スピーカーに拘りのある方は、バスレフダクトの前後にも拘りのある方が多いですし位置にも拘ります。 バスレフダクト位置に強い拘りのある方は、それがその人にとっての正解ですからご自身が良いと思う位置に決めてください。正解があるものではないので好みで決めれば良い問題です。

 今日のコンテンツは「特に拘りはないが、何を基準にダクトの前後を決めたらよいか?」「前後
でどのような差がでるのか?」「背面に壁がある場合はどうしたら良いか」のヒントになればと思います。Z508-Woofer1400に限らず、市販スピーカーボックスにも当てはまる内容かと思いますので、是非最後までご覧ください。

 ダクトのフロントとリヤの音の違いを一言で言えば、ダクトの音を「直接音」として聞くか、「間接音」として聞くかの違いです。 ダクトがフロント(バフル面)にある音は、バスレフダクトから出てくる音が直接音として耳に届きます。音としては、勢いがある音、鳴りっぷりの良い音、ダイレクトな音、ストレートな音などの表現になります。

 逆にダクトがリヤ(背面)にある音は、バスレフダクトから出てくる音が一度壁や床から反射した間接音として耳に届きます。音としては、ソフトな音、柔らかい音聞きやすい音、広がりのある音などの表現になります。 これらの違いは様々な条件によって明確な差になったり、ほとんど違いがでなかったりします。

 

ダクト位置の最も大事な前提条件

 

 バスレフダクトの位置を決める上で一番大事と思われる条件はスピーカーとリスナーの距離。つまりリスニングポジションです。

 30センチ程度の超ニアフィールドで聞く場合と、10メートル以上離れて聞く超ファーフィールドで聞く場合を想像してみてください。

 超ニアフィールドですと、ダクトがフロントにあるかリヤにあるかで音の違いはとても大きくでます。一方の10メートルも離れてしまうとダクトが前か後ろかは音の違いとしては認識できないのではないかと思います。

 つまり、スピーカーとリスナーの距離が近ければ近いほどダクトの取り付け位置の影響が大きくでます。一般的なリスニングルームでは1~5mくらいが現実的かと思います。個人的には5m以上離れてしまうと重要度は低くなってくるので、デザイン的なものを基準に考えてもよいと思っています。5m未満の一般的な視聴環境で聞かれる方は、実際は両方を試してみてお好みのほうを選ぶしかありません。

ウーファー(フルレンジ)のクロスがどこにあるか?

次にポイントになるのが、バスレフダクトから出てくる音の帯域の問題です。

「バスレフダクトからは低域の位相が反転して低域がでる」は正しいのですが、高域もかなり漏れがでてきています。この高域の出方はユニット自体の特性、内部吸音材の量にもよりますが、一番大きいのはネットワークのクロスポイントをどこに置くかによります。

 フルレンジ1発で聞く場合は、ネットワークがありませんからダクトからでてくる高域の量は非常に多いです。

 バックロード(BHBS)のように内部に音道がある場合は減衰してくれますが、シングルバスレフの場合、さらにはフロントダクトですと測定でわかるレベルで高域が増えます。Z800-FW168HRや、今回のウッドホーンと大型ウーファーの2wayはクロスが1KHz前後にあります。ネットワークで1KHz以上の高域はカットされていますからフルレンジに比べれば良いですが、ダクトから高域はまだでてきます。

 最も少ないパターンはウーファーのクロスが500Hz以下の3wayスピーカーです。B&Wの800シリーズや、2インチのホーンスピーカーなどが該当します。ここまでクロスを下げると吸音材がなくてもでてくる高域は僅かでしょう。 ダクトからでてくる帯域に高域の比重が多くなると、定位が変わりますのでダクト位置の影響が大きくなります。

 ダクトからの高域が気になる場合は、ウーファーとダクトを思い切り近づけて定位の悪化を防ぐという方法と、逆に背面に離してつけることで音をソフトにさせるという真逆のアプローチが考えられます。私は後者を使う事が多いです。

 

ダクトと背面の壁の距離の問題(ダクトと壁・床の距離)

 「リヤダクトにすると、背面の壁からの反射の影響がある気がするからフロントダクトが希望です」という内容のメールをよくいただきます。スピーカー背面に壁があって距離が短いという設置パターンは非常に多いかと思います。

 背面にダクトを設置すると、たしかに壁との距離がごく僅かな場合はダクトと壁に距離がとれずに低域の反射が気になる場合もあるかもしれません。

 逆に距離が取れる環境の方は、背面にダクとを設置して音響パネルの位置や距離を変えることで低域の量感を調整することができるので便利です。リヤダクトのスピーカーで、背面の壁との反射が気になる場合は吸音性の強いパネルを使うことで癖は多少抑えることができます。

 壁と背面のダクトの距離は「◯◯センチが正解」というのがあるわけではなく、仮に低域が大きく盛り上がっても全体のバランスがとれてトータルの音が良くなるのであれば思い切り近づけたほうが良い場合もあります。

 小口径のフルレンジを使ったバックロードなどはどうしても低域が不足するので開口(ダクト)をあえ床に近づけて設計してバランスをとる場合もあります。

 Z503-Woodhorn1&Z508-Woofer1400の場合は低域不足は考えられないので、ダクトの床から高さは25センチ程度とっています。背面距離もその程度(25センチ程度)とれば大きな悪さはしないかと思います。

 少し話が長くなってしまったので、Z508-Woofer1400の場合のダクト前後の実験結果は次回お伝えしたいと思います。

 

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