Z1000-FE108SSHP開発1

FE108SSHPに必要な容積は?

 フルレンジ箱の開発は「容積」を既存の箱に入れて音を出してみて、どのくらいの大きさが必要かのあたりをつけるところからはじめます。箱の容積は最重要で、これを間違えてしまうと十分な低域がでなくなってしまいます。かと言って必要以上に大きくしすぎてもユニットの能力以上に低域が伸びるわけではないです。

 デザイン的な部分とも関わりがあるのでまずは総容積を決めて、その後に音道やダクトをつめてゆきます。最近のFOSTEXの限定は昔のオーバーダンピングユニットと違って低能率で低域が出やすくなっています。そのため昔の長岡鉄男先生の設計の大型の箱に比べれば小型でバランスをとりやすくなっています。

 どうなるかは、毎度のこと実験&視聴をしながら決めてゆきます。最初に入れたのは16Lのバスレフ箱と、Z1000-Bergamoの試作箱である25Lの箱にFE108SSHPを入れてみました。

 比較して聞くと25Lが圧勝です。低音がはいっている音源を聞いたら1秒でわかります(笑)

 オーバーダンピングユニットなのでシングルバスレフとの相性も良くないのもありますが、、内部の構造によるものではなく、容積によるものと一瞬でわかる違いでした。翌日に実験したのが、倍近い内容積のあるZ1000-FE108SolにFE108SSHPをいれた箱VSZ1000-Bergamo試作にFE108SSHPを入れた箱です。

 超低域だけはZ1000-FE108Solのが良いですが、それ以外は全てにおいてZ1000-Bergamoのが上でした。

少しびっくりしました。

 Z1000-FE108Solの箱は音道が2.5mを超える音道ロングタイプであるL-BHBSですが、FE108SSHPとはミスマッチ感が強かったです。一方のZ1000-Bergamoの箱は僅か25Lで、音道長さは1.5未満の音道ショートタイプのS-BHBSです。

 後者のほうが合っていました。

 音道はどうするかは後日実験をして決めますが、容積的には25Lでも十分鳴るのが分かりました。50Lもの大きさは全く必要なさそうです。とりあえず暫定的に30L程度のトールボーイを2つ作って、音道実験をおこなってゆくことにしました。

Z1000-FE108SSHP開発2 <ABCD> 

音道長さテスト

前回でだいたい容積のあたりがついたところで、4つの約30Lの試作箱を作りました。今回の実験で試した音道のタイプにABC~と番号をつけてゆきます。

 この箱に音道をいろいろ試して、ベストな音道を見つけてゆきたいと思います。予定としましては今月末ごろに完成品をだし、その後キットを出す予定です。

 前回すでに弊社にある既存の箱に入れて聞いてみたところ、2.8m程度の音道の長さをもつZ1000-FE108Solの箱ではうまく鳴らず音道の短いZ1000-Bergamoの箱にユニットを入れたほうが綺麗になりました。

 FOSTEXのオーバーダンピングユニットは昔の高能率のものとは印象が大きく変わっておりますので、箱の設計もそれに合わせる必要があります。

 ご自身でFE108SSHPを設計される方へのアドバイスとしては、巨大な容積の箱にしなくても20~30L程度で良い感じで、バックロードの場合は設計次第ですが音道は短くても中域から低域はうまく引きだせそうです。ダブルバスレフも鳴ると思いますが、さすがにシングルバスレフや密閉はサブウーファーとかないと難しいかなという印象です。

 弊社でもFOSTEXさんの限定ユニットではこれまで音道は1.5mを超えるL-BHBSタイプが主流でした。今回もテストして決めますがもしかしたら短いほうがマッチするかもしれません。

 さっそく音道長さを決めるテストに入ってゆきます。

音道長さテスト1 音道1.5m VS 音道1.8m

 印象が良かった1.5mと少し音道を伸ばした1.8mの試作音道をテストしました。

 

1.8m(A)

1.5m(C)

 

音道の長いほうは、接続を逆相に間違えたのでは?と思えるほど低域が弱く、確認してみるも問題なし。ユニットの個体差?と思って、ペアを入れ替えてみるも問題なしでした。両スピーカーとも最終ダクトが長すぎる感じがしたので短くしてみるも解決されませんでした。

あまりに極端な差で、通常30センチ音道が長くてここまでの差はつかないです。

長い音道をこれで諦めには少し惜しいとおもい、軽く音道を調整し音道を逆に1.9m程度にして再度ステレオにて視聴してみました。

 

音道長さテスト2 音道1.5m VS 音道1.9m

↓1.9m(D)

結果は多少改善されましたが、1.5mの音道が圧勝という結果になりました。現時点のリファレンスは1.5mになりました。内部の音道的には昔販売したZ1000-FE103Solと少し近く、ダブルバスレフ形状に近いS-BHBSです。

1発目でこのクオリティーの高さ!
このまま販売しても問題ないレベルです。
現時点でこの1.5mの音道のスピーカーをリファレンスモデルとしてこれを超えるものを比較しながら作ってゆきます。

 

音道長さテスト3 音道1.5m VS 音道1.2m

1.9mの音道はダメで1.5mが良かったため、さらに短くしたものをテストしました。

1.2m(B)

こちらは意見が割れました。

 視聴位置で変わる程度の差で好みの差といえるかもしれませんし、ブラインドテストをして耳のいい人でやっと分かるような差です。低域が「ふわっと」でるか「ばしっと」でるかに極極僅かな違いがあります。

 今回のテストでは、総音道は1.2~1.5m程度にして内部の折り曲げ方や、空気室、ダクト調整などをテストして最終仕様を決めたいと思います。

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