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Like a Lover / Emilie-Claire Barlow
規格品番:[ VICJ-61386]
本アルバムの概要 について
今回ご紹介するのは、エミリー・クレア・バーロウ(Emilie-Claire Barlow)の " like a lover " です。
規格品番は[ VICJ-61386]、オリジナルは、2005年に彼女のレーベルであるEmpress Music Groupからリリースされました。日本版は、2006年9月21日にボーナストラックを1曲加えて発売されています。
エミリー・クレア・バーロウは、カナダのトロント出身、1979年6月6日生まれで、歌手、アレンジャー、レコードプロデューサー、そして声優です。
両親共に、プロのミュージシャンで、叔父のリチャード・オムは、ジャズベーシストというカナダの芸能一家に生まれました。レコーディングスタジオで育ち、7歳までにテレビやラジオのコマーシャルを歌うキャリアをスタートしています。
さらに、両親の勧めでピアノ、チェロ、クラリネット、ヴァイオリンを学び、Etobicoke芸術学校では声楽、またHumber Collegeで音楽理論、編曲を学びました。
声優としては、日本のアニメ、セーラームーンのセーラーマーズとセーラーヴィーナスの吹き替えを始めとして様々な役を担当しています。
歌手としては、2008年のナショナルジャズアワードで、女性ボーカリスト・オブ・ザ・イヤーに選ばれており、また、2013年リリースのアルバム " Seule ce soir " と2016年の " Clear Day "でベスト・ジャズ・ボーカルレコーディングを受賞するなど、数多くの受賞実績があります。
本アルバムは、これらの受賞歴の前となります。
本アルバムは、スタンダードなジャズナンバーから成っており、彼女の4枚目のアルバムですが、日本では、これがデビューアルバムです。曲名をご紹介します。
1. Like a Lover
2. On the Sunny Side of the Street
3. Someone to Watch Over Me
4. A Time for Love
5. So Danco Samba
6. The Things We Did Last Summer
7. (I've got) Just About Everything I Need
8. Retrato em Branco e Preto
9. Our Love is Here to Stay
10. Blame It on My Youth
11. As Long As I Live
12.Like a Lover(remix)
ちなみに、6曲目の" The Things We Did Last Summer " (過ぎし夏の思い出)は、音工房Zの試聴会で、よく用いている曲でもあります。
この曲は、太いベースと彼女のボーカルのデュオという、ありそうであまりない編成ですが、ベースをプレイしているのは、マーク・ロジャーズ(Marc Rogers)、カナダ人のベーシストです。
彼は、ノーステキサス音楽大学で学びました。同じ大学にいたノラ・ジョーンズがリード・シンガーをしていたバンドのラズロでベーシストをしていました。
ワン オクロック ラボ バンドで、グラミー賞、またThe Philosopher Kingsでカナダのジュノ賞にノミネートされた実績などがあります。
各曲のピーク値の周波数特性の特徴
各曲のピーク値の周波数特性を測定し、その特徴を検討したいと思います。なお、以下記載のある曲と各ピークの確認等については、モニター用のヘッドフォンのSennheizerのHD-660SとSONYのMDR-M1STを用いました。
" On the Sunny Side of the Street " のピーク値の連続データの周波数特性について
本アルバム2曲目の " On the Sunny Side of the Street " (明るい表通りで)、この全曲のピーク値の連続データの周波数特性を、下図に示します。
図 1. " On the Sunny Side of the Street " のピーク値の周波数特性(Wave Spectra使用)
この図では、縦軸横軸を補完しています。縦軸が音圧で、0dB~-80dB、また、横軸が周波数で、20Hz~20kHzとなります。
全体に右下がりで、60-90付近に最も大きなピークが並んでいます。これは、ベースによるもので、白いカーソルの位置は41.7Hzですが、これもベース由来です。高い音圧のベースとエミリー・クレア・バーロウの中高域が対比をなしています。
途中から、ドラムス、ギターが加わり、さらにヴォーカルと交互にテナー・サックスが登場します。
後半は、ボーカルにフリューゲルホーンなども絡みます。
全体の構成を支えるベースとボーカルやテナー・サックスなどとの対比がスピーカーでどのように再生されるかが聽きどころかと思います。
" The Things We Did Last Summer " のピーク値の連続データの周波数特性について
次に、アルバムの 6曲目、" The Things We Did Last Summer "のピーク値の連続データの周波数特性を示します。
図 2. " The Things We Did Last Summer " のピーク値の連続データの周波数特性
この曲は、太いベースで始まります。この印象的なベースとエミリー・クレア・バーロウのボーカルのみ、という構成です。
2曲めの冒頭と同じ構成ですが、ベースもボーカルものびのびとプレイしているのが、それぞれの音域の高い音圧からも伺えます。
違う言い方をすれば、太いベースに負けないボーカルがとても印象的に聴こえる曲でもあります。
Z702-Modena(V6)での試聴
本アルバムをZ702-Modena(V6)で試聴しました。
Z702-Modena(V6)については、別ブログの " Deep Lee " でもやや詳しくご紹介しています。
2曲目の " On the Sunny Side of the Street "を試聴した印象です。
出だしのベースが、弾ける感じです。これにエミリー・クレア・バーロウの伸びやかなハイトーンが軽やかに絡みます。とてもナチュラルな感じです。
ドラムス、ギターに続く、テナー・サックスがこれまた、活き活きと響きます。
続く、エミリー・クレア・バーロウのスキャットもいい感じです。ベースがしっかりと支えています。
さらに、ベースのソロパートも思わず拍手したくなるスイング感です。
" Deep Lee "でもご紹介しましたが、これにさらにスーパーツイーターキットを付加して再試聴してみました。
コンデンサの値は、1.6μFです。
その結果、 " Deep Lee " での場合と同様に、ベースのキレが向上し、スピード感がさらにでてきました。
また、エミリー・クレア・バーロウのボーカルが一層伸びやかに聴こえます。
コンデンサの値は、Z-1などではバランス的に1μFぐらいで試聴することが多く、ちょっと値が大きいかもしれないとも最初思ったのですが、これはこれで、それなりにいいバランスのように聴こえます。
なお、Z501の接続でも同様の効果が得られます。
エミリー・クレア・バーロウのボーカルと太いベースの音を、Z702-Modena(V6)はスピード感よく再生してくれるようです。
CD情報
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