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Hotel California / Eagles
オーディオチェック用としても有名なロックバンドイーグルスの名曲です。ホテル・カリフォルニアにはいくつか録音がありますが、今回紹介するアルバム「HELL FREEZES OVER」の6曲目に入っているHOTEL CALIFORNIAはライブ録音です。
ライブ特有の全体のホール感の再生の加減、冒頭の30Hzの超低域など試聴ポイントとなります。 曲は、ライブ特有の拍手の後、印象的なギターの弦の音で始まり、開始33秒後に超低域を含んだ低域がバックで流れます。バスドラムでこれだけ低い帯域はあり得ないので録音後にローエンド部分だけ持ち上げていると思われます。
ギターの印象的なイントロが続き、有名なフレーズが奏でられそれに応える歓声が起こります。サイドギターなどとの重畳的なからみが続き、ドン・ヘンリーのハスキーで味わいのあるヴォーカルに入っていきます。この最初のヴォーカルも含め、イントロのすべてから聞き所と言っていいかと思います。
参考データとして、このヴォーカルの前までの部分のピーク値の周波数特性を下記に示します。
"HOTEL CALIFORNIA"のイントロ部分のピーク周波数特性
これはCDに入っている情報はフリーソフトのWaveSpectraというソフトでピークホールドを表示したものです。(スピーカーから出力したものではありませんで、もともとCDに入っているものです)
このグラフの縦軸が、音圧、横軸が周波数で20kHzまで表示しています。この曲は、ピーク値の周波数分布が比較的広く低域もかなり下の方から出ているのがわかります。
このソースを弊社のいくつかのスピーカーで聞いた際のレビューを書きます。
Z800-FW168HR で試聴
解像度が高くローエンドの再現性が一番高かったです。最初のギターがきれいに分離されて、かつ高域が伸びやかで、全体に爽やかな感じです。
Z800-FW168HRの各高級ユニットの特徴である応答特性の速さというのも効いているのかもしれません。バスドラも、クリアで、かつ他の機種よりも、余韻といいますか良質なホール感を感じます。
これは、ユニットの応答特性が速いために、もともとの音源に含まれている微かなホール音を忠実に再生できているからだと思われます。全体に、各パートの音がきちんと分離して聞こえる印象です。
30Hzのローエンド部分に関してはやはり16センチウーファーと中型サイズに匹敵するエンクロージャーというのが他のスピーカーと比較して最も有利に働く部分です。30Hzのローエンド部分だけをとると25センチウーファーであるZ505-Trentoを追加することでほぼ完全に再現可能になります。
Z601-Modena (V2)で試聴
このフルレンジ一発のエントリーモデルは、バックロードホーンの要素を設計に取り入れたダブルバスレフ型で、ユニットサイズ以上の低音再生が特徴です。BHBS(バックロードホーンバスレフ)の簡易版とも言えます。これは、用いたユニットのZ-Modena mk2の中高音の特性が最もはっきりと分かる構成でもあります。
まず、出だしの弦の音が弾けて綺麗に鳴ってくれていて、ホール感も綺麗に再現できています。小口径フルレンジの中高音再生力の力量と定位感の良さが発揮されているといえるでしょう。
さらに、バスドラも、決して量感は多くありませんが適度な低音の量感で再生されました。ヴォーカルも定位良く、こもりのないいい雰囲気で聞かせてくれます。全体にスッキリとした感じの、まとまりがいい印象の再生音です。
Z800-FW168HRと比較してしまうとどうしても30Hzの低域だけは無理がありますが、その部分だけを抜きにすれば良く健闘してくれていると言えるでしょう。
Z701-Modenaで試聴
これも、Z601と同じZ-Modena mk2のフルレンジ一発のモデルですが、箱が異なります。 BHBS(バックロードホーンバスレフ)というブログハインド自作スピーカー石田氏考案のBHBS形式をベースに音工房Zのオリジナルの味付けをしたエンクロージャーです。
このバックロードホーンとバスレフの良いところ取りをしたとも言えるエンクロージャー
は、8センチ1発とは思えないローエンド再生が可能です。箱の容量は、Z601の約2倍となっています。
再生音は、全体として、Z601よりも低域(特にローエンド)の再生能力が一段と高く、メリハリがより、くっきりと感じられます。一段と余裕のある音、という印象です。
Z-modena mk2の強力な磁気回路によるややオーバーダンピングな特性とBHBSによる高い中低音再生力がマッチしています。その結果、一段とダイナミック特性の良い豊かな中低音を生み出していると考えられます。
Z601-Modenaと比較すると圧倒的にローエンドの再生能力は高いのですが、中低音の音圧が高いぶん少し弦の音がこもったようにも聞こえることもありますが、スーパーツィーターを追加することで一気にバランスは改善されます。
Z800-FW168HRなどと比べると、中域の分離・分解能では勝つのは難しい印象もあります。たとえば、ギターとドラムなどのからみの部分では、再生音が分離しきれてないような印象も、やや受けましした。ツィーターが別のマルチウエイの強みでしょう。
しかし、バックロードホーンタイプに感じられることの多い、特定の領域の膨らみといいますか、共振ピークのような音は皆無でフラットな印象でした。
Z-1-Livorno Sで試聴
出だしは、落ち着いた音という印象で音場感などはZ800-FW168HRと互角かなと印象です。続く30Hzの低域部分に関してもZ800-FW168HRとの比較ですとローエンドの量感ではZ800-FW168HRのほうが良くでています。
音にエネルギーがある一方、解像度も高く、ギターが分離して聞こえます。ギターのサビでは、密度感の高い音です。また、ギターの音色も、芯があるなかでも、しっとり感を感じました。
本機は、背面へテーパーダクトのあるバスレフタイプですが、低音の質は滑らかで、バスレフの
ピーク音的な癖を感じることは全くありませんでした。全体に、きれいで、ゆったり感のある音の印象です。
細かい部分を見ずに全体的に聞き方をすると最もバランスが良く聞くことができるスピーカーがZ1-Livornoに思いました。
Z-1 + Z501
Z-1にスーパーツィーターZ501を組合わて試聴
ネットワーク用のコンデンサは、標準の2.0μFから、0.82μFに変更してあります。Z-1には、ツィーターがありますので、追加で、高音成分が過剰にならないように、Z501の超高音は、残し、それ以下を少し弱くする方向への調整となります。
まず、出だしのギターの弦の音に、力強さが出てくる印象です。続くバスドラが、切れがよくズドンと鳴り、さらに、すっきり感まで感じます。
Z501の追加で、超高音域を補強しているわけですが、その結果、全体のバランスも変わるため、中低域にも、影響が出てきているようです。いわゆる倍音成分の再生能力の違いということなのかもしれません。
ヴォーカルも力強く、全体にバランスの良さが向上したように感じられました。また、この追加により、さらに、ホール感、余韻が出てきて、再生音域が一段と広くなったように聞こえました。
CD情報
★のマーク驚異の784個(2020年7月)。オーディオファンであらずとも入手すべし!
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