイアウトを示します。ここで示したのは、右チャネルの場合です。
右側が、Z1000-Bergamo +Z502タモ版、左側が、Z1-Livorno+Z501(上)+Z506Livornosub(下)となります。
なお、Z506-Livornosubは、試聴毎に、Z1-Livorno系または、Z1000-Bergamo系に接続します。
スーパーツィーターのセッティング(Z501,Z502)
Z501
今回の試聴では、Z1-Livornoに、Z501を1μFのコンデンサーで接続しました。
Z506-Livornosubとも接続した場合は、1.2μFでも、いいかもしれません。
なお、下記リンク先では、標準として0.82μFを推奨しています。
この値については、試聴するソースや、個人の聴力、好み等といったことで変わりますので、推奨値は、あくまで目安と考えていただければと思います。
Z502
また、Z1000-Bergamo には、Z502(タモ版)を接続して試聴しました。
アッテネータは、-8dBとしました。
下記リンク先では、4~8目盛りを推奨しています。
サブウーファーの接続(Z506-Livornosub)
今回は、下記のリンク先と同様、ローパスフィルターとして、DSP-408、また、アンプとして、SMSLのA300を用いました。WindowsPCで、DSP-408のセッティングをしています。
ローパスフィルタの設定は、次の通りです。
タイプ: バターワース、 周波数: 45Hz、 スロープ(Oct.): 24dB/Oct
今回、低域が豊かに録音されており、さらに低い周波数まで伸びていますので、サブウーファーのZ506-Livornosubを組み入れたシステムをまず想定しました。
また、超高域も高い音圧ですので、キレのよいベースやドラムスを期待して、スーパーツィーターを組み合わせることにします。
組み合わせとして、次の2つを設定してみました。
① (Z1-Livorno)+(Z506-Livornosub)+Z501
② (Z702/1000-Bergamo)+(Z506-Livornosub)+Z502
また、サブウーファーとスーパーツィーターの有無による効果についてもチェックします。
Z1000(Z702)-BergamoとZ502タモ版について
Z702-Bergamo とZ502タモ版については、こちらで比較的詳しくご紹介しています。
なお、Z-702-BergamoとZ502タモ版とを組み合わせた場合は下記のようになります。
このZ702-Bergamo は、未塗装の状態です。
(Z1-Livorno + Z506-Livornosub + Z501)と(Z702-Bergamo + Z506-Livornosub + Z502) との比較試聴の結果
それぞれの組み合わせの本アルバムの試聴結果についてのメモを記載します。
Z1-Livorno
Z1-Livorno単体
冒頭のパイプオルガンは、そこそこ鳴っている。低域は、よく出ている。ただし、全体にややベールを被ったような印象があり、やや物足りないような感じがする。
+Z501(スーパーツィーター)
ベールが薄れ、トランペットが伸びやかに響く。低域の再生もしっかりとした厚みを感じる音になってきた。特に15曲目などのソリストや合唱の歌声も柔らかに響き、単体の場合とは、イメージが異なる感じすらした。
+Z501+(Z506-Livornosub)
1曲目冒頭のパイプオルガンの音はもとより、低域側の各パートの存在感がどっしりと増して、安定感があり、音の厚みが全く異なってきている。この充実感によって、音楽に入り込めるようになってきた。
Z1000-Bergamo
Z1000-Bergamo 単体
エコー感があり、音の広がりを感じる。ベール感のような籠もった感じはない。ただし、全体にやや平板な印象を受ける。合唱などの分離感があまりよくないようにも感じる。低域はちゃんと出ているという印象。
+Z502(スーパーツィーター)
たとえば、トランペットが明るく伸びやかに響くようになった。なぜか低域の音の存在を、より感じるようになった。
また、合唱がいきいきとして分離して聴き取れるようになった。音が自然に広がって聴こえる。これは、ヘッドホンでは、わからない。
ソリストの男声も女声も伸びやかとなり、一段と存在感を感じる。全体として、スーパーツィーター追加の効果は大きく、その音楽性にも関わると感じさせるほど。
+Z502+(Z506-Livornosub)
出だしのパイプオルガンはもとより、ティンパニーやコントラバスの音が分離して聴き取れるようになってきた。もちろん、合唱の声も分離感が一層増してきている。15曲目の後半に入っている極低域も聴き取れるようになり、全体に、音の世界が広がっていく感じがする。
どうやら、このような広帯域の再生システムでないと、この曲の本領は、再生できないということかと認識させられる。
ともかく、素晴らしい録音と音楽性に思わず聴き入ってしまう。
試聴のまとめ
いずれの機種も、本作品の再生においては、単体では、その再生能力が不十分なようです。
まず、Z1-Livorno でも、Z1000-Bergamo でも、それぞれの効果についてはやや異なりますが、本曲の再生のためには、スーパーツィーターの付加は必須といっていいようです。各パートの再生能力が、高域側はもとより、コントラバスや低音用のティンパニーなどの打楽器系など、本来低域側の楽器の音の再生にも効果的で、それぞれの存在感が増します。また、本曲の特徴である大勢のソリストや合唱の声の分離性向上にも寄与しているようです。
さらに、サブウーファーの追加により、極低域に録音されている音も浮き出てきます。また、それは、曲全体の再生音の深みと雰囲気のリアリティの向上にも寄与しています。
要は、音が生々しくなります。
ここまで、効果がはっきりするのは、この録音が素晴らしいからだと言えます。
正直言いますと、ヘッドホンで、聴いているときには、この録音の素晴らしさは良くわかりませんでした。また、残念ながら、単体での再生では、ワイドレンジの再現性はもとより、音の分離がよくなく、曲としてあまり魅力を感じませんでした。
amazonなどで、この録音をベタ褒めしている方々は、そのような再生装置で聴いているか、数多くのコンサートなどでの経験で補間して聴いている、ということだと思われます。
CD情報
アマゾンのリンク先(下記画像をクリック)
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