ウッドホーンのメリット・デメリット

 ウーファーの違いを書く前に1年近くZ503-Woodhorn1をやってきましてわかった1インチコンプレッションドライバー&ウッドホーンのメリット・デメリットを書き留めておこうと思います。

 今音工房がやっているウッドホーンというのは、高域の1~5KHzという人間の耳にめちゃくちゃ敏感な帯域をホーンで持ち上げていますが、ここが一番のミソになっています。これはスーパーツィーターのように8KHz以上を持ち上げるホーンとは意味が全く異なってきます。

 このホーンの音は聞けば、ホーンなしのダイレクトラジエーター型とは根本的に音が違うのを感じていただけるかと思います。

 再現に長けている楽器はホーンの原理を使っているトランペットやサックスといった楽器類などです。あともうひとつ最近感じるのが「木の響き」や共振によって音をだしている楽器です。つまりバイオリンやウッドベースなどの楽器類です。ドライバー&ホーンは高能率というのもあって、音の立ち上がりが素早く、鮮烈というのも特徴です。ピアノの鍵盤を叩く音の良し悪しは立ち上がりが影響します。

 Z503-Woodhorn1はジャズ向きですか、クラシック向きですか?というご質問をよくいただきますが上記の楽器はジャズにもクラシックにも使われているので一概に言うのは難しいです。

 ただ、楽器単発での音の再現はホーンが良いなと思う場面も多いですが、クラシックのようにごちゃまぜになっている場合はZ800のようなダイレクト型が強い印象があります。これは聞き方の問題なので人によっては正しくないかもしれません。

 ダイレクト型からホーン型に切り替えると一枚皮を被ったような音に感じられる方も多いと思います。たしかにボーカル系などを聞いていると特に感じるところでその部分だけを見るとデメリットかと思います。

 この一枚の皮の部分がホーンでしかだすことができない「音(響き)」にあたるため、メリットとデメリットが表裏一体となっているといったら良いのでしょうか?

Z503-Woodhorn1
https://otokoubouz.com/z500/503woodhorn.html

Z508-Woofer1400
https://otokoubouz.biz/shopdetail/000000000396

 

視聴会でのお客様から感想を直接お聞きして思ったこと

 先週の土曜日に実施しました視聴会ではZ508-Woofer1400とZ503-Woodhorn1による視聴会を実施させていただきまして、多くのお客様にお越しいただきました。どうもありがとうとざいました。

 音工房の視聴会は、前半は私が主役のスピーカーの商品説明をして弊社が用意したデモ音源を聞いていただきます。後半はお客様ご持参のCDで、弊社のスピーカーを複数並べてセレクターで切り替えてご視聴いただきます。

 来ていただいたお客様が全員公平に聞いていただくために、タイマーで時間を測ってお一人様5分~10分ほどセンター席に座っていただいてスピーカーを聞いていただきます。最後10分ほどお客様と雑談や質疑応答をして終了となります。

今回の視聴会では、30センチと38センチのウーファーを用意しました。

 箱と、ネットワークを前回より詰めた上比較視聴していただきました。まずシステム全体の総評としては、Z1-LivornoやZ800-FW168HRのような普通のマルチウエイに比べると、「好き・嫌い」
が分かれると思いました。

「好きな方」のご意見では
・生の楽器をリアルで聞いている感じがする
・スピーカーでなく楽器が鳴っている印象をもった
・大口径&ホーンがコンサートホールの音場感に近いのを感じた

「嫌いな方」のご意見では
・解像度や分離感が悪い
・ボーカルの音像が大きくて聞くに耐えない
・低域のキレが悪くて、スピード感を感じられない

ある程度私自身の感想ともだぶるところもありますが、参考にしていただけたら幸いです。

 

 

視聴会で利用した30センチと38センチのネットワーク公開

視聴会で利用した30センチ版と、38センチ
版のユニットとネットワークを公開します。

30センチ
●利用ユニットウーファー Dayton Audio DSA315-8
●利用ドライバー SB-AUDIENCE BIANCO-44CD-PK
●ウッドホーン Z503-Woodhorn1
●エンクロージャー Z508-Woofer1400
●ダクト共振周波数 31Hz (ダクト2本とも20センチ)
●ドライバークロス 1500Hz 12dB/oct 1mH/6.8μF
●ウーファークロス 1000Hz 12dB/oct 2.2mH/18μF
●ドライバー アッテネーター -16dB
●正相接続

38センチ
●利用ユニットウーファー JBL 2231A
●利用ドライバー SB-AUDIENCE BIANCO-44CD-PK
●ウッドホーン Z503-Woodhorn1
●エンクロージャー Z508-Woofer1400
●ダクト共振周波数 31Hz (ダクト2本とも20センチ)
●ドライバークロス 1500Hz 12dB/oct 1mH/6.8μF
●ウーファークロス 1000Hz 12dB/oct 2.2mH/18μF
●ドライバー アッテネーター -14dB
●正相接続

 条件を整えるために、ウーファーだけ変えてその他は一緒になっています。JBLはウーファー2231Aとドライバー2420の時はもう少しクロスを上げていましたが、SB-AUDIENCE BIANCO-44CD-PKに変えましたらバランスが崩れました。そのためクロスを下げていったら結果的にネットワークは30センチと同じになりました。ATTだけ僅かに異なります。

 箱を試作品からZ508に変更しましたところ、38センチのウーファーのほうが改善しました。どちらのウーファーを選ぶか迷われる方も多いと思いますが、新品購入できると言う点では30センチのDayton Audio DSA315-8が良いかなと思います。38センチは新品で購入できそうな安価な推奨品がないのがネックです。まとめていつか実験したいと思います。

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