目次
M03(サブウーファーアンプ)の設定の概要
はじめに
これまで、オーディオ愛好家のためのサブウーファーとは、と題して、その1パッシブサブウーファーの接続方法で、その接続フローの例をいくつか示しました。
下に、それぞれのリンク先を示します。
今回は、サブウーファーのZ506-LivornosubとメインスピーカーにZ1-Livorno(S)を組み合わせた場合に、サブウーファー用アンプとしてM03(Fosi Audio)を用いた場合の各項目の設定例をご紹介します。
接続フローと設定のポイント
接続フロー
サブウーファー用アンプとしてM03を用いた場合の接続フローを下図に示します
プリアンプまたはプリメインアンプのプリ信号出力をサブウーファー用パワーアンプ(モノラル)にL/Rそれぞれ接続します。そのSP出力をサブウーファーに接続します。
設定のポイント
サブウーファアンプとして設定するのは、次の2つとなります。
1. ボリュームの設定
2. LPF(ローパス・フィルター)の設定
M03の場合、ローパスフィルターの調整点は、カットオフ周波数(SUB Frequency)のみとなります。
基本的には、以上のボリュームと、ローパスフィルタ(カットオフ周波数)の2つを適宜調整して音決めをします。
M03の具体的な設定方法(Z1-Livorno+Z506-Livornosub)
M03のフロントパネルとバックパネル
M03のパネルについて説明します。
フロントパネル
- 電源スイッチ
- 電源インジケータライト
- PBTL&SUBセレクター
- サブ周波数制御
- 音量調節
バックパネル
6. RCA入力
7. アクティブ/パワードサブウーファー出力
8. パッシブスピーカー&サブウーファー出力
9. DC 入力
Read more: https://manuals.plus/fosi-audio/m03-power-subwoofer-amplifier-manual#ixzz7tBSArrGs
M03の初期設定について
M03は、モノラルのアンプですので、Z506-Livornosubのようなパッシブサブウーファーの場合は、L/Rにそれぞれ1台、計2台を接続します。
前記のバックパネルの図で、具体的な配線をまず説明します。
バックパネル側の配線
6. RCA入力:プリアンプからの出力をRCAケーブルで接続します
7. アクティブ/パワードサブウーファー出力 :使いません
8. パッシブスピーカー&サブウーファー出力:Z506-LivornosubのL(R)をスピーカーケーブルで接続します。バナナプラグ経由で接続すると楽ですが、直接接続でもかまいません。
9. DC 入力 :電源を接続します
これで、L側の配線は完了です。同様にして、R側もM03とそれぞれの機器を配線します。
次にフロントパネル側の設定を説明します。
備考:付属電源について
今回は、サブウーファー用フィルタ機能内蔵パワーアンプの例としてFOSI AudioのM03を使用しています。本機はAmazon等で取り扱っています。
これは、出力が200W/4Ωと記載されています。
しかし、M03の付属の電源は、32V/5Aですので、160Wとなります。
32V/10Aなどの大容量の電源を用いれば、200Wの定格出力は可能と同社のマニュアルに記載しています。つまり、より高出力(アンペアが大きい)の電源を使えば、M03は、定格として記載しているパワーを出すことができます。
ただ、通常は、付属電源のパワーで充分ではないかと思われます。
なお、電源回路のキャパシタにより、瞬間最大電力は、(160Wよりも)より大きいと、同社は述べています。
フロントパネルの設定
- 電源スイッチ :電源を入れる前に③を設定し、また、④と⑤をこの図のようにします
- 電源インジケータライト :初期では、消えていることを確認します。
- PBTL&SUBセレクター :SUB側にスイッチを下げます
- サブ周波数制御 :今回は、この図のように左側にまわして最低として使います
- 音量調節 :初期は、この図のように左側にまわして最低とします
M03の具体的な設定
設定の考え方
今回、Z1-Livornoをメインスピーカーとして使い、Z506-Livornosubをパッシブサブウーファーとして使うわけですが、ここから先は、それぞれの考え方により、様々な設定があり得ます。
とはいえ、M03の場合は、先にも述べましたが、調整できる要素は、2点のみです。
1. ボリュームの設定 :⑤の音量調節
2. LPF(ローパス・フィルター)の設定:④のSUB FREQ(カットオフ周波数)
別ブログの、”オーディオ愛好家のためのサブウーファーとは その1パッシブサブウーファーの接続方法” で述べた考え方では、本サブウーファーを極低域の付加を目的として使います。
SUB FREQの設定
このような考えの下で試したところ、今回は、④のSUB FREQ(カットオフ周波数)を左側に絞りきり、本機の最低カットオフ周波数で使うのがよさそうでした。
なお、数値が記載されていないので、この周波数は不明です。
また、本フィルターの減衰率(dB/oct)もマニュアルには記載されていないので、メインスピーカーの中低域とサブウーファーからの中低域がどれぐらいかぶるのかは予測が困難ですが、どうやら影響が割合出やすいようです。これは-12dB/octぐらいのフィルターかもしれません。
音量調節
以上から、今回ご提案の使い方では、調整するのは1点、⑤の音量調節、のみとなります。
この調整については、まず電源を入れ、極低域の入っている音源を聴きながら徐々にボリュームを上げて好みの音量とします。あまり上げるとメインスピーカーとの被りの影響も大きくなります。
また、全体の音量によってもその効果は変わると思われますので、比較的小さな音量で聴く場合と、大きな音量の場合とで、設定値を変えた方がいいかもしれません。
一般的には、人の聴力は、音量が小さいほど低域を感じにくくなりますので、小音量の場合は、ボリュームをやや上げたほうがいいようです。
設定例
ちなみに、Z1-Livornoの場合、以下のような設定が良かったです(ほぼ12時くらいの位置です。)
弊社のリスニングルームでは、そこそこ大音量で聞けるので利用しているFOSTEXのプリメインアンプの位置も示します。(2時くらいの位置です。)
プリメインアンプの音量がこれより大きい場合は、サブウーファーのボリュームは下げ、プリメインアンプの音量が小さい場合はサブウーファーの音量を上記より上げてご利用ください。