本記事は2chオーディオにおいて、市販のアンプ内蔵のアクティブサブウーファーではなく、自作によるパッシブサブウーファーを構築する方法を解説します。パッシブサブウーファーを構築するには次の2つのステップで考える必要があります。
(A)サブウーファー用の信号を取り出す
(B)信号をローパスフィルターを通して高域をカット→パワーアンプ→サブウーファーにつなぐ
初めての方には少し複雑に思える部分もあるかもしれませんが、やってみると拍子抜けするほど簡単です。(A)と(B)には数パターンの方法がありますので、コストと音質にあった方法をそれぞれ採用してもらえれば幸いです。
自作でのサブウーファー構築は昔に比べると安価で、市販品ではまず無理な本物のサブウーファーを作ることもできますので是非チャレンジしてみてください!
今日は一番最初の
(A)サブウーファー用の信号を取り出す方法について解説します。(B)は次回解説いたします。
目次
(1)CDプレーヤー、DACから信号をとる
音質的にも良く、最もおすすめの方法になります。
以前は(2)のプリアウトできるアンプを推奨していましたが、機種が限られる上アンプを買い替える必要があるなどのハードルがあるため現在(1)を1番に推奨しています。高級機はCDプレーヤーに2系統の出力があるものもありますが、安価なものは1系統が多いかと思います。その場合はしたのような分岐のアイテムを使って、サブウーファー用アンプ(FOSIAUDIO M03推奨)と現在お使いのメインスピーカー用の2chアンプに信号を分岐してご利用ください。
この方法はメインの2chアンプとサブウーファーのアンプが連動しないので別々にボリュームを操作する手間が発生しますが、プリアンプのボリュームを通していないのでサブウーファーのアンプの出力が小さくても十分に高い音圧レベルを得ることができます。
(2)プリアンプを使う、プリアウト端子付プリメインアンプを使う
単体プリアンプは以前は高級品が大半でしたが、最近はデジタルアンプや中華製の安価な真空管のプリアンプが増えました。ですので、それらを使えば簡単に信号を取り出すことが可能です。 もちろん、アキュフェーズやラクスマンのような高級アンプのプリアンプはそのままご利用いただけます。高級プリアンプはプリアウト端子が2系統以上あると思います。 1つはメインスピーカー用、もう一つはサブウーファー用に使います。
プリアウト端子付のプリメインアンプで安価な商品としては、以前はDENONの390シリーズとかがありましたが販売終了になっています。最近ですとFOSTEXのAP25などはプリアウト端子付きのデジタルアンプとしておすすめできます。
(↑FOSTEX AP25)
AP25はプリメインアンプなので、AP25のスピーカー端子にメインスピーカーをつなぎプリアウトから先にサブウーファーシステムになります。
こちらは(1)の方法と比較すると、メインの2chとサブウーファーがプリのボリュームで連動して音量が変わるのがメリットです。ただし、小音量で聞く場合はサブウーファーのボリュームを大きくしてもプリのボリュームが小さいと十分にサブウーファー音量が得られない場合があり得ます。
(3)サブウーファーout用の端子付アンプから音を取り出す
サブウーファー用のアウト信号は、LRを1つの信号にしているものが多いです。そのため、2chオーディオの真ん中に1つだけセンターのサブウーファーを設置する2.1chのシステムになります。そのため、こちらはオーディオ的には入門者用のような使い方になるかもしれません。(オーディオマニアは左右別別のサブウーファーを使いたい!という人が多いので)
AVアンプにはまずこのサブウーファーout用の端子がついていますので、理屈の上ではAVアンプを使って2.1chで利用できるはずですが、経験上できない機種が多いようです。AVアンプのサブウーファーは映像込みでしたら5.1chでサブウーファーから音がでますが、音声だけの2.1chは音がでないケースが報告されています。AVアンプの場合は機種と設定次第かと思われます。
2ch+サブウーファーで聞く場合は中華アンプでこのような構成のアンプがあるのでおすすめです。中華アンプでサブウーファー用のアウト信号をもった安価な機種が結構あります。amazonで「サブウーファーアンプ」でご検索ください。いくつか、おすすめ機種を紹介します。
なお、サブウーファーout端子付きのアンプはアンプを内蔵していないアクティブサブウーファーが前提のものと、アンプを内蔵しているパッシブサブウーファー用がございます。1台づつ紹介します。
(A)別途サブウーファー用アンプが必要
メインの音も良いのでおすすめです。サブウーファー用端子の先にサブウーファー用のパワーアンプが必要になります。
(↑SMSLのA300)
(B)サブウーファー用アンプ不要のタイプ
こちらですと、センターサブウーファーに直接スピーカーケーブルをつなげるのでこれ1つでシステムが完結します。入門用システムとしては最もシンプルに構築できますね。
(↑FOSIAUDIO BT30D)
(4)ハイ・ローコンバーターを使う
プリアウト端子がついていない、もしくはサブウーファーアウト端子もないアンプを使っている方で、現在のアンプを絶対に変えたくない場合に使える方法が「ハイローコンバーター」になります。こちらは、アンプで増幅されスピーカーに接続される大きい信号を、コンバーターを使うことで小信号に戻すものです。(スピーカー信号をRCA信号に戻す)
大きい信号を、小さい信号に変換するので「ハイ・ローコンバーター」というのだと思います。一度上げたものを抵抗を使って小さくします。そしてその信号にフィルターをかけて高域をカットして、もう1回アンプで増幅してサブウーファーにつなぎます。
音質的には(1)に比べて良いはずはないのですが、40Hz以下の超低域にだけ使うのであれば気にならない人も多いかと思います。
実際、市販のサブウーファーでメインアンプからつないだスピーカーケーブルを直接挿せるタイプのもの(FOSTEXのCW250D)などはこの仕組みが内蔵されているものと思われます。
CW250Dを設計した方とも電話でお話したことがありますが、「スピーカーケーブルでつなぐより、プリアウトからつなげるなら音が良いのでそちらを使ってください」と言われましたので、プリアウトできない場合に使う方法と思ってください。
amazonで「ハイローコンバーター」で検索するとカーオーディオ用のサブウーファーに使う商品が安いものだと2000円くらいのがamazonに大量に販売されています。
↑はFXAudioさんのHLC-04Jは2chオーディオ用にも使えるのでおすすめです。
以上の3つがサブウーファー用の信号を取り出す方法になります。
(5)その他の方法 番外
PCオーディオを使ってPC内で帯域分割させて、サブウーファー用信号とメイン信号を取り出す方法を実践されている方もいます。あまり一般向きではないので、それらの方法は今回は詳しくは紹介しません。
次回はフィルター&アンプの選択になります。