今回はZ1000/Z702-Potenzaの「ダクト」と「吸音材」について、より踏み込んだチューニング方法を2回にわたってご紹介します。
今日紹介する「ダクトチューニング」は主に、100Hzあたりの中低域帯域の調整方法になります。今回の16センチ同軸ウーファーは開発のところでも書いたかと思いますが、オーバーダンピングユニットとは比較にならないほど低域がよく出ます。
そのため容積を小さくしないと制御できないほど低域がよく出てしまい、この小型サイズになったという話をしました。低域量感は、部屋やセッティングや好みによっても変わってきます。低域が多いと感じられた方は今日と次回に紹介する方法を組み合わせることで最適な低域量感を探っていただけたらと思います。
他のBHBS型スピーカーにもあてはまりますので、症状が気になる方は参考にしてみてください。
目次
ダクトチューニングの基本
BHBSのダクトチューニングとは音の出口部分にある最終ダクト、今回のZ1000-Potenzaではバフル面につけているテーパー付きダクトをチューニングすることをさします。BHBSのダクトは、低域の量感やミッド帯域の出方に大きく影響する重要ポイントです。
一般的なバスレフダクトと考え方は似ていますが、BHBSの場合はダクトそのものが音道の最終出口になるため、調整の影響がよりダイレクトに出ます。
基本として、ダクトの調整では次の3点を押さえておくと扱いやすくなります。
●ダクトの長さによって共振周波数が変わる
●長さが長くなるとローエンド(超低域)の量が増える。ミッドは逆に減少。
●短くするとミッドバス(中低域)の量が増える。ローエンドは逆に減少。
ただし、長ければ良い・短ければ良いという単純な話ではありません。BHBSは通路内の圧力変化が複合的に絡むため、行き過ぎは“クセ”を生みやすくなります。
そのため、まずは標準の状態(ダクト長130mm)を基準にして、そこから少しずつ変えていくのがセオリーです。
ダクトの長さによる音の傾向
Z1000-Potenza/Z702-Potenzaの標準ダクト長は 130mm に設定しています。この130mmは弊社の試聴では最もバランスが良く、ローエンドの伸び、ミッド帯域の明瞭さ、奥行きの出方が均整する位置になりました。
ここを基準に、以下の方向へ調整できます。
●ダクトを「短くする」
→中低域が出る、押し出しが強くなる
→ロックやジャズでは生々しさが増す
→ただし短くしすぎると厚みは出るが、過剰になるとボンボン・ドンドンいう音が増える
●ダクトを「長くする」
→中低域の量は減る
→代わりにローエンドの伸びが改善する
→超低域の自然な低域の雰囲気が出る
→ただし“クセ”が急に出やすくなる
特に長くする方向は注意が必要で、BHBSの場合は200mmを超えると音道長さにも影響し時間特性も変わるため少しバックロードっぽい癖がではじめます。そのため、当社としては 200mmあたりが
現実的な上限と考えています。
標準130mm → 140mm → 150mm
のように10mm刻みで変化を追うと最も変化がつかみやすいと思います。
逆に120mm以下に短くするとミッドの押し出しは強くなりますが、Z-Potenza本来の定位精度が落ちる場合がありますので、こちらも控えめ推奨です。
ミッドバスを抑える最もおすすめの方法
ダクト内部に「3mmシート」を内側に1周巻く方法をおすすめしています。3mm厚のシートを使い、ダクト内径を少し狭めることで、共振周波数を穏やかに下げることができます。
この方法のメリットは以下の3つです。
●ダクトの長さを変えるより“クセが出にくい
●ミッド帯域が自然に落ちて、音像がより整う
●ローエンドの伸びが改善し、過度な膨らみが出ない
これは、Z1000-Potenza/Z702-Potenzaの試作工程でも繰り返し検証して効果が確認できた方法で、ユーザー様にも最も扱いやすい調整です。特にミッドバスが多いという場合に、最もおすすめできる方法です。
ダクトにゴムシートを巻くと、↓のような感じになります。

取り付けは巻くだけでOKですが、動いてしまう場合は両面テープで1周貼るだけでOK。簡単な作業で効果が高く、やり直しも容易です。ダクト内部調整は、ダクト長調整と違い、“音の方向性そのものを崩さずに改善できる”のが最大の強みです。欠点としてはルックス上少しかっこ悪くなると思われる方もいるかもしれません。
ちなみに、この方法は元祖BHBSの石田さんもやっていましたが、石田さんは最近はこの方法をとらず自身で納得のゆくダクト径を木材から自作されているというから驚きますね。でもそのくらい音への影響は大きいということです。
以上、BHBSダクトの調整方法をご紹介しました。
ぜひ標準130mmから、少しずつステップを踏んで調整しながら、お部屋に合わせた“最適解”を見つけてみてください。
2025年末の初回販売は終了いたしました。
2026年中にもう一度だけ生産する予定です。
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