今回は、Z-Potenzaと音工房スピーカーのスピーカー比較の最終回としまして、Z702-Potenzaと800-FW168HRを比較してみます。
どちらも16センチ口径の2way構成ですが、方式も音の方向性も大きく異なります。
目次
最大の違いは構造 BHBSかバスレフか
やはり一番の違いは、Z702-PotenzaがBHBS構造であるのに対し、Z800-FW168HRはシングルバスレフという点です。
Z800は定番のバスレフ設計らしい素直でタイトな低域が特徴です。箱のクセが少なく、中低域の輪郭が明確に出ます。
それに対しZ702-Potenzaは、BHBS構造によってローエンドまでしっかりと伸びる低域が魅力。同じ16センチクラスでも、音場全体の厚みや迫力は明らかにZ702のほうが上です。低域の設計思想が、この2機種の性格を大きく分けています。
Z800-FW168HR マグネシウム振動板の魅力(Z-Potenzaとの共通点もふくめて)
Z800-FW168HRが搭載するツィーターT250Dは“純マグネシウム振動板”を採用しています。一般的な金属ツィーターにあるような刺激感がほとんどなく、非常に伸びやかで自然な音が出ます。高解像度で細かい音までしっかり再現できるのに、金属特有の硬さが出ないため、長時間聴いても耳が疲れにくいのが大きな特徴です。
ここで少し触れておきたいのが、Z-Potenzaのツィーターとの“共通点”です。Z-Potenzaは純マグネシウムではなく、“マグネシウム合金振動板”を採用しています。純度の違いはありますが、どちらもマグネシウム素材をベースにした振動板で、「自然な音の伸び」と「解像度の高さ」という点では共通する部分が多くあります。そのためZ800を愛用している方がZ-Potenzaの音を聴くと、質感の方向性に“似た雰囲気”を感じることがあります。
ただし、純マグネシウムのT250Dはより繊細で軽快、合金振動板のZ-Potenzaは少し厚みのあるバランスで、それぞれの個性もはっきりと感じられます。Z800の魅力は、こうした高域の見通しの良さにあります。
弦の倍音がスッと伸び、ピアノのアタックもにごらず、空間をふわっと広げてくれます。FW168HRの力強さと、ツィーターの美しい表現力が絶妙に組み合わさる――これがZ800が長年愛され続けている理由のひとつです。さらに、T250Dは繊細な音を得意としながら、音の芯がしっかりしているため、クラシックはもちろん、ジャズやボーカルでも音像が崩れません。
Z-Potenzaの高域にも通じる“透明感のある美しさ”があり、両モデルの魅力を聴き比べる楽しみも生まれます。Z800-FW168HRの高域は、単に「きれい」な音ではなく、聴くほどに細部の情報が増えていくような、奥行きのある表現をしてくれるツィーターです。
その自然な伸びは、Z-Potenzaと共通する方向性を持ちながら、純マグネシウムならではの繊細さが際立つ仕上がりです。
Z800-FW168HRS(販売終了)
https://otokoubouz.biz/shopdetail/000000000147
Z702-Potenza BHBSの低域と自然な高域
Z702-PotenzaはBHBS構造による豊かな低域が持ち味ですが、実は高域の解像度も非常に高く、Z800-FW168HRと近い印象があります。
ネットワーク調整の試作段階では、50パターン近い組み合わせをテストしました。その中の推奨値のひとつは、Z800-FW168HRとブラインドで聞き間違えるほどの結果を得ました。
中高域の滑らかさ、倍音の伸び、音場の透明感。このあたりは、Z800に匹敵する完成度です。BHBS特有の力強い低域と、自然で繊細な高域が両立することで、“楽しさと正確さ”を同時に感じられる音に仕上がっています。
Z800-FW168HRは、定位と解像度を最優先したスピーカー。クラシックやアコースティックなど、音場の構造を正確に再現する音です。
Z702-Potenzaは、BHBSの豊かな低域で音楽を支え、ライブ感と躍動感を引き出します。
どちらも音工房Zらしい正確さと自然さを備えていますが、聴く音楽によって印象が大きく変わる2機種です。
2025年末の初回販売は終了いたしました。
2026年中にもう一度だけ生産する予定です。
購入ご希望のお客様は「再販売お知らせ」にご登録ください。
Z1000-Potenzaの販売ページ
Z702-Potenzaの販売ページ


