FOSTEX FF85WK 主観辛口レビュー


FF85WKの音質評価(素性)


銀色に光るリジットセンターコーンは伊達についている訳ではなく、一聴して、その鋭く鮮明な響きを実感する事ができます。ツィーター要らずと言って良いでしょう。低域も重みのあるものになっており、聴感上でも、下から上まで万遍なくでるワイドレンジなものになっています。

音圧的には上記のようにバランスがよいのですが、音色的には低域と高域が独自のカラーの割には
中域が大人しめに鳴る傾向で、もう一歩カラーがあっても良い気がします。FE系のような透明感のある一つ線が通ったようなヌケのある中高域に慣れていると、いま一つなにか欲しいようなそんな気がします。

FE系の前にポーンと出てくる音と違います。FEは音が前に出てくる印象ですが、こちらは若干後ろ側に定位する印象です。全体的にみて、低域と高域のキャラクターのバランスが良く、高域が若干金属的ではありますが、嫌な音ではありません。よく出来たユニットです。

低域のスピード感はFEと比較すると遅めですが、遅すぎる訳ではなく許容範囲です。ディティールの再現性も申し分なく、FE系の低音再生とは違うテイストとなっています。守備範囲が広そうな出音のスピーカーで、これ一つで何でも鳴らしたい方にはオススメできます。

FF85WKに合うエンクロージャーの考察

FF85WK+3.65Lバスレフ箱 評価

低音はよく出る方で、箱が小さいのにしっかりとした出音です。ちょっと音の密度が濃すぎるので、もう少し大きな箱でゆったりと鳴らすのがベターかと思います。ページ最下部に動画があります。

FF85WK+Z601(v2) ダブルバスレフ箱 評価

先のバスレフ箱で感じた「ゆったり鳴らしたい」とは、まさにこの大きさでした。
音工房ZではZ601(v2)に「Z-Modena」をつけて販売しているのですが、Z601(v2)にFF85WKは、まさに”好敵手”といって差し支えないバランスの良さです。


低音の量感は「Z-Modena」の方がでて、ディティールも若干「Z-Modena」の方が上手ですが、高域の再現性で特に金属のハイハットなどの輝きはFF85WKが良好です。中低域の厚みはスピードは遅いですが、FF85WKが若干厚みがあり好印象です。

高域を担当するリジッドセンターキャップがモデナよりも若干クセがあるので、それが気にならなければFF85WK、高域が少し落ちてもバランスを取りたい場合はZ-Modenaの選択になるでしょう。ページ最下部に動画があります。


FF85WK+Z701(v3) BHBS箱 評価

上のダブルバスレフで見せた「Z-Modena」のライバルFF85WKですが、専用の箱であるZ701(v3)では少し水をあけられます。

容積がある分、ダブルバスレフのときよりも低域は出ますが、「Z-Modena」の方が低音が頑張れるのです。FF85WKでは少し力感が少なくなりパワーダウンです。

FF85WK+Z701(V3)では少し低域が過剰気味で、中域が薄く感じられます。

Z-Modenaの低域が元気が良すぎると思う方はFF85WKでも良いかもしれません。
ページ最下部に動画があります。

 

ソースごとの相性

・クラシック
音が暗めで繊細な連続音は苦手な方です。チェンバロ等は分離が悪いです。高音はクールに鳴らす方で、ヴァイオリンの艶や温かみも苦手です。小編成の楽曲や、規模の大きくない協奏曲などの再生は良好に聞けました。 


・ジャズ
ウッドベースの重めのある鳴りや、ハイハット、トランペットの煌めきなどこのユニットはジャズの為にあるのではないかと思うくらいハマリます。低音がスピードが重めですが、それが良い具合に塊感を作り、低域と高域の分離された(中域の音の繋がりが悪い)のが功を奏し、スカッとした音を聞くことが出来ます。

中域はクールで比較的薄味なので、ボーカルがある楽曲は、歌い手で評価が別れます。

外観のレビュー

フレーム


前作FE85Kと同じ形状の鉄板プレス製のフレームです。
色は明るいシルバーからグレーシルバーに変わりました。

前作と同じ形状なのでリプレースは容易です。

 

振動板・センターキャップ

振動板は材質がケナフ+バイオセルロースを使ったものから低叩解パルプ+高叩解ケナフの2層抄紙式に変更されています。

FF85WKの振動板はグレー色になっていますが、これは振動板に備長炭パウダーを配合したからと思われます。

振動板自体の大きさもFF85WKになって拡大しており実測で直径53mm→55mmに
なっています。
前作FF85KのエッジはUDRタンジェンシャルエッジとなっており、幅が広いものとなっているので、実行振動半径は両方で3cmとなって変わっていません。

センターキャップ(センターラジエーター)はFOSTEXのツィーターなどではおなじみのリッジドーム形状に変わり大きさも小さくなりました。


FF85Kの振動板まわり

 


FF85WKの振動板まわり

 

振動板に「ハトメレス」の技術が使われています。FOSTEXによると中音域の歪が少なくなっているとの事です。


左FF85Kの印のハトメが右FF85WKではなくなっている。

ダンパー

ボイスコイルに中継線をしながらも3接着が可能なポケットネックダンパーが採用されています。前作FF85Kでは中継線が振動板に一部接着されていたのに対し、FF85WKでは入力ターミナルから直接ボイスコイルに向かっています。

 


FF85Kの配線 ハトメからボイスコイルまでの部分は振動板に接着されている。


FF85WKの配線 入力ターミナルから直接ボイスコイルに入っているのがわかる。
線自体も若干太くなっているようだ。(実測φ0.7→φ0.8)

磁気回路

マグネット重量と形状が変化しました。マグネット重量は228g→187gで41g減り
形状がデコボコしたデザインのものに変更されました。

ファストン端子も金メッキとなり、豪華になりました。


左:FF85K 右FF85WK

FF85WK 客観的情報

歴史

金属センターキャップ採用のFFシリーズは、数あるFOSTEXのユニットの中でも野心的な内容で、ひときわ目立つ存在といえます。

フルレンジスピーカーユニットのワイドレンジ化に独自の技術をもって果敢に挑戦しています。FE85WKは前作FF85K同様ケナフを振動板に使い、メタルセンターキャップを搭載していますが、改良は多岐に渡り、全く別モデルと言っても良いほど変化しています。

 

価格・概要

標準価格   5,000円 (税別)
発売年 2011年3月上旬~
スピーカー形式 8cm口径フルレンジユニット

価格は相次ぐ価格改定により値上げされている。
2011年3月発売時は3400円、2013年10月に4000円
2015年5月に4800円、2018年10月に5000円となり現在に至る。(2019年9月現在)

FF85WK スペック詳細

インピーダンス 8Ω
最低共振周波数 115Hz
再生周波数帯域   f0~28kHz
出力音圧レベル 86.5dB (1m/1W)
入力  15W (Mus.)
マグネット重量 187g
総重量 450g

メーカー推奨箱の概要 バスレフ 3.5L  fb(ポートの共振周波数) 92Hz

Fs(F0):  115Hz
mms(m0): 2.0 g
Cms: 0.909m/N
Qes: 0.683
Qms: 3.298
Qts(Q0): 0.55
Vas: 1.036L
バッフル開口 φ73

音工房Z無響室でのユニットF特・インピーダンス測定

弊社内無響室
測定機器 Etani ASA10MKII


FF85WKを3.65Lのバスレフ箱(f0=100Hz)に入れて計測

周波数特性


マイク~ユニット間10cmでの測定

フラットであり優秀な測定結果です。10kHz以上もあまりピークを作ることなく高域をとりたてて目立たせる事はしていないようです。

低域量感の多さでFOSETXの8センチを並べるとP800K>FF85WK>FE83Enの順です。






マイク~ユニット間1mでの測定

耳に付きやすい4kHz辺りに若干ディップがあり、聞きやすそうな特性です。
高域もフラットに伸びています。



 インピーダンス特性


Youtube視聴動画 (3.65Lバスレフ箱)

・・・音工房Z内のリスニングルームで録音したものです。ヘッドホン等で
ご視聴ください。



3.5Lバスレフ箱




Z601(v2) ダブルバスレフ箱



Z701(v3) BHBS箱

後ほどアップロードします。

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