目次
はじめに
AKG K701
AKG K701は2006年に発売され、その音質の良さ、装着感の良さ等から細かいモデルチェンジを繰り返しつつ生産されました。
今回紹介するのは2019年10月に再販売されたK701- Y3で、初代のオーストリア生産から中国生産に変わり、若干のパーツの差異があります。
AKG K701の価格と概要
希望小売価格 :実勢価格2万円前後 (2021年1月現在)
型名 :K701-Y3
形式 :オープンエアー型
ドライバーユニット :φ50mm
最大入力 :200mW
インピーダンス :62Ω
音圧感度 :105dB/mW
再生周波数帯域 :10~39,800Hz
コード長 :3m
質量 :約235g(ケーブル含まず)
発売年 :2019年10月5日(K701-Y3) 2006年4月3日(初代)
AKG K701の音質評価
AKG K701の音質
AKG(アーカーゲー)は様々なヘッドホンを出していますが、その中でK701はリスニング向け高級ヘッドホンの草分けともいえるものです。
高域は繊細さもさることながら、音の反響などの空間表現が非常に優れています。
中域はやや淡白に鳴らしつつも非常にデリケートな表現を堪能する事ができます。
低域はふわりとした軽いスピード感のかるもので、さながら高級オーディオスピーカーのような極めて上品な鳴り方です。
AKG K701の外見・機能
AKG K701の外見
円を基本とした素晴らしいデザインで、艶のある白色と銀色の絶妙なコントラストが全体的に優しい雰囲気を醸しだしています。
(AKG K701)
軽量化のためか、ほとんどがプラスチックで作られており、銀色の部分はメッキになっています。
ハウジング外側には無数の穴が開いており、ユニットの背圧を制御しています。
[ATH-M50xのハウジングとアーム、アーム基部にモデル名がある]
AKG K701の機能
L・Rの表示箇所は、ヘッドバンドの止め金具の所に印刷されており、下にはAKGの社名となっています。
ヘッドバンドは細いゴムひもでテンションがかかっており、高級な割にハンドクラフトのような手作りのような簡素さが垣間見れました。
下手にバネや機構をいれるよりかは雑音やフィット感の点で有利かもしれません。
ヘッドバンドの頭に接触する部分は厚みのある合皮で、ほどよい硬さで自重でたわまないものになっています。
支える2本のブームはテンションのかかったもので、中にワイヤーがはいっていると思われます。
ヘッドバンドの可動域はそう大きくはありません。リスニングヘッドホンの為可動域はそれほど必要がないのでしょう。
ヘッドバンド部にはAKGの文字が。以前のモデルでは裏側が凹凸になっていました。このモデルではフラットになっています。
パッドはベロア調でやや硬い感触になっており、装着しても潰れのすくないものです。ある程度スキマができるので、パッド内に熱がこもりにくく長時間のリスニングでも快適です。
LRは対称なので、逆にかけても違和感はありません。コードが左出しなので、それを覚えていれば間違えないでしょう。
コードはグレーのもので3mとやや長めですが、ホームリスニング向けとしては適当な長さでしょう。ケーブルは直出し仕様になっています。
標準6.3mmが基本で、3.5mmミニプラグ用の金属製変換ケーブルが付属します。
珍しくヘッドホン台が付属します。プラスチック製でウレタンスポンジの上部が凹んでおり、ヘッドホンが自立させる事ができます。
本体が白い艶があるプラスチックなので、無造作に置くと傷が目立つので、その配慮かと思われます。
[プラスチック製で銀色の塗装がされている]
[しっかりと自立し、保持力は良好です]
AKG K701の構造
前述しましたが、ハウジング外側には無数の穴が開いています。よく見ると内側の銀色の穴の方が外側のものよりも大きい穴に見えます。
イヤパッドは反時計回りに5度ほど回転させると外すことができます。パッドとバッフルの間には丸穴のあいたスポンジが入ります。
半透明のドライバーを確認する事ができます。プラスチックで強固にガードされています。
[外側にはサウンドチューニング用の薄膜が貼られている]
まとめ
AKG K701の良い点
発売当初は83,000前後という値段でしたが、現在では2万円前後で買えるということで、音質を考えると非常に安く、コストパフォーマンスに優れているといえます。
オープンエアーらしい開放的で、自然な空間表現と柔らかな低域表現。上品な音 というのがふさわしいヘッドホンでしょう。
音にも変な癖を感じず、柔らかく包み込まれるイメージなので、長時間のリスニングでも聴き疲れは起きにくいでしょう。
装着感もかなり良く、側圧も良い具合で首をふってもずれません。
大きなイヤーパッドのおかげで長時間の装着も苦にならないでしょう。
AKG K701の もう一歩な点
高級ヘッドホンとしては、もうすこし低域に切れ込みや、高域の輝きが欲しいことが感じられますが、聴き疲れとトレードオフなので、絶妙のバランスともいえます。
全体的に薄いベールをかぶったような音で、低域も強くなく、高域もそれほど痛い音を出しません。何を聴いても上手く鳴る優等生的な音なので、パンチが若干足りないきらいがあります。
リスニングヘッドホンはこれ一本だけ、という方には有力候補の一つに挙げられます。