M03(サブウーファーアンプ)の設定の概要

はじめに

これまで、オーディオ愛好家のためのサブウーファーとは、と題して、その1パッシブサブウーファーの接続方法で、その接続フローの例をいくつか示しました。

下に、それぞれのリンク先を示します。

今回は、サブウーファーのZ506-LivornosubとメインスピーカーにZ1000/702 Bergamoを組み合わせた場合に、サブウーファー用アンプとしてM03(Fosi Audio)を用いた場合の各項目の設定例をご紹介します。

接続フローと設定のポイント

接続フロー

サブウーファー用アンプとしてM03を用いた場合の接続フローを下図に示します

プリアンプまたはプリメインアンプのプリ信号出力をサブウーファー用パワーアンプ(モノラル)にL/Rそれぞれ接続します。そのSP出力をサブウーファーに接続します。

設定のポイント

サブウーファアンプとして設定するのは、次の2つとなります。

 1. ボリュームの設定

 2. LPF(ローパス・フィルター)の設定

M03の場合、ローパスフィルターの調整点は、カットオフ周波数(SUB Frequency)のみとなります。

基本的には、以上のボリュームと、ローパスフィルタ(カットオフ周波数)の2つを適宜調整して音決めをします。

 

極低域での周波数と波長長さと位相

メインスピーカーにサブウーファーを組み合わせる際に、位相については、バックロードホーン系と組み合わせるような場合、特に気になります。

ただし、今回の提案で前提としているのは、極低域での場合ですので、通常の低域用サブウーファー設定の状況とは、位相の観点で少し異なります。

例えば40Hzの場合、20℃で音速は、343.5[m/sec]となりますから、1波長の長さは、858cmです。1/2波長で、429cmとなります。ホーン長がこの1/2波長の長さになると、スピーカー正面の40Hzの音とホーンからの音とが逆相となり、打ち消し合うことになります。

もっとも、ホーン長さが4.3mとなると、これはかなり巨大なシステムの場合といえます。

以上から、今回ご提案している規模のシステムにおいては、BHBSについても、この極低域での位相差の影響は比較的少ないと考えていいかと思います。

 

M03の具体的な設定方法(Z1000/702 Bergamo+Z506-Livornosub)

M03のフロントパネルとバックパネル

M03のパネルについて説明します。

フロントパネル

Fosi Audio M03 パワー サブウーファー アンプ - 機能

  1. 電源スイッチ
  2. 電源インジケータライト
  3. PBTL&SUBセレクター
  4. サブ周波数制御
  5. 音量調節

バックパネル

Fosi Audio M03 パワー サブウーファー アンプ - フロント パネル

6. RCA入力
7. アクティブ/パワードサブウーファー出力
8. パッシブスピーカー&サブウーファー出力
9. DC 入力


Read more: https://manuals.plus/fosi-audio/m03-power-subwoofer-amplifier-manual#ixzz7tBSArrGs

M03の初期設定について

M03は、モノラルのアンプですので、Z506-Livornosubのようなパッシブサブウーファーの場合は、L/Rにそれぞれ1台、計2台を接続します。

前記のバックパネルの図で、具体的な配線をまず説明します。

バックパネル側の配線

Fosi Audio M03 パワー サブウーファー アンプ - フロント パネル

6. RCA入力プリアンプからの出力をRCAケーブルで接続します
7. アクティブ/パワードサブウーファー出力 使いません
8. パッシブスピーカー&サブウーファー出力Z506-LivornosubのL(R)をスピーカーケーブルで接続します。バナナプラグ経由で接続すると楽ですが、直接接続でもかまいません。
9. DC 入力 :電源を接続します

これで、L側の配線は完了です。同様にして、R側もM03とそれぞれの機器を配線します。

次にフロントパネル側の設定を説明します。

備考:付属電源について

今回は、サブウーファー用フィルタ機能内蔵パワーアンプの例としてFOSI AudioM03を使用しています。本機はAmazon等で取り扱っています。

これは、出力が200W/4Ωと記載されています。

しかし、M03の付属の電源は、32V/5Aですので、160Wとなります。

32V/10Aなどの大容量の電源を用いれば、200Wの定格出力は可能と同社のマニュアルに記載しています。つまり、より高出力(アンペアが大きい)の電源を使えば、M03は、定格として記載しているパワーを出すことができます。

ただ、通常は、付属電源のパワーで充分ではないかと思われます。

なお、電源回路のキャパシタにより、瞬間最大電力は、(160Wよりも)より大きいと、同社は述べています。

 

フロントパネルの設定

Fosi Audio M03 パワー サブウーファー アンプ - 機能

  1. 電源スイッチ :電源を入れる前に③を設定し、また、④と⑤をこの図のようにします
  2. 電源インジケータライト :初期では、消えていることを確認します。
  3. PBTL&SUBセレクター :SUB側にスイッチを下げます
  4. サブ周波数制御 :今回は、この図のように左側にまわして最低として使います
  5. 音量調節 :初期は、この図のように左側にまわして最低とします

M03の具体的な設定

設定の考え方

今回、Z1000/702 Bergamoをメインスピーカーとして使い、Z506-Livornosubをパッシブサブウーファーとして使うわけですが、ここから先は、それぞれの考え方により、様々な設定があり得ます。

とはいえ、M03の場合は、先にも述べましたが、調整できる要素は、2点のみです。

1. ボリュームの設定 :⑤の音量調節
2. LPF(ローパス・フィルター)の設定:④のSUB FREQ(カットオフ周波数)

別ブログの、”オーディオ愛好家のためのサブウーファーとは その1パッシブサブウーファーの接続方法” で述べた考え方では、本サブウーファーを極低域の付加を目的として使います。

SUB FREQの設定

このような考えの下で試したところ、今回は、④のSUB FREQ(カットオフ周波数)を左側に絞りきり、本機の最低カットオフ周波数で使うのがよさそうでした。

なお、数値が記載されていないので、この周波数は不明です。

また、本フィルターの減衰率(dB/oct)もマニュアルには記載されていないので、メインスピーカーの中低域とサブウーファーからの中低域がどれぐらいかぶるのかは予測が困難ですが、どうやら影響が割合出やすいようです。これは-12dB/octぐらいのフィルターかもしれません。

音量調節

以上から、今回ご提案の使い方では、調整するのは1点、⑤の音量調節、のみとなります。

この調整については、まず電源を入れ、極低域の入っている音源を聴きながら徐々にボリュームを上げて好みの音量とします。あまり上げるとメインスピーカーとの被りの影響も大きくなります。

また、全体の音量によってもその効果は変わると思われますので、比較的小さな音量で聴く場合と、大きな音量の場合とで、設定値を変えた方がいいかもしれません。

一般的には、人の聴力は、音量が小さいほど低域を感じにくくなりますので、小音量の場合は、ボリュームをやや上げたほうがいいようです。

設定例

ちなみに、Z1000/702 Bergamoの場合、以下のような設定が良かったです。(11時くらいの位置です。)

 

 

弊社のリスニングルームでは、そこそこ大音量で聞けるので利用しているFOSTEXのプリメインアンプの位置も示します。(2時くらいの位置です。)

 

 

プリメインアンプの音量がこれより大きい場合は、サブウーファーのボリュームは下げ、プリメインアンプの音量が小さい場合はサブウーファーの音量を上記より上げてご利用ください。

 

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