■ヤマハの無骨な外観のPC用スピーカー

          
  

            

フロントグリルのパンチングメタルが印象的なPC用スピーカー

テレビの薄型化や、小型軽量に向かうスマートフォン、タブレットなどは、性能と直接関係のないオーディオ関係は必要最小限にまとめられる事が多く、ますます貧弱になる一方です。

画質は新しい液晶パネルや高精細化で良くなる一方で、音質はこれといったブレークスルーがないので、どうしても画質と音質のミスマッチが拡大してきています。


YAMAHAもそのニーズを理解し、テレビやスマートホンにシンプルにつなげられるパワードスピーカー「NX-50」
を発売しました。

NX50の発売は2012年の11月上旬なので(2021年5月現在)、9年以上も発売を続けており、ネットサイトなどでの評判もよく、ロングセラーとなっていました。

2013年の6月にはホワイト、オレンジ、パープルの3色追加、2013年11月にはBluetooth機能搭載の NX-B55が加わりました。(執筆時2021年5月18日現在、NX-50, NXB-55とも生産完了で市場在庫を残すのみです。)

パワード(アクティブ)スピーカーなので、アンプ内蔵でコンパクトな当機は、据え置きはもとより 出先でも使いやすいモバイルに適したスピーカーでしょう。

グリルに隠れて見えずらいですが、このスピーカーはダクトが上側にあり、振動板が下にあります。
この配置は机などの上に置いたときの机面での低域の反射を極力少なくし、低域の音質を向上する働きが
あります。

スピーカーに角度がついていますが、スピーカーユニットから出る高域は、ユニット軸線上がもっとも強いので、
耳の角度に近づけたほうが高音の通りは良いので、理に敵った配置と言えるでしょう。

 

音質

 


グリルを外したNX-50

音質評価

小口径の紙のユニットとオーソドックスなバスレフ式の割に、BOSEのような厚みのある低音と、中高域の音の拡がりを感じます。ほかのスピーカーと比べてみても音が広がるように聞こえるので、DSPがはいっているようです。

Yamahaではラウドネスコントロールと呼んでいるようで、小音量でも豊かな低音域を再生とあります。

PC用スピーカーやテレビなど長時間聴いても疲れないようにか、高音域はかなり控えめで、中低音重視の音造りになっています。ヒーリングミュージックなどとも相性がよく、BGMなどの再生も上手だと感じました。

音楽をじっくり聴くよりかは、流す程度ならば不満はでないと思います。

DSPDによる音の拡がりは独特のもので、この機種に慣れてしまったら他の機種に乗り換えずらいでしょう。
ただ、音の忠実性という事を考えると難点であると言わざるを得ません。

 

試聴楽曲

 

・Hotel California
至近距離で聴くと、やや高域寄りな印象ですが、バランスは悪くないです。
細かいディティールはややつぶれがちな印象です。

・StarWars (映画音楽)
低域の量感は多く 迫力があります。音に広がりがあるので、テレビなどに
接続しても迫力ある音響で楽しめそうです。

・オスカーピーターソントリオ(ジャズ)
うまくまとまっている感じです。元気さがもう少しあればもっと良かったです。

・プニャーニ (クラシック ヴァイオリン ピアノ)
低音の沈み込みと高域の伸びが足りない印象です。音に広がりがあって聴きやすくはあります。

 

 

入出力

 

 

〇入力

入力は右スピーカー後側にΦ3.5のミニジャックが2系統あります。ミックスされて音がでる仕様になっています。

 

〇出力


右スピーカーにヘッドホン出力があります。ヘッドホンを接続すると、スピーカーからの音はミュートされます。

 

〇音質調整

音質調整は音量のボリューム調整のみです。ボリュームと電源スイッチは別になっています。

 

内部

 


フロントグリルは側面からスポンジで支えられている

 

7cmの紙コーン製フルレンジユニットは下側についており、ダクトポートは上についています。机に直接スピーカーを乗せる場合ダクトポートが下だと、机表面により低域が反射して音がにごるので、この配置の仕方はYAMAHAの手慣れたものを感じます。

入力電源の有無により自動で電源がON、OFFするオートスタンバイ機能は テレビ等につなげっぱなしにするにはありがたい機能です。音声信号がなくなると5分後に電源OFFとなります。待機電力は0.5W以下となっています。

2つのステレオミニジャックを右側背面に装備し、入力端子に両方つなぎっぱなしでもミックスして聞くことができます。その為 セレクターが不要です。前面のヘッドホン端子にステレオミニジャックをつなぐとミュートになります。

 

 

〇スピーカーユニット

直径〇mmの紙製振動板を採用しています。ユニット側面に〇Ωとかいてあります。

 

フレームは鉄板プレスでした。

 


ファストン端子で接続されており、ロックを外すことで取り外し可能です。

 

〇エンクロージャー

プラスチックのエンクロージャーで、台形で手でもつとずっしりした印象があります。
エンクロージャー自体を非平衡面で構成し 内部干渉を低減しています。
バフル面は上向きになっており、〇度の角度がついています。

スピーカーの色は発売時は黒か銀のみでしたが、2003年6月からホワイト、オレンジ、パープルが増えました。

 


ダクトポートは〇Φmmで長さは〇mmなので、おおよそのチューニング周波数は〇Hzほどになっています。
低域は明らかに出ているので、これは内蔵されているアンプも原因としてあるのかもしれません。

 


取り出したアンプ基盤。大きいヒートシンクが頼もしい。
コンデンサーもオーディオグレードのものを使っている。

 

 

 

その他

 

 

ACアダプター

ACアダプターは12V 1.5Aのものが付属します。

 

その他付属品

取り扱い説明書、ステレオラインケーブル(約1.2m) が付属します。

 

仕様

モデル:YAMAHA NX50
スピーカー構成:ステレオスピーカー
周波数特性 不明
スピーカー出力:最大7Wx2 (6Ω、1kHz、10%THD)
消費電力 13W スピーカー本体
パワーオフ時の消費電力0.5W以下
入力端子:Φ3.5mmステレオ
電源:12V / 1.5A    
質量    サテライトスピーカー 右1.1kg /左約0.9kg
               
外形寸法       (W x D x H)  約83x184x184mm
                                         

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