目次
FOSTEX FF85WK 主観辛口レビュー
外観のレビュー
フレーム
前作FE85Kと同じ形状の鉄板プレス製のフレームです。
色は明るいシルバーからグレーシルバーに変わりました。
前作と同じ形状なのでリプレースは容易です。
振動板・センターキャップ
振動板は材質がケナフ+バイオセルロースを使ったものから低叩解パルプ+高叩解ケナフの2層抄紙式に変更されています。
FF85WKの振動板はグレー色になっていますが、これは振動板に備長炭パウダーを配合したからと思われます。
振動板自体の大きさもFF85WKになって拡大しており実測で直径53mm→55mmに
なっています。
前作FF85KのエッジはUDRタンジェンシャルエッジとなっており、幅が広いものとなっているので、実行振動半径は両方で3cmとなって変わっていません。
センターキャップ(センターラジエーター)はFOSTEXのツィーターなどではおなじみのリッジドーム形状に変わり大きさも小さくなりました。
FF85Kの振動板まわり
FF85WKの振動板まわり
振動板に「ハトメレス」の技術が使われています。FOSTEXによると中音域の歪が少なくなっているとの事です。
左FF85Kの印のハトメが右FF85WKではなくなっている。
ダンパー
ボイスコイルに中継線をしながらも3接着が可能なポケットネックダンパーが採用されています。前作FF85Kでは中継線が振動板に一部接着されていたのに対し、FF85WKでは入力ターミナルから直接ボイスコイルに向かっています。
FF85Kの配線 ハトメからボイスコイルまでの部分は振動板に接着されている。
FF85WKの配線 入力ターミナルから直接ボイスコイルに入っているのがわかる。
線自体も若干太くなっているようだ。(実測φ0.7→φ0.8)
磁気回路
マグネット重量と形状が変化しました。マグネット重量は228g→187gで41g減り
形状がデコボコしたデザインのものに変更されました。
ファストン端子も金メッキとなり、豪華になりました。
左:FF85K 右FF85WK
FF85WK 客観的情報
歴史
金属センターキャップ採用のFFシリーズは、数あるFOSTEXのユニットの中でも野心的な内容で、ひときわ目立つ存在といえます。
フルレンジスピーカーユニットのワイドレンジ化に独自の技術をもって果敢に挑戦しています。FE85WKは前作FF85K同様ケナフを振動板に使い、メタルセンターキャップを搭載していますが、改良は多岐に渡り、全く別モデルと言っても良いほど変化しています。
価格・概要
標準価格 5,000円 (税別)
発売年 2011年3月上旬~
スピーカー形式 8cm口径フルレンジユニット
価格は相次ぐ価格改定により値上げされている。
2011年3月発売時は3400円、2013年10月に4000円
2015年5月に4800円、2018年10月に5000円となり現在に至る。(2019年9月現在)
FF85WK スペック詳細
インピーダンス 8Ω
最低共振周波数 115Hz
再生周波数帯域 f0~28kHz
出力音圧レベル 86.5dB (1m/1W)
入力 15W (Mus.)
マグネット重量 187g
総重量 450g
メーカー推奨箱の概要 バスレフ 3.5L fb(ポートの共振周波数) 92Hz
Fs(F0): 115Hz
mms(m0): 2.0 g
Cms: 0.909m/N
Qes: 0.683
Qms: 3.298
Qts(Q0): 0.55
Vas: 1.036L
バッフル開口 φ73
音工房Z無響室でのユニットF特・インピーダンス測定
弊社内無響室
測定機器 Etani ASA10MKII
周波数特性
マイク~ユニット間10cmでの測定
フラットであり優秀な測定結果です。10kHz以上もあまりピークを作ることなく高域をとりたてて目立たせる事はしていないようです。
低域量感の多さでFOSETXの8センチを並べるとP800K>FF85WK>FE83Enの順です。
マイク~ユニット間1mでの測定
耳に付きやすい4kHz辺りに若干ディップがあり、聞きやすそうな特性です。
高域もフラットに伸びています。
インピーダンス特性
Youtube視聴動画 (3.65Lバスレフ箱)
・・・音工房Z内のリスニングルームで録音したものです。ヘッドホン等で
ご視聴ください。
3.5Lバスレフ箱
Z601(v2) ダブルバスレフ箱
Z701(v3) BHBS箱
リンク集
自作用スピーカーユニット 辛口レビュー 一覧