今回も、購入者特典のPDF「ネットワーク使いこなしレポート」から、実験的ではあるものの“音の変化が大きい”調整方法をご紹介します。

 テーマは「高域を最も柔らかくする方法」です。

 今回取り上げるのは、ツィーターをコンデンサー1個だけで駆動する6dB/octのシンプル構成。この方式は一般的な12dB/oct構成より部品点数が少なく、高域の減衰が非常にゆるやかになります。
そのため、Z-Potenzaが持つ滑らかな中高域をより自然にのばし、全体の音像も前後にふわっと広がるような聴き心地になります。通常の2wayらしいキレではなく、広帯域フルレンジ的な感触に寄せられるところがポイントです。

 メーカー推奨は-12dB/octですので自己責任での利用になります。(爆音で聞かれる方にはおすすめしません)

シンプル構成が生む自然なつながり

 この方式はツィーター側がコンデンサー1個のみという、極めてシンプルな構成です。
部品が少ない分だけ信号の変化が直接音に反映され、フィルターで“切る”というより“やわらかく減らす”という感覚に近くなります。

 高域の立ち上がりは穏やかで、金属音や弦のアタックが角の取れたトーンに変わります。
シンバルやピアノの倍音が刺さらず、空間に溶け込むような伸び方になるのが特徴です。直線的な解像度というより、滑らかに音がつながり、長時間聞いても耳が疲れません。

音の輪郭はやや後ろに下がり、煌びやかさは控えめになりますが、その分だけボーカルの息づかいや中域の密度が自然に感じられ、深夜の小音量リスニングには特に効果的です。

 クラシックやアコースティック系の音楽を中心に聴く方は、この変化を好まれることが多いと思います。

 

自己責任となる理由と注意点

 このネットワークはメーカー推奨ではありません。その理由は、ツィーターの保護が弱くなり、大音量でアンプを入れた場合に過大入力になる可能性があるためです。
とはいえ、通常のリスニング音量であればほとんど問題はありません。

 実際、弊社でも試聴会用の試作機でこの構成を長くテストしてきましたが、適正音量であれば破綻はまったくありませんでした。

 ただし、大きなアンプで常に高音量で聴く方には向きません。その場合は標準の-12dB構成の方が安全です。

 

音の変化と採用する価値

 6dB構成の魅力は、とにかく“耳に優しい”という一点に尽きます。

中高域の刺激が消え、スピーカーからの直接音というより、空間に広がる自然音のように聴こえてきます。解像度を追い込んでいく標準ネットワークとは方向性が異なり、こちらはリラックス重視・音楽を長時間楽しむための音です。

Z-Potenzaはもともと中高域の質感が滑らかなので、この構成でも破綻せず、むしろユニットの素性の良さが前に出てくる印象があります。

 デメリットとしては標準や前回紹介したものに比べると、鮮烈さがなく少し眠い音という印象を持つ方もいらっしゃるかもしれません。

音の明瞭さより“気持ちよさ”を望む方には、一度試す価値がある調整です。

 これらのネットワーク数値は購入者特典の使いこなしPDFレポートに記載しますので、キットをご購入のお客様はレポートを見て調整してみていただけたら幸いです。

 

Z1000-Potenza/Z702-Potenza

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