前回一般的なフロントダクトとリヤダクトの音の違いと、何の影響でダクトの前後差の音の影響が大きくなるかを書いてみました。読んでない方はブログにあげましたのでこちらをご覧ください。
今日は2つ実験をしました。1つ目はZ508-Woofer1400に30センチのウーファーをつけて、一方をフロントダクトにもう片方をリヤダクトにします。↓の写真は、2セットのZ508-Woofer1400です。片方はフロントダクト、もう片方はリヤダクトとなっています。
この状態で視聴位置を変えて、視聴してみます。ダクト前後どのように音が変化するかです。2つ目の実験は背面ダクトにした時に、後ろと壁の距離はどのくらいで問題となるかです。
Z508-Woofer1400はダクトの前後(フロント設置かリヤ設置か)を指定できますので、お客様のお好みのほうをご選択ください。ご自身でオリジナルのダクトをつけたいという場合は「穴あけなし」も可能です。
時間がたってから「やはりフロントダクトをリヤダクトに変えたい」という場合や、ダクトの位置を細かく指定したいという場合は、セミオーダーメイドのバフルと背板をご購入いただくことで実現できます。
セミオーダーメイドバフルと背板は一般公開しておらずZ508-Woofer購入者様専用ページになりますのでZ508ご購入者様でご希望の方はメールでご連絡ください。(取説にも書いてあります)
目次
まずは、視聴位置を3段階に変えて視聴
弊社のリスニングポジションとスピーカーの距離を大まかに3段階に分けたイラスト
です。
Aが超ニアフィールド、Cが通常のリスニングポジションです。
A 100センチ
B 200センチ
C 300センチ
前回のメールで書いたフロントダクトとリヤダクトの違いがどのくらい距離を近づいた時に明確になるかを3パターンで聴き比べをしてみます。
■結論
前回のメールで書いた通り、100センチだとダクトの位置の影響で音で全く違ったスピーカーを聞いている感じすらします。Cの300センチ離れた通常のリスニングポジションでも、フロントダクトかリヤダクトの違いはブラインド状態でも確実に認識できるレベルで違いました。
これまで、小型のスピーカーでも似たような実験をしたことがありましたが今回の大型スピーカーでは非常に差が大きいと感じました。
フロントダクトは勢いがあり鳴りっぷりが良いスピーカーでホーンとの相性も良い感じの音がします。ダクトからの高域も出ているのがわかりますが、それでも嫌味な感じがしません(もう少し吸音処理で消せると思う)。
リヤダクトは比較で聞くと少し後ろに引っ込むような印象でクラシック系などの広がり感を求めて、ゆったり聞くスタイルにはマッチするかと思いました。どちらが良いかは好みになりますが、利用している30センチのDAYTONAUDIOと1インチのSB-AUDIENCE BIANCO-44CD-PKでは大山の好みはフロントダクトでした。
リヤダクトと背面の壁の距離
続いての実験は、リヤダクト装着のZ508を背面の壁ぎりぎりまで近づけて音がどのように変わるかです。ダクトと壁の距離が近すぎると、低域の反射が強くなり量感は持ち上がりますが濁った低域になりがちです。ダクトを近づけると必然的にウーファーの低域も壁の反射の影響を受けます。
そのためダクトがフロントにあるスピーカーとリヤにあるスピーカーをそれぞれ、壁に近づけていって癖がでるかを見てみます。
イメージはこんな感じです。
A 壁とSP背面の距離0(ぴったりくっつける)
B 距離10センチ
C 距離20センチ
D 距離30センチ
フロントダクトとリヤダクトのスピーカーをそれぞれ同じA~Gまで位置をかえて視聴しました。
■結論
「ダクトが前でも後ろでも最低20センチの距離をあけたい。」
ダクトが後ろの場合のほうが、低域の反射による癖は若干強くでます。そのためリヤダクトでしたら20センチくらいあったほうが良い印象があります。
10センチ未満にするとダクトからの低域で壁が共振してしまうケースもあるかと思いますので、まあ最低このくらいは欲しいというのが20センチぐらいということです。
スピーカーと背面の壁は奥行き感を出すというセッティングにおいては1mぐらいあると良いのですが現実的にはこのくらい離すのはスペースに余裕がないとかなり厳しいと思います。
距離が取れない場合は、間に写真のような吸音パネルを挟むことで、若干マイルドになりますが距離を離すほうが効果が大きいので、どうしても距離がとれない場合には補助的にご利用ください。ダクトをフロント、リヤどちらにするかの情報提供が遅くなってしまいましたがダクトに関しては以上になります。吸音処理については後日だしたいと思います。