まだ始めたばかりなので、さらに良い使いこなし方が発見できると思いますが、とりあえず現在わかったことだけお伝えします。

 私がこれからお伝えする「背面開口型」「背面開放型」のスピーカーは良く見かける単に背板を外してしまったようなスピーカーではなく、「吸音材の壁」と「部屋の壁」を使うのがポイントになります。私のオーディオの師匠であるリタイヤ爺さまからご伝授していただいた方法がベースとなっています。

 一般的な背面開口のメリットはバスレフや密閉箱との大きな違いはスピーカーユニットに背圧がかからないという点になります。

 しかし、ユニットの音の前後の打ち消し合いで低域が出にくくなるというデメリットのある箱です。またユニット背面から高域がとても多くでてくる形式です。側板と天地板を折り曲げているプレーンバフルとも言えます。

 これまでお遊びでやってみて商品化できないか検討してみたことはありましたが、小口径スピーカーでは全く話にならないので販売したことはありませんでした。

 今回実験したZ508-Woofer1400に38センチウーファーに「吸音材の壁」と「部屋の壁」を使った背面開口型スピーカーは人によってはノーマルのバスレフより好きな人もいると思います。ブラインド比較の視聴会をやってお客様に評価を聞きたいと思えるレベルで良い音に思いました。

 Z508-Woofer1400をご購入いただいたユーザー様はそれほどコストがかかりませんので試してみていただけたらと思います。

ユニットの選択

 30センチでもできなくありませんが、できれば38センチのが低域の量感の部分は良いかなという印象があります。フロントへのダクトを選択された方はダクトの穴を塞ぐ必要がございます。こちらを2つご利用いただくと、綺麗にダクトを塞ぐことができます。

バスレフダクト調整袋
https://www.amazon.co.jp/dp/B0C3GZ5BJM?ref=myi_title_dp&th=1

 スピーカーユニットは最初から背面開口を狙う場合は、低域が出やすいQtsの高いユニットを購入したほうが良いです。(PA系に多いかと思います)

 私が推奨してきた30センチ、38センチユニットでQtsが1を超えるものはないと思うので本来は背面開口向きではないのですが今日お伝えするテクニックを使うとそこそこ鳴らすことができるかと思います。

背板を外して、フェルトの壁のカーテンをつける

 まずは背板を外してください。ターミナルを使った配線は使いませんのでそこは工夫してケーブルを引いてください。背板を単に外した状態で音を聞いていただくと、おそらく低音は聞けなくはないがかなり減衰している状態です。

 高域は背面から高域が盛大にでてきて、いわば質の良くない音場型のスピーカーのような印象かと思います。「この状態の音が良い!」と思う方はなかなか少ないと思います(笑)この高域を減らすために、吸音材の壁を作ります。下の写真のようなフェルトを背板の部分に取り付けます。

鬼目ナットの穴を使っていただくとカーテンのように綺麗に吊るせるかと思います。私は、鬼目部分にポンチでフェルトに穴をあけまして付属のボルトでとめてみました。

↓の写真のように多少隙間があっても構いません。

最初はこのフェルトを4枚ほど重ねていましたが、ユニットの部分にミクロンウールを包んだらフェルトは1枚でも大丈夫なことがわかりました。

フェルトとミクロンウールの量で背面からの高域の漏れを調整します。

壁の近く10センチ程度で調整
(パネルでも調整可能)

 この状態で背面からの高域はかなり少なくなっているかと思います。続いて低域を増やす対策です。スピーカー自体を後ろの壁10センチ程度まで近づけてください。低音の量感が一気に増えるはずです。これは壁をバフルの一部のようにするような効果を狙っています。

 セッティング的に壁に近づけるのが難しい場合は、反射性のあるパネルを2枚ほど背面10センチほどに近づけてセッティングしてください。

 壁ほど強力に低域は増えませんが、これでも十分に使えます。音工房の音響パネルAを使っていますが、これでなくても反射するベニヤ等でも大丈夫です。

 パネルAはあまりに近づけすぎると、38センチクラスのダクトから出る低域の場合ビビリがでる可能性もあります。その場合は背面にベニヤを追加する補強してください。

 「吸音材の壁」と「部屋の壁」の2つを使うと、かなり使える背面開口スピーカーになりますので是非参考にしてみてください。前にだしましたが、youtubeに上げた背面開口はフェルト4枚を背板にかけて、音響パネルを近づけて録音しています。

 

背面開口30センチ

背面開口38センチ

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