Any Weh You Like It /  ms. Triniti

TRINITI / トリニティ / MS.TRINITI ESSENTIAL RAGGA HOP / ベスト・オブ・トリニティ

曲の概要

 Trinitiは、キャッチが、”ダンスホール・ビューティ”。父親はトリニダード・トバゴ人で、母親はアメリカ人。自身は父の故郷と英国で育ち、その後米国LAの大学に入学、活動を開始した、という経歴を持ちます。

 彼女は、レゲエ/ダンスホールをベースに、R&B、ヒップポップ、ポップスの要素をミックスした自身のサウンドを、”RAGGA HOP"と呼んでいます。本アルバムの題名の由来です。

 この曲は、彼女にとって初のベスト・アルバムである ”ESSENTIAL  RAGGA HOP" の6曲目に収録されています。なお、初出は、アルバム ”Do Or Dare"、このアルバムも含め、このベストアルバムは、それまでの3つのアルバムの集大成となっています。

 この曲の特徴は、ともかく周波数領域が広く、かつ、ダイナミックレンジも大きいこと。また、超低域~低域が、0dBギリギリのかなり高い音圧で録音されています。

 この曲に入っている”音”をきちんと再生するには、超低域から超高域までの、幅広い音域に対応している必要があります。また、ダイナミックレンジも広く、パルシブなサウンドが基調ですので、優れた過渡特性が求められます。

 一方、レゲエをベースとしたダンス音楽なので、ともかくリズミカルでノリがよく、音楽的には、どのような再生装置でも、そのリズムとサウンドを楽しむことができるでしょう。

 

特性測定と評価

本曲のピーク値の周波数特性の特徴

 本曲全体のピーク値の特性を示します。
縦軸は、dB(デシベル)単位の出力で、上が0dBで、下が-80dBとしています。
また、横軸は周波数で、対数目盛となっており、一番左端が、20Hzで、緑の目盛りは、10kHzが記載されており、実線の枠で囲まれた一番右側の点線は、20kHzとなっています。


図  ”Any Weh You Like It” のピーク値の周波数特性

 

 なお、以下記載のある曲と各ピークの確認等については、ヘッドホンにより行っています。このモニター用のヘッドホンには主にSONYのMDR-CD900STを用いました。

 この曲は、なんと、低域は、約37Hzに、大きなピークがあり、70Hz付近にも緩やかな山があります。曲全体のピーク音圧の最大値でもあるこの37Hzの音は、高い音圧で入っています。用途は、効果音で、曲のところどころでびっくり箱のように入っています。リズムセクションということではありませんから、これが聴こえなくても、曲全体としては、特に問題はない、とも言えます。

 通常のスピーカーで聴いていると、入っているのに気づかない周波数帯域です。また、リズムセクションのバスドラ的な音も75Hz で、-1.69dBと高い音圧で入っていますので、通常は、こちらが”強烈な重低音”として、捉えられるかと思われます。

 この曲のピーク値のプロファイルは、聴覚の等感曲線を補うような左肩上がりの曲線となっています。また、8kHzから10kHzで、やや音圧が上がるような傾向も見られます。

 200Hz付近から2kHz近くまでは、ボーカルに対応したピーク値です。音程に対応して、離散的にならんでいます。また、そこから上の周波数になるにつれ、音圧は下降していきます。ところどころあるピーク、例えば、7.4kHzや、8.3kHzなどの-20dBに近いピークは、なんらかのディジタル処理で発生しているノイズによるものと推定されます。極短いツッ、とかピチッとか言う音が聴こえたときにいくつかの山が同時発生するのが観察されるからです。20kHz近傍に向かって大きくなっている山もその類のようです。

 他の曲の場合では、ボーカルのサ行の音とともにこのようなピーク発生がでることもあります。

 いずれにしても、意図的な音作りの副産物のように、思われます。

 

Any Weh You Like It の試聴

Z800-FW168HRS + Z505-TrentoS での試聴

 本曲の試聴のポイントは、32Hz付近で、何度か出てくる効果音です。これが聴き取れるかどうかが、まずポイントとなります。

 もちろん、代表的なRAGGA HOPの一つとして、Ms.Trinitiの軽やかなボーカルとリズムセクションも音楽的にはポイントです。

 最初に、Z800-FW168HRS単体で、聴いてみました。曲が始まって、9秒過ぎぐらいに、最初のズーーーンが聴こえます。この音は、例えばZ1-Livornoでは、その片鱗がかすかに感じ取れるだけです。ほとんど、0/1の世界で、この超低域に関しては、Z800の方が、一段上となります。

 次に、ウーファーシステムであるZ505TrentをZ800に並列に接続して試聴しました。

 他とは、次元の異なる音です。超低域が、地響きのように響き、体で感じ取ることができます。また、中高域は、明るく切れがあり、リズムに乗ることができます。
たまに鳴る、このびっくり箱のような効果音に感動すら覚えます。

 Z800が、Trentoを増設したことで、数段上のクオリティになったと感じました。

 

比較試聴に用いた製品の紹介

 今回の試聴に用いた製品を、紹介します。

1.  Z800-FW168HR 
https://otokoubouz.com/z800/fw168hr.html

2. Z505Trent
https://otokoubouz.com/z500/505trento.html

3. Z-1-Livorno (S)
https://otokoubouz.com/z1/livorno.html

4.  Z501を組み合わせ。(C=0.82μF)
https://otokoubouz.com/z500/501.html

 

CD情報

 

 

関連リンク先

・本アルバム同様、極低域が豊かに含まれる音源集です。

 

・パッシブ型サブウーファーの使い方をご紹介しています。

 

・PCオーディオ入門編 2023です。導入しやすく高音質のオーディオ環境のご紹介です。
サブスク音源、驚きのminiPC、最新D級アンプ、音工房Zのスピーカキットなどをご紹介しました。
今や入手が困難なCD音源なども、1億曲のサブスクなら聴くことができる、かもしれません。

 

 

 

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