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フルレンジ8本比較レビュー
弊社にある6~10センチのフルレンジをZ600-Cannonball100に入れて今日は視聴しレビューとyoutube動画でお伝えします。サブウーファーなしですので、少々難しいユニットも含まれています。比較のリファレンススピーカーとしてZ1-Livornoを隣に並べて比較視聴をしました。
https://otokoubouz.com/melmaga/2023/2023-12-14-001.jpeg
FOSTEX FE108Sol
異例の再販売になった限定ユニットをまずはテストしてみました。こちらはバックロードホーン用という位置づけですので、シングルバスレフでは通常高域が多すぎて聞けないというのが定説です。
全体のバランスは確かにはい上がりです。低域不足ではありますが、嫌なピーク感は皆無で素性の良さを感じさせます。
サブウーファーでミッドを補えば優れたパフォーマンスを発揮しそうな予感があります。低域がなくても高域が綺麗すぎるの聞き続けたくなる。そんな感じです。
良いスピーカーユニットは箱を選ばずなのかもしれません。
ただ、Z1-Livornoと比較すると高域はハイあがりなのでマルチウエイ化するとどんなに低域をふかしても、はい上がり傾向は残った音になるかなと。
FOSTEX FE108SSHP
少々高域の暴れがあり、苦労した思い出のある108SSHPを次に聞いてみました。FE108Solに比べると低域はよく出るので、全体的のバランスは重心が下がったような印象です。高域はBHBSにして聞いたときに比べると少しおとなしくなったか?
高域のバフル反射が減って、聞きにくくなるかと思いきや意外や良い意味で期待を裏切ってくれて聞きやすい高域になりました。ただ、108Solと同じくオーバーダンピングですので低域はサブウーファーが必須ですし高域も108Solのが自然かなという印象。
FE108SolとFE108SSHPを並べて、しかもバスレフ箱で聞いたのは今回初めてでした。
FE108SolはこれまでのFEシリーズの音の延長線上で最高の出来栄えのスピーカーですが、、
FE108SSHPは能率を低くしたことで、低域は多くなりましたが、これまでのFEの特徴であった高域の透明感が少し霞んでしまったような印象を受けました。
FOSTEX FE103Nv
レギューラーユニットのFE103Nvです。
はじめの2つのオーバーダンピングに比べると、バランスが低域よりなので聞きやすくなるかなと思いましたが、意外と低域については量感少なめです。これまた久しぶりにFE103を聞きましたが、
音の傾向としてはFE108SSHPの廉価版といった傾向です。
低域は昔のFE103に比べると良くでておりますが、音像が前にくっくり出る昔のFE103とは違った音となっています。
なお、FE108SolやFE108SSHPのような大きなマグネットを使ったスピーカーはケーブルを通す際にな座ぐりが必要になります。座ぐりを大きくあけすぎると、FE103系の角型のユニットですと隙間があいてしまうので注意が必要です↓↓
https://otokoubouz.com/melmaga/2023/2023-12-15-001.jpeg
丸形ユニットだけをつかっていればそこまでシビアに考える必要はありません。
Z-Bergamo
10センチの最後に、Z702-Beragamo用に開発したZ-Beragamoを入れて聞きました。
こちらのスピーカーユニットはBHBS箱であるZ702-Bergamo用に、Pluvia7を少しだけマグネット強化してオーバーダンプ化したユニットです。そのため、シングルバスレフでは少しだけ賑やかになるかなと思いきや、、
サブウーファーなしで聞いた場合には断トツでこの機種が音が一番好印象でした!
低域がしっかり出る上、高域のバランスもとても良かったです。
隣にリファレンスで比較したマルチウエイのZ1-Livornoに音が一番近いです。
Z1-Livornoの高域より、ネットワークとバフルがない高域でより透明感のある高域に感じます。
この機種は能率があまり高くないので、LCRでマルチ化するには少々苦労するかもしれませんが、デバイダーを利用したらうまくつながると思います。
こちらのユニットは単体では販売する予定はないのですが、マルチ化にチャレンジしてみて評価が良くてお客様からニーズがあったら検討しようかと思います。
FOSTEX FF85WK
これまで聞いてきた10センチに比べるとナローレンジで、スケールは小さめですが全体バランスは良好です。10センチだと低域が不足しているのを、Z-Bergamo以外の全てのユニットで感じたのですがこちらは逆に低域不足を感じないから不思議です。
実験的にFE83Nvも聞いてみましたが、こちらも10センチのFE103Nvよりうまくまとまっている印象ですのでおすすめです。
女性ボーカルや小編成の室内楽など音源は10センチより音源を選ぶかなという感じです。
サブウーファーを足せばバスドラも問題なく鳴ってくれるでしょう。細かい比較を他の機種とすると、やはり低域は一番FOSTEXが弱いのは致し方ないかなという印象です。
マークオーディオ CHN40(OM-MF4)
こちらは2020年のムックの付録ユニットです。
弊社では2発使いのZ701-OMMF4と、
PC用のシングル使いのZ600-OMMF4
の2機種の限定箱を作ったというスピーカーです。個人的にはマークの小口径の中でも気に入っている機種です。CHN40がまだ販売されているので、小型の完成品を作るのに採用したいと思っているユニットでもあります。
紙系のユニットであるFE系に比べると繊細さに関しては少し劣りますが、逆にピーキーさーはないので長く聞いても疲れない安心感があります。
10センチのZ-Bergamoに比べるとやはりスケール感と低域は弱いですが同じメーカーだけに近いものがあります。
Z-Modenaと比較して聴き比べしますと、音が少し引っ込むというか、元気よく前にでてくる感じが少ない印象は少しだけ残りました。
マークオーディオ CHN40(OM-MF4)
マークオーディオの紙系のユニットで、一番最後に出た付録ユニットです。こちらはFOSTEXのFEと比較されることも多いと思いますが、音色の傾向は全く別です。
明るいFEに対して暗めのマークという音色ですが、、FOSTEXのFEやFFはバックロードやダブルバスレフを想定していてマークは普通のシングルバスレフを想定しているという違いがあります。
そうなるとどうしても、シングルバスレフでしかも低域がでにくい容積ですからマークオーディオに有利な出音となりがちでした。
こちらも癖がない点と低域が良くでるという点で非常におすすめできるユニットです。
リファレンスとして比較してZ-Modenaと振動板素材は違いますが、結構近い音に感じました。
Z-modena
他の8センチを聞いているときの基準用に聞いていました。
自分の好みの音をもとに作ったユニットなので、どうしてもZ-ModenaやZ-Bergamoの評価が高くなりがちですが(笑)、好みですのでいろんなユニットを試してみてもらえればと思います。全体的に低域から高域までバランスよくでて、生々しさと解像度が高い音です。
もともと、シングルバスレフ用を少しだけオーバーダンピングにしたユニットなのですが、全く普通にシングルバスレフでも良く鳴ってくれますね。
Zユーザー様はお持ちの方も多いとおもうので是非こちらもお楽しみいただければと思います。
■印象に残ったユニット3つ
フルレンジだけで聞いて良い意味で印象に残ったユニットを3つ書いておきます。
◯FE108Sol
低域は出ないんですけど、それはサブウーファーやマルチの役割として。フルレンジ1発でこういう高域は他のユニっトでは絶対出ないんじゃないかなと。高域が多いはい上がりなんだけど嫌味な
感じがない。
◯Z-Bergamo
108Solとは違って、フラット系。ハイエンドを目指すマルチウエイのスコーカーとして最も使えそうな印象。単体で聞いても低域は十分でてる。
◯Z-ModenaとCHN40PMICA
意外と音の印象が近かったユニットです。フルレンジ1発にサブウーファーで低域を追加してやれば更によくなりそう。