コンプレッションドライバー社内ブラインドテスト

 Z503-Woodhorn1を老舗のメーカーと、新興メーカーのコンプレッションドライバーのレビュー
を2回に分けて書きました。今日は評価の高かった商品をピックアップして、社内でコンプレッションドライバーの好き嫌いブラインドテストを実施した結果をお伝えします。これまでの評価と合わせて、今日のテスト結果もドライバー選びの参考になれば幸いに思います。

 Z503ではなく、1インチのコンプレッションドライバーを利用されている方には参考になるのではないかと思います。私も社内の人間もJBLやTADといったブランドの影響を少なからず受けています。ですので、どのドライバーが鳴っているかがわからない状況で好き嫌いを書くというブラインドテストには意味があると考えています。

 やり方は、Z503-Woodhorn1を2つ用意します。ちょっとセッティングは微妙なのですが、テストするドライバーをそれぞれつけて上下に並べます。真ん中にベニヤをはさみました。

 片方は塗装をしてあって、もう片方は塗装をしていないのですが・・まあ同じホーンと考えてください。ウーファーは30センチのウーファーを利用して、曲ごとにドライバーとATTの数値だけを変えます。ネットワークは同じです。女性スタッフがセレクターとATTを操作します。

 いろんなジャンルの音源を10曲用意して、どちらのホーンが鳴っているかわからないようにして、先に鳴ったほうが好きか後に鳴ったほうが好みだったかを記入してゆくテストです。10曲ですので、AというドライバーとBというドライバーで合計20回聞くことになります。どちらのドライバー&ホーンが先になるか後になるかは曲ごとに試験者がランダムに変更しています。先に鳴らす方を固定してしまうと機種が判別できてしまうからで、それを防ぐためにどっちが先か後かはランダムにしています。

 全く同じウッドホーンを2つ用意して、ドライバーだけを変えてブラインド比較をする人は少ないでしょうから参考になるかと思います。テストは私と青木、佐々木の3名が受けましたが私以外はどのようなドライバーがついているかさえわからないような状態でテストに臨んでもらいました。

 

サランネットでドライバー部分をを目隠ししています。

 

ブラインドテスト1 JBL2420 VS TAD TD2001

 

 老舗の高級品対決です。個人的には耳でどちらか聞いたか知っている時はJBLが総合的に良いと思いましたが、どうだったでしょうか?

結果は↓のようになりました。
https://otokoubouz.com/melmaga/2023/1.pdf

大山 10曲中6曲JBLを選択/4曲TADを選択
青木 10曲中3曲JBLを選択/7曲TADを選択
佐々木 10曲中6曲JBLを選択/4曲TADを選択

合計平均 30曲中15曲JBL/30曲中15曲TAD

 平均ではキレイに真っ二つでした。青木はTADを平均的に多く選んでおりましたが、私と佐々木はほぼ半々。個人的にはなんとなく聞き分けはできていた印象がありましたが、自然なつながり
で聞きやすいJBLと高級サウンドのTADといった感じで音源によって良し悪しは半々かなと思いました。

 中古価格も時代とともに変わるので、難しいところですが現時点では中古でもTADのほうが倍近い価格がしますのでコスパを考えるとやはりJBLに軍配かなと思いました。好みの範疇ですので、資金に余裕のある方は新品のTD2002をどうぞ!(ペア70万)

 

ブラインドテスト2 SB-AUDIENCE BIANCO-44CD-PK VS PRV AUDIO D290Py-B

 こちらは前回紹介した新しい安価な新興ブランドの上位2機種の対決です。JBLやTADのような金属系の振動板ではなくどちらも樹脂系の振動板をドライバーに利用しています。先程のJBLやTAD等の金属系に比べるとトゲがなく聞き疲れしない音です。

結果は↓になりました。
https://otokoubouz.com/melmaga/2023/2.pdf

大山 10曲中3曲SB-AUDIENCEを選択/
   10曲中7曲PRVA-AUDIOを選択

青木 10曲中7曲SB-AUDIENCEを選択/
   10曲中3曲PRVA-AUDIOを選択

佐々木10曲中4曲SB-AUDIENCEを選択/
   10曲中6曲PRVA-AUDIOを選択

合計平均 30曲中14曲SB-AUDIENCE
     30曲中16曲PRVA-AUDIO

 

こちらも評価は平均するとほぼほぼ半々でした。私個人の印象としては、JBLとTADの時は試験をうけているときには差は結構大きい気がしましたが、、SB-AUDIENCEとPRV-AUDIOは差がほとんどわかりませんでした。

前回耳で聞いたときはSB-AUDIENCEのほうが音が良いと思っていましたが、私は逆の選び方をしておりますね(笑)

 

ブラインドテスト3 JBL2420 VS PRV-AUDIO D290Py-B

最後に老舗ブランドと安価なドライバー対決です。皆様が最も興味のある対決かもしれません。

結果は↓になりました。 
https://otokoubouz.com/melmaga/2023/3.pdf

大山 10曲中7曲PRVAUDIOを選択/
   10曲中3曲JBLを選択

青木 10曲中5曲PRVAUDIOを選択/
   10曲中5曲JBLを選択

佐々木10曲中6曲PRVAUDIOを選択/
   10曲中4曲JBLを選択

合計平均 30曲中18曲PRVAUDIO
     30曲中12曲JBL 

 まさかの結果ではありますが、最も差がついたテスト結果となってしまいました。しかも、弊社のスタッフ全員が一番音が良いと思っていたJBLに結構な差をつけて新興ドライバーの音が良いという結果になりました。

 JBLファンの方は怒りだして、
「音工房のスタッフは全員耳がおかしいんじゃねえか?」というお声が聞こえてきそうですが、、すみません。テストには何の忖度も手加減もなしでやってこのような結果になったのでどうしようもありません。

 しかし、被験者サンプルがわずか3名と少なく一般化できるものでは全くもってありませんので、3番のテストはできたら視聴会で同じブラインドテストを実施してもう少しサンプル数を得たいところです。次回から2回に分けて、ネットワークについて書きます。その後、現時点でのシステムの制作例を3パターン紹介します。ネットワーク例も書きますので参考にしていただけたらと思います。

 

Z503-Woodhorn1
https://otokoubouz.com/z500/503woodhorn.html

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