今回からは、弊社の商品で販売数の多かったスピーカーとの比較を書いてゆきたいと思います。(過去に聞いた音の記憶をもとにした比較になります。)今日は、かつてのZ1000-FE108Solと、最新のZ1000-Potenzaを聴き比べた印象をまとめてみます。

どちらも音工房Zの名を冠した“Z1000”ですが、設計思想もサウンドの方向性もまったく異なる2台です。

Z1000-FE108Sol 繊細で瞬発力のある音

 Z1000-FE108Solは、フルレンジ一発で純粋な音の立ち上がりを追求したモデルです。小口径に強力マグネットで入力に対する反応が非常に速い。音が立ち上がる瞬間のスピード感、小音量でも生き生きとした鮮度の高さは、今聴いても特筆すべきものがあり、高く評価されています。

 全体バランスとしては高域がやや多めで、はい上がるような特性。中高域のきらめきや、ボーカルの抜け感など、“鮮度の高さ”に魅力がありました。オーバーダンピング傾向のため、厚みよりもスピード感を優先する音でした。

 

Z1000-Potenza フラットで自然な点音源

 Z1000-Potenzaは、同軸2way構造のZ-Potenzaユニットを搭載し、BHBS(バックホーンバスレフ)方式で設計されています。このユニットは全帯域のバランスがフラットで、高域が過剰に出ることもなく、低域も自然に伸びる性格です。そのため、どんなジャンルの音楽でも偏りのない聴きやすい音に仕上がります。

 低域は40Hz以下の超低域は互角、それより上のミッド帯域はZ1000-Potenzaが多いかと思います。解像度と定位の精度はPotenzaが明らかに上。ボーカルが正確に中央に定位し、音の背景が静かで立体的です。

 Z1000-FE108Solが“勢いのある音”だとすれば、Z1000-Potenzaは“空間で描く音”。奥行きと深みのあるサウンドです。

 

箱の構造の違い

 両モデルの音の方向性の違いは、ユニット特性だけでなく箱の構造にもあります。Z1000-FE108Solはオーバーダンピング型のユニットに合わせ、非常に大きな箱を採用。弊社の構造分類では、音道が最も長い「Z703型」に属します。内部の通路が長く、低域をしっかり導く構造で、 ローエンドの厚みを箱の容積で補っていました。そのため、ローエンドはよく伸びていますが、中低域の立ち上がりはやや穏やか。

 一方のZ1000-Potenzaは、BHBS構造をベースにしながらも箱はコンパクトです。音道の長さはZ701に近いZ702型で、これまでの16センチクラスとしては最も短く箱も小さい設計です。これは、ユニットがオーバーダンピングではなく、自然な伸びを持つタイプであるため、過剰な増強を避けるための設計です。その結果、低域はタイトでスピード感があり、中高域との時間的整合も高い。“低域の量より質”を重視した設計思想です。

 

スピード感と解像度の違い

 スピード感・鮮度・小音量での反応の良さは、Z1000-FE108Solが勝ります。軽量コーンならではの立ち上がりと中域の張り出し感はフルレンジの醍醐味。

 一方で、解像度と定位の精密さはZ1000-Potenzaが圧倒的です。同軸構造により位相が正確に揃い、各帯域が一つの音像としてまとまります。Z1000-FE108Solが“特徴のあるスピーカー”なら、Z1000-Potenzaは“完成されたスピーカー”。空間表現の自然さ、音像の安定感、 低域の伸び。そのすべてが一段上の次元にあります。

 Z1000-Potenzaの完成度は、ハイエンドスピーカーと比較してもまったく遜色がありません。ムンドルフ製ネットワーク、48mm厚のバッフルと大きな面取り、4tプレス接着による一体構造――。これらが高精度で高密度な音場を作り出します。

Z1000-FE108Solが個性で勝負するモデルなら、Z1000-Potenzaは“総合力で聴かせる”モデル。

音楽全体のスケール感や自然な響きは、今のZ1000が確実に進化した証かと勝手に思っております。

 

Z1000-Potenza/Z702-Potenza

2025年末の初回販売は終了いたしました。
2026年中にもう一度だけ生産する予定です。
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Z1000-Potenzaの販売ページ
Z702-Potenzaの販売ページ

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