■卵型フルレンジスピーカーの代表的存在

          
  

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フルレンジの良さを活かしたPC用小型スピーカー

タイムドメイン miniは、同社が2001年5月末より一般発売を開始し、現在も売られ続けている息の長い製品です。
初出は単品発売する1年前の2000年5月に富士通のPC FM-V DESKPOWER Mシリーズにバンドル
されPC付属の周辺機器として登場しました。


PCスピーカーはキーボード等と並んでコストダウンされやすい周辺機器の一つで、PCで高音質で聴きたい場合は
BOSEやYAMAHA製のPC向けスピーカーなど個別に市販品を別途購入するのが一般的でした。


今ではPCで映画などを見るのは当たり前ですが、PCの使用用途として当時はまだワープロなどの事務機器の延長という意味合いが強く、当時はPCで「マルチメディア」と銘打ってPCでオーディオビジュアルの可能性を模索していた時代で、同社のラインナップでトップモデルではありましたが、タイムドメインminiという本格的なスピーカーはかなり贅沢な環境でした。


20年経た今でもTimedomein miniが売られているのは、単なる廉価版として一般的だったPC付属フルレンジスピーカーをオーディオ用途へも遜色ないレベルに昇華したモデルとして 愛される存在であり続けたことであると思います。

 

音質

 

音質評価

フルレンジらしい素直な鳴りのスピーカーです。口径はスピーカーの大きさにくらべても小さくΦ40ほどしか
ありません。なので、どんなにがんばっても低域がスカスカになってしまうのは否めませんが、
「低域感」をよく感じることができます。

低域の量感自体は少なく、迫力も不足気味ですが、低域の階調がよく分かる音質となっています。
このスピーカーの一番音が良かったと感じる点はこの点です。


全体的にみて高域寄りの音造りで、本格的なオーディオスピーカーと比べると、高域は分解能が今一つ
で、潤いが少なく、すこしばかり煩く痛く感じます。


中音域も、それほど艶がある訳でもなく乾き気味に鳴ります。低域は上で記述したとおり、量は少なく
迫力に欠けます。


ではこのスピーカーの何が良いのかといわれると、それは、ユニット口径が小さい事を利点とする
定位感に尽きると感じました。


ボーカルや小編成の室内楽、空気感を伴ったジャズなどはかなり相性が良いです。
少し昔のレコードの時代の音源も気持ち良く聴くことができます。


しかし低域の量感で聴かせるような曲や、人工的な音、音数の多い曲や大編成の曲などは
苦手なようです。

楽曲により得手、不得手がかなりはっきりしているので、タイムドメインの音を受け付けない人も
いるかも知れません。


〇ノン・オーバーサンプリング(NOS)入力で真価を発揮する。

初期のCDプレーヤーは、CD信号をそのまま出力していましたが、それがレコード(アナログ)にくらべて
”デジタル臭い”と呼ばれる一因となっていました。
CD信号をオーバーサンプリングする技術で、なめらかに、聴きやすくなりましたが、デメリットとして
音の鮮烈さや勢いが減少しました。

視聴はハイレゾの携帯プレーヤーであるAK380で行いましたが、NOSDAC(ノン・オーバーサンプリングのオペアンプ)搭載のDAPで聴いたところこちらの方が相性が良かったです。

NOSDACのプレーヤーはHIFIMAN HM602 Slimという機種ですが、音に勢いがあり、高域がハイ落ち気味のプレーヤーですので、タイムドメインと非常に相性が良く小気味よい音を聴かせてくれます。

 

試聴楽曲

 

・Hotel California
低音の量は少なめで、中高域が荒れている印象はあるのですが、全体的にまとまった
感じはあります。


・StarWars (映画音楽)
PCで映画など迫力のある音楽も聴くことを想定して選曲
低域の量感が少なく、中音域も厚みが足りず迫力不足で、全体のバランスは高域寄り。
個々の楽器は聴き取りやすい


・テネシーワルツ HolyCole (ジャズボーカル)
高域がきつい所もありますが、音の拡がりが良く、ハーモニカよい。

 

 

入出力

 

〇入力

 

入力は右スピーカー基盤から直接でているΦ3.5mm ステレオミニジャックのみです。ケーブル先端はオレンジ色になっていて発売当時の規格の名残を残しています。現在の一般的なコネクタの色(PC99規格)としては黄緑色(LINE OUT)へつなげます。

 

 

左側に渡るケーブルは同軸のコネクターで接続します。
左側はACアダプター差し込み口です。

 

〇音質調整



音質調整は音量のボリューム調整のみです。左側もノブっぽく見えますが、単なる電源の押しボタンになっています

 

 

内部 

 


アンプ部分は右側スタンド下部にまとめられています。

ヒートシンクにステレオアンプ AB級 LA4631が防振ワッシャー越しに取り付けられている


電源入力部 パスコンは470μF 25Vのもの。

 

〇スピーカーユニット

 


スピーカーユニットの固定は防磁マグネットの後ろ側で固定され、ユニット前縁部とバフルの裏側のスポンジ
で挟まれて保持されています。


バスレフダクトの回りに吸音材があります。ニードルフェルトのようです。
ダクトは内径Φ14.5mm 長さ85mmです。

 

その他

 

ACアダプター

ACアダプターはトランス式でDC13V 700mAのものです

 

その他付属品

取り扱い説明書が付属します。

 

仕様

 

モデル:タイムドメイン ミニ
周波数特性 80Hz~18kHz
最大出力(EIAJ 10%歪時)       4W+4W (EIAJ 10%歪時)
入力インピーダンス 10kΩ
入力感度(Vol.MAX時)  160mV       

消費電力       20VA
質量    左 600g  右 680g
外形寸法       (W x D x H)  106 x 152 x 185mm
その他 待機消費電力  1.2W

(※同梱マニュアルより転載)

 

 

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