交響曲 第2番 第4楽章/ ラフマニノフ / ロンドン交響楽団 / ゲルギエフ指揮 SACD  5.1ch

規格品番: [LSO0677]

曲と演奏者の概要紹介

今回ご紹介するのは、SACD multi-ch のアルバムです。
5.1 suround録音のご紹介になります。

規格品番は、[LSO0677]です。

ラフマニノフ(Rachmaninov)作曲の交響曲第2番から第4楽章をご紹介します。

演奏は、ロンドン交響楽団(LSO: London Symphony Orchestra)
指揮は、ヴァレリー・アビサロヴィチ・ゲルギエフ(Valery Abisalovich Gergiev)です。

ゲルギエフは、1953年モスクワの生まれで、両親は、イラン系民族であるオセット人(=オセチア人)とのことです。レニングラード音楽院(現サンクトペテルブルク音楽院)で指揮法を学び、同院在学中にカラヤン指揮者コンクール2位、全ソ指揮者コンクール1位となっています。

1977年にレニングラード音楽院を卒業後、キーロフ劇場(現マリインスキー劇場)の指揮者となったのを始めとして、国際的な指揮者として活躍を続けています。
2006年-2015年の期間、ロンドン交響楽団の首席指揮者として活躍しました。
LSO就任時より公演活動においてはプロコフィエフの楽曲に力を入れており、本アルバムのLSO Liveレーベルで、2008/09年に『ラフマニノフ・フェスティバル』を開催しました。

本アルバムは、それを基にしたLSO Liveシリーズの第1弾となります。つまり、本アルバムはライブ録音で、2008年にバービカン・センター(Barbican Centre)にあるバービカン・ホールでの録音となります。

バービカン・ホールは、ロンドン交響楽団の本拠地です。
また、LSO Liveは、2000年にロンドン交響楽団(LSO)により設立された自主レーベルで、多くの指揮者とのライブ録音をCD化して販売しており、SACDマルチ(ハイブリッド)も数多くあります。(lso.co.uk)

ちなみに、現在(2021年)の主席指揮者は、Sir Simon Rattle(サイモン・ラトル)です。2021年3月19日に、サー・サイモン・ラトルの指揮による本曲のライブ・アルバム(SACDハイブリッド版)もリリースされます。

ラフマニノフの交響曲第2番の演奏の歴史で、ロンドン交響楽団(London Symphony Orchestra)は、第11代首席指揮者(1968年-1979年)のアンドレ・プレヴィンによる指揮で本曲の全曲版を演奏し、その普及と定着へ寄与した功績で有名です。

それまでは、1940年代から1950年代まで、この作品は冗長であるとしてカット版を用いることが普通だったとのことです。

交響曲第2番は、1906年から1907年に作曲され、1908年1月26日にサンクトペテルブルクにてラフマニノフ自身の指揮で初演が行なわれました。

演奏は大成功を収めたようです。

 

本曲の第3楽章の冒頭のフレーズは、おそらく聞けばほとんどの人がどこかで聞いたことがある、と思うのではないでしょうか。

このフレーズをモチーフとしてメロディーラインを膨らませ、あるいは様々に編曲され、ポップスや、CMソング、テレビドラマの挿入曲やアニメソングなどとして用いられており、耳馴染んでいるせいか、第3楽章が始まると、なぜか懐かしさすら感じさせられるほどです。

また、最後の第4楽章の終わりは、スター・ウォーズの音楽のエンディングを思わせるような感じもします。

このあたりは、LSOが、比較的積極的に映画音楽などに参画していることとも関係あるかもしれません。

 

特性測定と評価

本曲のピーク値の周波数特性の特徴

ピーク値の周波数特性

本アルバムの第4楽章Allegro vivace(快活に速く)のピーク値の周波数特性を示します。

グラフの縦軸が音圧(dB)、横軸が周波数(対数表記)で、22kHzまで表示しています。

なお、本曲の試聴は、SACDマルチ(5.0ch)で行っていますが、この測定データは通常のCDフォーマットデータをWAVに変換したものを用いています。従って、SACDの周波数特性とは、特に超高音域が異なっていると思われます。

 

  図  ピーク値の周波数特性

 

 また、以下記載のある曲と各ピークの確認等については、ヘッドフォンにより行っています。このモニター用のヘッドフォンには、主にSennheizerのHD-660Sを用いました。

DACには、GustardのX16、ヘッドホンアンプには、同H16を用いてヘッドフォンも含めフルバランス出力でモニターしています。

 

グラフの文字が小さいので補足しますと、縦軸は、最大が0dBで、以下、-20,-40,-60,-80と表示されています。

横軸は、緑色の表示が、左から、20、100,1K、10kとなっており、右端は、96kHz(192/2)です。このグラフでは、約30kHzまでデータが表示されています。この領域はほとんど-70dB以下ですので、何らかのノイズ成分と推定されます。

曲全体の周波数特性に関する特徴

本楽章全体での最大の音圧の値は、約129Hzの-11dBです。これも含め、200Hz以下での高いピーク値は、ティンパニーなどの打楽器系によるものです。
また、コントラバスで、8人がリストアップされており、分厚い低域となっています。
下は、約30Hzで、-30dB、40Hzで、-17dB、としっかりと低域が録音されています。

音圧は、これらの突出したピークを除くと、30Hzから4kHz以下の範囲では、だいたい-20dB~-40dBの範囲の音圧となっています。

また、4kHz以上の倍音成分領域でも、20kHzのCD最大上限範囲まで、-50dB程度の比較的高い音圧で録音されています。
つまり豊かな倍音成分が録音されています。

この領域で、時折見られる突き抜けて高いピークは、トランペットなどの管楽器系によるものです。

全体では、かなり広い周波数範囲で音圧が一定レベルで入っているワイドレンジの録音と言えると思います。

CD録音版で、これですから、SACDでは、かなり再現性の高い録音となっていることが予想されます。

また、実際に音を聴いても、クリアな音質で、こもったような感じはありません。

 

 

交響曲 第2番 第4楽章 5.1ch の試聴

Z800-FW168HRS(Front) + Z-Liborno(Center)+Z800(Rear)での試聴

 

本曲の第1楽章Largo(幅広く、ゆるやかに)の始まりは、全体にゆったりとしとしており、フルオケで、大迫力、という音ではなく、カット版が一時普通だったというのが分かるようにも思われます。

ただ、マルチで聴くと、なんといいますか、瞑想にひたる感じといいますか、たゆたう音に漂っているような気分になります。

第2楽章Allegro molto(非常に速く)では、音が広がり、比較的後方にも一部の音が定位しています。周りを楽器に囲まれているような感じになります。

第3楽章Adagio(ゆるやかに)は、有名なメロディラインのフレーズで始まります。親近感がわきます。
ただ、Adagioの通り、この楽章は全体にゆったりとしており、落ち着いた気分になります。

第4楽章Allegro vivace(快活に速く)では、これまでよりも鳴りがよくなります。ティンパニーなどの打楽器やトランペットなどが元気です。それがピークの音圧特性にも現れています。

瞑想から戻らされる感じがします。
本アルバムの録音の良さが、それとはっきりと伝わる感じでもあります。

マルチでの音場は、ナチュラルで、奥行きがあり、オケの広がりと響きを感じ取ることができます。

 

 

試聴に用いた製品の紹介

 今回の試聴に用いた主な製品を、ご紹介します。

〇AVアンプ      : TX-RZ830(ONKYO)

〇ユニバーサルプレーヤー: UBP-X800M2(SONY)

〇スピーカー:

1.  Z800-FW168HR 
https://otokoubouz.com/z800/fw168hr.html

2.  Z-1-Livorno (S)
https://otokoubouz.com/z1/livorno.html

3.  Z501(C=0.82μF):センタースピーカーのZ-1と組み合わせ
https://otokoubouz.com/z500/501.html

 

CD情報

https://amzn.to/3v0BRNw

 

 

 

 

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