目次
フルレンジ1発で使う場合の基本
Z600-Cannonball 100は商品ページに書きました通り、
◯フルレンジ単体
◯フルレンジ+サブウーファー
◯フルレンジスコーカー+ウーファーのマルチ化
という様々な使い方ができますが、まずは最もシンプルな使い方である、6センチから10センチのフルレンジ単体で使う場合の使いこなし方法をまずは解説してゆきます。
内容としてはどのようなスピーカーユニットがおすすめか、バスレフダクトの長さはどうしたら良いか、吸音材は、セッティングはどうしたら良いかなどになります。
スピーカーユニットのレビューは次回以降から書いてゆくとしまして今日は総論的なところからゆきます。まずですね、こちらのスピーカー内容積が約4L程度です。サブウーファーなしのフルレンジ単体で鳴らす場合は、10センチと比較すると6センチや8センチのユニットのほうが全体のバランスは良好なケースが多いです。
小型のフルレンジを多くやっている方であれば納得してもらえると思いますが、10センチ口径のフルレンジはある程度容積がある箱で低域を盛り上げてやらないとバランス的に低域不足で煩くて聞きづらい音になる傾向があります。特にFOSTEXのFEやオーバーダンピングユニットの場合はその傾向が強いです。
10センチのバスレフ箱の容積は6L程度は欲しいので、10センチ単体で低域を出すにはサブウーファーやマルチ化をしたほうがバランスはよくなるかなという印象です。
点音源と面音源の違い
コラム的になりますが、点音源と面音源のスピーカーの違いを書いてみます。
簡単に言うと
点音源:バフルからの音の反射が少ない
面音源:バフルからの音の反射が多い
↓の写真はバフル面積がほとんどない点音源型のZ600-Cannonball 100と、つい先日まで販売していたZ508-Woofer1400の比較写真です。
こちらは30センチのウーファーは大きいバフルの箱になりますので面音源のスピーカーになります。今回のZ600-Cannonball 100という点音源スピーカーはバフルからの反射音が極小のため解像度と透明度が高いです。これは点音源の最大のメリットです。しかし人によっては音が鋭すぎるという印象をもたれる方もいるかもしれません。
一方のZ508-Woofer1400はウーファーですが、上にのっているウッドホーンからの音もバフルから反射しているはずです。高域はネットワークやユニットにもよりますがゆったりしていて聞きやすい印象です(点音源との比較するとです)。低域はもともと大型ウーファーですからよくでますが、さらにバフルの大きさで増強されます。人によっては解像度が劣るという感想を持たれる方もいるかもしれません。
Z600-Cannonball100のページに「スピーカーユニットから出る音波を最も正確に伝える箱」と書きましたが、良くも悪しくもバフルの反射音が少なくスピーカーユニットの素の音だけを聞いているということになります。
フルレンジ1発のスピーカーは基本的にネットワークを入れませんから、フルレンジ+点音源SPは最もスピーカーユニットからでる音波を抵抗や反射の影響なしに伝えるシステムと言えるかもしれません。ただ、音が好みか否かは別問題になります。
バフル面積が大きいスピーカーは、バフルからの反射音がエコーのような響きとなって高域のトゲトゲしさを緩和して逆に聞きやすくなるケースもあります。
Z702-ModenaとZ600-Cannonball 100にZ-Modenaを入れた比較では個人的にはこのスピーカーユニットの高域の美しさに我ながらびっくりしてしまいましたがこれは私の個人的な主観で逆の感想を持たれる方もいるかもしれません。
点音源スピーカーはユニットの丸裸の状態の音だけを出しますから、素性の良いユニットは優れたパフォーマンスを引き出してくれます。ダメなユニットはダメな音が何の味付けもせずにだしてくれます。
バフル面積が広い面音源型のバフルはユニットの音に反射音という味付けが加わるので、その味付けと元のユニットのコンビネーションで音の良し悪しが決まるのかもしれません。
長岡先生が「スワンスピーカーが最もアンプの音の違いを引き立たせる」と仰っていたのを思い出しましたが、私がお伝えしたいのも少し似たようなところがあります。
良いとか悪いとかではなく「点音源」とバフル面積が広い「面音源」の違いのニュアンスが伝わってくれたら幸いです。コラムで長くなってしまったので、次回にフルレンジの具体的な調整方法を
書いてゆきたいと思います。
追伸
私の師匠も砲弾型を多く作られており動画等も掲載されているのでご覧いただけたらと思います。スピーカーの究極を目指すとやはりこの形に行き着くのかなと・・。