Find Out

Find Outの概要

 The Stanley Clarke Bandの1985年のアルバム”Find Out"の1曲目です。分類的には、いわゆるジャズ・フュージョン系の走りのころの作品となります。

 スタンリー・クラークは、70年代にチック・コリアなどと結成したリターン・トゥー・フォーエバーや、ジョージ・デュークとのユニット、アルディ・メオラなどとのトリオなどが有名です。また、2000年代も活動を広げ、上原ひろみをいれたスタンリー・クラークバンドで、2011年、第53回グラミー賞で最優秀コンテンポラリー・ジャズ・アルバム賞を受賞しています。ウッドベースとエレクトリックベースの両方の名プレーヤーです。

 本曲は、出だしから、スタンリー・クラークのベースが高速で繰り出されます。リズムのベース及び、メロディーラインのベースが、絡み合いながらプレイが繰り広げられ、中低音がなかなかにぎやか。それに、ギター、キーボードパーカッション、さらにヴォーカルが重なり、詰まった音が早いテンポで展開されます。

 再生には、過渡特性がいいことが必須で、音の分離性などで、それぞれの違いを聞き分けることができると思います。

本曲のピーク値の周波数特性の特徴

本曲の全曲のピーク値の周波数特性を下図に示します。

図  Find Outのピーク値の周波数特性

 

 グラフの縦軸が音圧、横軸が周波数で、20kHzまで表示しています。曲によってもやや異なりますが、音圧の値が-80dB程度で、聴感上は、ほぼ無音状態です。測定値は、-120dBまで取れていますが、グラフを見やすくするために、ここでは、-80dB以上を示しています。

 本録音の特徴は、広い音域です。下は20Hzから、上はカットオフの20kHzまで、音が入っています。おそらく、原音では、それ以上高い成分もあったことでしょう。CDでは、そこはカットされています。

 下の領域では、全体でもっとも高いピーク値が、約50Hzをピークに20-100Hzの範囲で山
を形成しています。この形は、有名なHotel Californiaと似た傾向ですが、それよりも、40Hz以下が高い音圧となっています。このような、超低域は、それが再生可能なスピーカーであれば、空気の唸りのような感覚を得ることができそうです。

 一方、約100~300Hzの音圧も相当高いので、いわゆる鮮烈なバスドラ、といった通常、重低音と表現されることもある低域も、ほとんどのスピーカーで迫力をもって再生される可能性があります。また、高音の方では、指標として、ヴァイオリンの最も高い基音として、基音Aの約3オクターブ上の音に相当する約3.5kHz に縦に点線で示しました。

 通常は、この音よりも高い部分は、倍音が主体なので、なだらかに下降していく場合が多いのですが、この曲の場合は異なり、約6kHz の前後に、特徴的なピークが連立しています。ちなみに、この部分はメロディラインのベースの音の再生時に、記録されています。

 この部分は、ベースにしては、やや高音ですが基音はピアノで言えば、基音の領域です。エフェクターが強烈に効いているようです。このような強烈な倍音を含むベースが、本曲の大きな特徴と言えます。

 それ以外のパートの部分でも倍音が多く、約8kHz まで、高い音圧が記録されています。約10kHzを少し超えたあたりから、ストンと音圧が下がっています。従って、高音域については、約10kHz程度までの再生能力があれば、強烈な倍音も含めて、再現されているように聞こえる可能性があります。

 

音工房Zスピーカーでの比較試聴

 

Z601-Modena (V2)での試聴


 Z601は、音工房Zのオリジナル8cm のフルレンジユニットであるZ-modena mk2を用いたスピーカーで、バックロードホーンの要素を設計に取り入れたダブルバスレフタイプです。ピークホールドを見ても40Hzあたりまでは出ているので、Z601では難しいかと思いき実際に聞いてみると予想外に良く鳴ってくれます。ベースラインもちゃんと分離して聞こえます。

 確かに、他の機種に比べると、全体に低音は控えめですが、比較せずにこれだけ聞いている分には、充分にも聞こえます。また、倍音成分の多いベースも、これは、本来のリズム・セクションとしてのベースとメロディー・セクションとしてのベースといくつかありますが、ちゃんと再現されているように聞こえます。

 

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Z701-Modena (V5)での試聴

 

 Z701は、Z601と同じスピーカーユニットZ-Modena mk2を使っています。箱だけ異なります。BHBS(バックロードホーンバスレフ)といういわばバックロードホーン(BH)とバスレフ(BS)の良いところ取りをしたエンクロージャーです。

 これにより、8センチ1発とは思えないローエンド再生が可能です。Z-601に比べ一段と抜けが良く、中低音もより多く出ています。結果、40Hz近辺から100Hzまで量感は大きく迫力が増します。

 聞く音量が大きいと少しローブースト気味になる場合もありますが、そんな時は低域の桟による低域量感調整やスーパーツィーターで超高域を伸ばすことでの調整も可能です。ハイトーンのギター、キーボードなどは、きちんと分離して、明るい感じに聞こえました。

 

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Z-1-Livorno (S)での試聴

 Z-1は、音工房Zオリジナルユニットと、最適化されたネットワーク回路から成る2ウェイのバスレフスピーカーです。バスレフポートは、テーパー状で、後ろ側に配置されています。

 各専用ユニットとシンプルなネットワーク構成をバランス良くチューニングすることで、コストパフォーマンスと高級機に匹敵するクオリティを両立させることができました。曲の入りのベースが、Z701より低い迫力ある音で、かつ弾けて聞こえ、臨場感があります。低音域の厚みに魅力があり、いいバランスで鳴ってくれます。

 このような弾けるようなフュージョン系でも再生能力は高く、本機の過渡特性がいいことがわかります。

 

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Z800-FW168HRでの試聴

 


 

Z800は、音工房Zの最高峰のスピーカーです。2ウェイのバスレフタイプで、形式的には、Z-1と同じです。ただし、ツィーター、ウーファー共に、フォステクスの最高のものを使っています。それぞれ、市販の300万クラスのスピーカーに普通に採用されているユニットです。

 再生音域は広く、下は、20Hzから、上は、50kHzまでの再生が可能です。いわゆる、超低音領域やハイレゾ領域が、再生可能となっています。試聴の結果、パーカッションの抜けるようなハイトーンが、きちんと分離して聞こえるのが、印象的でした。

 また、超低音域での空気の振動のようなニュアンスを、Z800では感じました。この超低音域部分だけはZ-1Livornoに比べて優位な部分です。

 

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Z-1-Livorno (S)+Z501


  


 

 

 Z-1にスーパーツィーターZ501を組合わて試聴しました。ネットワーク用のコンデンサは、試聴の結果、標準の2.0μFから、0.82μFに変更しました。試聴の結果、高音域が少し良くなった感じはしますが、それほど、大きな変化を感じることはありませんでした。

 全曲のピーク値の周波数特性で示されているように、ベースの倍音のような、強烈な音のリソース領域が、10kHz以下に相当含まれているため、超高音域の倍音再生の効果が、わかりにくくなっている、ということかもしれません。 

 

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CD情報

 

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