今回の後篇では、Z1000-PotenzaとZ702-Potenza向けのスーパーツィーター使いこなしのコツや推奨パーツ数値など、実際に導入される際に役立つ内容にまとめました。

まずは、完成品「Z501ウォールナットエディション」からお話ししたいと思います。

Z1000-Potenzaとセット販売のZ501ウォールナットエディションとは

 Z1000-Potenzaをお使いの方から最も多くいただく質問が「スーパーツィーターの追加で音はどう変わるのか?」という点です。

 結論として、Z1000単体でも十分完成度が高いのですが、Z501ウォールナットエディションを組み合わせると、高域の質感がさらに一段上のレベルに引き上がります。

まず特筆すべきは、Z501ウォールナットエディションの内部パーツに、Z1000-Potenzaと“同じムンドルフ製コンデンサー”を採用していることです。

 Z1000-Potenzaの音の核となる高品位コンデンサーと同一グレードをツィーター側にも使うことで、両者の音色が自然につながり、質感の統一感が非常に高くなります。ここが市販スーパーツィーターとの最大の違いであり、セット販売モデルならではのメリットです。

Z501はリボン型ツィーターで、振動板がとても軽く、超高域のスピード感や倍音の伸びが得意です。金属楽器や空気感の表現を自然に描けるのが特徴です。

 Z1000-Potenzaは中高域の解像度と定位の正確さが大きな魅力です。そこにムンドルフ仕様のZ501を加えると、定位の芯はそのまま、上方向の空間にふわっと広がる空気のレイヤーが重なるような立体感が生まれます。

 また、外観面でもZ1000と統一感が出るようZ501にもウォールナット仕上げを採用しています。このため、リスニングルーム全体に落ち着いた統一感が出て、配置のしやすさも抜群です。見た目の統一、音色の統一、パーツ品質の統一。この3つが揃うことで、Z501ウォールナットエディションはZ1000-Potenzaとの組み合わせで最も自然なアップグレードとなります。

これが、Z1000-Potenzaユーザーの方に最も自信を持っておすすめできる理由です。

 

Z702-Potenzaとセット販売のスーパーツィーターキット、バーチ版とは

 次に、キット版Z702-Potenza向けのスーパーツィーターについてご説明します。

 まず最初に重要なポイントとして、通常販売しているスーパーツィーターキットは“MDF版のみ”です。しかし、Z702-Potenzaのキットとセット購入される方のためにだけ、特別仕様として“ホワイトバーチ版”を用意しています。
これは単体販売をしておらず、Z702との組み合わせ専用に限定して展開している仕様となります。

Z702-Potenzaは、Z1000と同じユニットと構造を使いながら、自分の手で組み立てる楽しさを味わえるキットモデルです。

その方向性に合わせ、スーパーツィーター側も「DIYユーザー向け」の設計にしており、Z702とセットで購入される方のためだけに外観にもこだわったホワイトバーチ版を採用しています。

ホワイトバーチ仕上げはZ702本体の質感と非常に相性が良く、組み合わせた時に違和感がありません。単体のMDF版とは異なり、キット同士でも“完成品のような外観の統一感”を得られるのが大きなメリットです。バーチ版スーパーツィーターの基本構造はZ501と同じリボン型ツィーターです。

 ただし、Z702ユーザーは「調整を楽しみたい」という方が多いため、ネットワーク構成や配線をあえてシンプルにし、改造の余地を広く残してあります。

例えば、
・コンデンサーの種類を変える
・配線を太いものへ変更する
・固定方法を工夫する
といった小さな調整を行うことで、音の変化を楽しむことができるようになっています。

 Z702-Potenzaはキットとは思えない高い解像度が出せる構造です。そこにリボン型超高域を加えることで、音像の細かなニュアンスが浮き上がり、クラシックやアコースティック系の曲では特に空気感の美しさが一段上がる印象になります。

 Z1000向けのZ501ウォールナットエディションが「完成品に合わせた上位モデル」であるのに対し、Z702向けのホワイトバーチ版は「DIYで仕上げる自由度の高いスーパーツィーター」という位置づけです。

 

設置のコツ 完成品は45度面と同一位置に、キットは約30mmインにセット

 スーパーツィーターは置く位置で音が大きく変わるパーツで、特に前後位置の影響が非常に大きいのが特徴です。ほんの数ミリで定位や高域のまとまりが変わるため、最初の置き方にはちょっとした
コツがあります。

 ただし、今回お伝えする位置は「どんなスピーカーにも当てはまる万能位置」ではありません。あくまで Z1000-Potenza/Z702-Potenzaの組み合わせで実際に試聴テストを重ねた結果、最も自然にまとまった位置に基づくものです。

まず、完成品Z1000-Potenzaの場合。
バッフル周りが45度で面取りされた形状になっていますが、スーパーツィーターの前面を“その45度面とほぼ同一の位置”に合わせると、定位と質感のつながりが最も自然になりました。

Z1000-Potenza+ Z501の設置写真

前に出しすぎると高域が浮き、逆に引き込みすぎると空気感が消えてしまうため、この位置がもっとも安定しました。

一方、キット版Z702-Potenzaの場合。
本体の構造やバーチ版スーパーツィーターの形状から、完成品と同じ位置では少し合わず、前面を“バッフル面から約20mmイン”にセットした位置が最も自然にまとまりました。

Z702-Potenza+ バーチ版スーパーツィーターの設置写真

 Z702はキットゆえに自由度が高いぶん、前後位置の変化が音に出やすく、この“30mmイン前後”が高域の滑らかさと定位の芯の強さを両立させるポイントになっています。

角度については、左右に振らず正面向きが基本です。ただし、部屋の響きが強い環境の場合は、ほんのわずかに内振りにすると音がまとまるケースもあります。

 今回の「45度面と同一位置(完成品)」、「30mmイン(キット)」は、あくまで音工房Zが両モデルで繰り返し検証した結果生まれた“最初に試してほしい基準位置”です。

 ここを基準に、最後は部屋と好みに合わせて微調整してみてください。

 

推奨コンデンサー 1.5μF  お好みで0.8~1.8まで

 最後にスーパーツィーターの肝となる「推奨コンデンサー」についてです。

 スーパーツィーターは、ハイパス用のコンデンサー1個で音のバランスを大きく変えることができます。音工房Zが最も自然でバランスがよいと判断しているのは 1.5μF でした。

1.5μFを基準にしたときの特徴は、「Z1000やZ702が本来持っている高域の質感を壊さずに、上の帯域を素直に伸ばす」というところです。

この容量が最も“やりすぎ感”が少なく、自然な空気感だけを付け足すような印象になると思います。ただし、スーパーツィーターの楽しさはここからです。ユーザーの好みに応じて、容量を変えるこ
ともできます。

●0.8μFから1.2μF
やや控えめな超高域になります。
もともとのスピーカーの音を大きく変えず、ほんのりと空気感を乗せたい方に向いています。クラシックの室内楽など、繊細な再生を好む方に人気があります。

●1.5μFから1.6μF(基準)
最も自然にまとまるポイントです。
ジャンルを問わず安定したバランスで聴けます。迷ったらまずここから始めてください。

●1.8μF前後
高域のエネルギーがやや増し、明るいキャラクターになります。
金属系の打楽器やアタックのある音が華やかになります。ただし、やりすぎると高域が主張しすぎ、逆に定位が甘くなることもあります。このように、コンデンサー1つで高域のキャラクターを好みに合わせて変えることができます。

 Z1000-PotenzaもZ702-Potenzaも、中高域の解像度が高い構造のため、スーパーツィーターの変化を非常につかみやすいスピーカーです。

「今日は控えめに聴きたい」「今日は明るい音にしたい」など、気分によって変えたい方は、スペアのコンデンサーを複数持っておくと楽しみが広がります。

 スーパーツィーターは年代や好みにより許容範囲が広いので、比較的安価な小型コンデンサーで気軽に試せるのが良いところです。

 

Z1000-Potenza/Z702-Potenza

2025年末の初回販売は終了いたしました。
2026年中にもう一度だけ生産する予定です。
購入ご希望のお客様は「再販売お知らせ」にご登録ください。
Z1000-Potenzaの販売ページ
Z702-Potenzaの販売ページ

人気記事一覧

データはありません