Alma Caribeña (Caribbean Soul) / Gloria Estefan

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  規格品番:[EK62163]

本アルバムの概要 について

今回ご紹介するのは、音工房Zの試聴会で、お客様に御持参頂いた音源です。

本アルバムについて

グロリア・エステファン(Gloria Estefan;出生名 Gloria Maria Fajardo)の " Alma Cribeña (Caribbean Soul) " です。アルバムの原題はスペイン語、括弧内が、その英語表記です。

今回、Amazonから入手したアルバムは、@2011 Sony Music Entertainment / @2000 Sony Music Entertainment の刻印がCDにあります。2000年にリリースされ、2011年にUSAで再プレスされたようです。

本CD自体には、曲名のリストと2つのWebアドレス以外の情報が、ライナーノートも含めほとんどありません。規格品番は、[EK62163 ]です。本CDには13曲収録ですが、日本盤には、さらにボーナス・トラックがあり、全14曲とのことです。

オリジナル盤は、第43回グラミー賞で、最優秀トロピカル・ラテン・ポップ・アルバムを受賞しています。彼女の通算19枚目(ソロとしては9枚目)のスタジオ・アルバムとなります。

お客様の情報によると、SACD版があるとのことでしたので、Amazonで検索すると、現時点では、中古で25,000円の値がついていました。

 

グロリア・エステファン

グロリア・エステファンは、1957年9月1日、キューバのハバナに生まれました。祖父と父親が旧体制側の軍人だったため、一家はキューバ革命後の1959年にアメリカのフロリダ州マイアミに逃げて定住します。
その後、父親は、キューバ国内への軍事活動で現政権側に捕まり、服役後、米軍に入隊。ベトナム戦争にも従軍します。
一方、母親は、もともとキューバでPh.D.を得ていましたが、米国では無効になってしまいました。その後、彼女は米国で教師になります。

グロリアは、米国で育ち、マイアミ大学に入学して、1979年に優秀な成績で卒業します。
在学中に、のちに夫となるエミリオ・エステファンがリーダーのマイアミ・サウンド・マシーンのボーカルとして活動を開始します。そして1978年に結婚しました。そしてそれが今も続いています。

1985年の”Primitive Love" [32・BP-115] が実質的な日本でのデビュー作になると思われます。
" CONGA " などが世界的にヒットしました。

1987年には、バンド名が、グロリア・エステファン&マイアミ・サウンド・マシーン、となります。そして、1989年には、グループ名がなくなり、ソロアーティスト名となります。

1990年に交通事故で瀕死の重傷を追いますが、その後復帰します。その復帰後、スペイン語のアルバムが多くなったようです。本作のタイトルは、ズバリ" Alma Cribeña (Caribbean Soul) "、カリブ人魂、 です。スペイン語のアルバムとしては3作目となります。

米国版のWikipediaには、かなり詳細な説明があります。人気と影響力のほどが伺えます。
彼女のアルバムは全世界で通算7,500万枚以上売れたとのことです。

2015年には、” オン・ユア・フィート ”という題名のミュージカル作品がブロードウェイなどで演じられました。これは、彼女と、夫であり、マイアミ・サウンド・マシーンのリーダーでもあったエミリオ・エステファンとの半生を基にした作品です。

このように、グロリア・エステファンは、特にラテン系のアメリカ人にとっては、成功したラテン系の星、として大人気のようです。

なお、彼女は大学在学中にマイアミ国際空港の税関部門で英語、スペイン語、仏語の翻訳者として働いていましたが、優秀だったため、語学担当スタッフとしてCIAにアプローチされたことがある、とのことです。

最近は、娘エミリー、孫サーシャなどとEstefan Familyとしても活躍していて、Facebook , You Tubeなどに情報があります。

 

本アルバムの特徴

本アルバムは、タイトルと詞がすべてスペイン語です。曲も、いかにもラテン系の明るい雰囲気の曲調とともに、時にしっとりとしたバラードも歌い上げます。

本CDは、録音の音域も広く、ベースなどの低域がかなり下の周波数まで伸びており、パーカッションなどの高域もパルシブにシャープに響きます。

SACD版に高値がつくのもわかるような気がします。

 

各曲のピーク値の周波数特性の特徴

 各曲のピーク値の周波数特性を測定し、その特徴を検討したいと思います。なお、以下記載のある曲と各ピークの確認等については、モニター用のヘッドフォンのSennheizerのHD-660SとSONYのMDR-M1STを用いました。

" Por Un Beso "のピーク値の連続データの周波数特性の比較

最初に本アルバム1曲目の " Por Un Beso " 、意味は、” ひとつのキスで " とのことですが、この曲のピーク値の連続データの周波数特性を示します。


       図 1. " Por Un Beso " のピーク値の周波数特性(Wave Spectra使用)

 

この図では、縦軸横軸を補完しています。縦軸が音圧で、0dB~-80dB、また、横軸が周波数で、20Hz~20kHzとなります。

全体の形状は、なだらかな右肩下がりですが、限界である20kHzまで高い音圧となっています。倍音を豊富に含む、立ち上がりの速い音の傾向が伺えます。

低域側は、約50Hz以下が急激に下がっており、カットされているような印象です。ただし、50-100Hzの音圧が全体の中でもかなり高いので、通常の再生環境では低域が豊かな印象を与えると思われます。

 

"Tres Gotas de Agua Bendita" のピーク値の連続データの周波数特性について

次に6曲目の ” Tres Gotas de Agua Bendita "(3滴の聖なる水)を測定してみます。

 

   図 2. " Tres Gotas de Agua Bendita " のピーク値の周波数特性(Wave Spectra使用)

 

こちらのデータの形状も、全体に右肩下がりです。まず目につくのは、低域側がかなり下の周波数まで音圧が高い点です。約33Hzに一番大きなピークがあります。また、44Hz、50Hz、55Hzなどにピークがあります。

40-60Hzにあるこれらの大きなピークは、ベース由来で、全曲を通してリズムを刻みます。

また、33Hz付近の大きなピークは、後半に現れます。シンセベースのようです。
この音を再生できるスピーカーは少ないかもしれません。

また、中高域も総じて音圧が高くなっています。特に高音域の倍音成分は、パーカッション系の切れの良い打楽器が常にリズムを刻んでおり、時折弦楽器も鳴っているのが要因と思われます。

また、本曲ではボーカルの男女のデュエットに、バックコーラスが加わります。それらにより、200-1kHz付近の中域の音圧が比較的フラットとなっていると思われます。

以上の結果、とてもワイドレンジな周波数帯域の録音となっています。

 

" Me Voy " のピーク値の連続データの周波数特性について

次に、アルバム9曲目、" Me Voy " (私は去って行く)、のピーク値の連続データの周波数特性を示します。


        図 3. "Me Voy" のピーク値の連続データの周波数特性

この曲は、比較的ゆったりとしたボーカルが主体です。他の曲に比べ比較的音の数が少なく、その結果、ピーク値が高低差の大きな形状となっていると思われます。各ピークはそれぞれの音程やその倍音に対応していると考えられます。

他の曲にあるようなラテン系の賑やかなパーカッションなどは殆どなく、その結果、通常は、それらの倍音成分などから成ると考えられる20kHz付近での値は-80dB以下と低い音圧となっています。

 

" No Me Dejes De Querer " のピーク値の連続データの周波数特性について

次に、アルバムの12曲目、" No Me Dejes De Querer "(私への愛を捨てないで)、 のピーク値の連続データの周波数特性を示します。

       図 4. " No Me Dejes De Querer " のピーク値の連続データの周波数特性

この曲は、先程の"Me Voy"とは対象的に、全楽器が全力疾走しているような、賑やかで明るい、いかにもラテン系の曲です。
その結果、ピーク値の周波数特性の形状は縦幅が比較的狭く、低域側などは滑らかとなっています。高域側も20kHzまで-60dB以上とかなり音圧が高く、倍音成分が豊富なキレの良い音源のオンパレードなのが伺えます。

 

Z700W- OMMF4MICAについて

先日、音楽の友社のONTOMO MOOKが9/15付でリリースされました。2022年版マークオーディオ編として、6cmフルレンジユニットのOM-MF4-MICAが特別付録となっています

Z700W- OMMF4MICAは、同ユニット用に限定販売している音工房Zのスピーカーキットです。また、完成品のZ700WS- OMMF4MICAもあります。

これに同ユニット等を取り付けて試聴してみました。

また、比較試聴用として、Z702-Modena(V6)を用意しました。

 

Z700W(S)- OMMF4MICAの特徴

概要

本スピーカーキット(及び完成品)には、ユニットがついていません。
ユニットは、ご自身で購入し取り付ける必要があります。これは完成品も同様です。

まず、OM-MF4-MICAを取り付けた例を2つ並べてみます。

 

前面/背面へのユニットの取付

本エンクロージャーは、実は、背面にもユニットを取り付けることができます。

ユニットをつけない場合は、付属の開口カバーでスピーカー開口部を塞ぎます。この場合は、基本的にバスレフ箱として機能します。

なお、内部にはスピーカーとダクトとの間に仕切り板が入っており、わずかにダブルバスレフ的な作用もあるかもしれません。

ここでは、ダクト側には、Z700W(S)- OMMF4MICA、背面側には、音工房Zの8センチユニットであるZ-Modena mk2を取り付けてみました。前後は、各々このような外観となります。

もちろん、正面、背面共に同じユニットを取り付けることもできます。

ただし、正面側の開口径が65mmに対し、背面側の開口径は75mmとなっています。OM-MF4-MICA用としては、隙間は生じませんがマージンが小さいため、取り付けの際はスポンジテープ等で対策をした方がいいかと思います。

背面用スピーカーの組み合わせのバリエーションは色々考えられます。

 

前面/背面のユニットの電気的接続方法とそのバリエーション

配線用の端子は、上面についています。
ここで示したケースでは、2つの端子を各々ショートしていますので、前後のユニットを並列で正相に取り付けていることになります。

 

こちらも、バリエーションはいくつか考えられます。
①正相(並列)、②逆相(並列)、③背面側を開放、④背面側をショート、⑤直列接続、など。

ここで、逆相はあまりお勧めしません。空気をダクト側に押し出す力が下がるためか、低音が激減します。③は、ドロンコーン機能。④は、ドロンコーンですが、コーンが動く時に逆起電力による抵抗成分が発現しシングルバスレフに③よりも近づくことが予想されます。

なお、③のドロンコーンは、バスレフダクトの長さにより、全体の低域の再生音が変わります。バスレフダクトが長すぎると空気抵抗に負けバスレフダクトが機能せず低域は激減しますが、ある程度短くすると、バスレフダクトとドロンコーンの両方が機能するようです。

この場合は、バスレフダクトを塞ぎ密閉型としてドロンコーン動作のみにした場合よりも、低域がかなり増強されます。

ドロンコーン+バスレフというのは、あまり実施例を見ないように思いますが、ダクト長さ次第では、低域ブーストという点で案外効果的なようです。

 

なお、今回の試聴用では、ダクト面にOM-MF4-MICA、その背面側にZ-Modena mk2を取り付け、端子接続は正相として共に駆動としました。なお、正相接続(並列)により、見掛けの能率が高くなり、再生音量が大きくなります。

なお、正相に接続の場合、並列接続ということですので、合成インピーダンスは同じユニットの場合、半分となります。低インピーダンス化に不安がある場合など、直列に接続するという方法もあります。この場合は、インピーダンスが2つの値の和となり高くなります。

全体の能率は、この組み合わせの場合、2.5-3dB程度減るようです。

 

バスレフダクトの調整について

Z700W(S)- OMMF4MICAに付属のバスレフダクトは、完成品、キット共に、長さ110mmが付属しています。前面/背面にユニットを取り付けた場合、この長さがお勧めです。

前面/背面のユニットの組み合わせにより、この推奨長さは変わってくる可能性がありますが、詳細は別ブログや使いこなしレポート等で御紹介します。

一方、ユニットが前面のみの場合は、このままでもいいのですが、低音の量感がもっと欲しい場合は、短くすることをお勧めします。60-80mm程度にすると、低音の量感がかなり増します。

バスレフダクトは、ユニットの駆動能力が充分ある場合は、ダクトが長いほど、共振周波数が低い方にシフトします。ところが、ユニットの駆動能力が不十分な場合は、ダクトが長いと空気の排出抵抗に負けて共振しきれないことがあります。

ユニットがダブルの場合は、駆動能力が高いので、長い110mmで豊かな低域を得ることができます。しかし、シングル駆動の場合は、やや力不足なようで、60-80mmの方が、低域が豊かに再生されるということになるようです。ただし、その場合、共振周波数は高くなります。

ちなみに、再生音のボリューム感も全く違います。ダブルの場合は、高能率となり、音量が大きく再生されます。

これは、比較的大音量で聴きたい場合に大きな差となります。OM-MF4-MICAは、6cmですが、ストロークが比較的長く、結果低域の再生能力が比較的高いのですが、やはり、耐入力電力的には、限界が低いようです。つまりあまり大きな音で鳴らすことができません。

これをダブルユニットで用いると再生音量的にかなり余裕が出てきます。正面に見える6cmのサイズが信じられないほどの低域の量感を感じることができます。

 

Z700W- OMMF4MICAとZ702-Modena(V6)の比較試聴結果

Z702-Modena(V6)について

今回、比較試聴用に用いたZ702-Modena(V6)は、BHBS(バックロードホーンバスレフ)型のショートホーンタイプで、背面にダクトがあります。ユニットには、Z-Modena mk2を使っています。サイズの割に豊かな低域の再生能力が特徴です。

中低域が豊かなこともあり、Z501などのスーパーツイータとの組み合わせがお勧めです。

 

比較試聴の結果

" Por Un Beso "

1曲目の " Por Un Beso "を、Z700W- OMMF4MICA/Modenaで聴きました。まずは、前面にOM-MF4-MICA、背面にZ-Modena mk2で、正相接続です。

第一印象は、キレの良いパーカッションがセパレーションが良く、くっきりとしており、粒立ちのいい音、立ち上がりの早い、高域のはっきりしたいい音、でした。
リズミカルな楽しい感じが伝わってきます。

” Tres Gotas de Agua Bendita "

6曲目の ” Tres Gotas de Agua Bendita "も同様です。これらの曲は、50Hz台の低域が比較的音圧が高いこともあり、やや高域側にバランスが寄っているZ700W- OMMF4MICA / Modenaでも、低域の再生音に満足感を感じます。

ただし、特にこの6曲目では、Z702-Modena(V6)と比較試聴すると、低域の再生能力の差は歴然です。
Z702-Modena(V6)では、この曲の低域が更に下まで伸びているのがよくわかります。

" Me Voy "

この差は、9曲目の" Me Voy "では、より大きく感じられます。バラード調の本曲では、Z702-Modena(V6)では低域のベースの音に強い存在感を感じるのですが、Z700W- OMMF4MICA/Modenaでは、それがやや軽く、スッキリとした音調となります。

 

スピーカーの配置(前面⇔背面)

また、次に、Z700W- OMMF4MICA/Modenaを正面/背面を逆にして聴いてみました。

するとZ-Modenaが正面の方が、高域がやや控えめな一方、中域が充実して、さらに低域がより低い方まで伸びているような印象を受けました。

低域側はバスレフダクトから出ている成分も多いことを考えると、ダクト側でもあるOM-MF4-MICAが前面の方が、低域がやや強く感じられるようにも予想されます。

OM-MF4-MICAの方が高域にバランスが寄っているため、それを正面側にすると相対的に低域が聴こえにくくなるのかもしれません。さらに、音響パネルを背面に配置している効果も考えられます。

 

まとめ

グロリア・エステファン(Gloria Estefan)の " Alma Cribeña (Caribbean Soul) " を、Z700W- OMMF4MICA/ModenaとZ702-Modena(V6)で比較試聴しました。

前面/背面にユニットを装着したZ700W-OMMF4MICA/Modenaで、OM-MF4-MICAをダクト側の正面に、またZ-Modena mk2を背面側にとりつけ、正相で接続した構成です。

本アルバムをZ700W-OMMF4MICA/Modenaで試聴した結果、特にラテン系特有のパーカッション等の高域の音が、セパレーション感と粒立ちが良く、立ち上がりのよいキレの良さが印象的でした。曲の楽しい感じが伝わってきます。

低域の存在感もあります。本アルバムが、50Hz-100Hz台の低域の音圧が比較的高いことも寄与しているようです。

ただし、バラード調の曲などでは、Z702-Modena(V6)に比べると中低域が軽い印象があり、しっとり感という点では、やや薄くなるようです。とはいえ、前後に配置したスピーカユニットにより、シングル構成よりも低域はブーストされています。

本アルバムを、Z700W- OMMF4MICA/Modenaで聴くと、ラテン系の活き活きとした本アルバムをとてもよく楽しむことができました。

 

CD情報

アマゾンのリンク先(下記画像をクリック)

 

関連リンク先

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