今回は、Z1000-Potenza(完成品)とZ702-Potenza(キット版)を中心に、このシステムを「おすすめできる人」と「おすすめできない人」を整理してみました。

まずは「2つのSPに共通する魅力と欠点」を。続いて完成品とキットに分けて書いて見たいと思います。

共通する魅力と欠点

 Z1000-PotenzaとZ702-Potenzaに共通する魅力をひとことで言うと、「圧倒的な定位感」と「ローエンドの伸び」です。この2つが揃うと、音の位置がくっきり見えて、小型スピーカーとは思えない立体感が生まれます。同軸2wayとBHBSがしっかり働くことで、ボーカルの位置もピタッと決まり、楽器の重なりもとても分かりやすくなります。

 もうひとつの大きな魅力は、低域の量感がしっかり出ることです。サイズからは想像できないほど下まで伸びて、安心できる土台を作ってくれます。ただし、この低域については“魅力でもあり欠点でもある点”かもしれません。

 今回のスピーカーは低域が多めに出る傾向がありますが、中低域に小さなディップ(へこみ)ができます。このディップはBHBS構造上さけられない部分で、完全なフラットを目指したチューニングとは少し方向性が違います。ただ、このディップがあることで音がスッキリと聞こえたり、低域の量とスピードのバランスが良くなったりする面もあります。しかし、この量感の多い低域は「調整がきかない欠点」というわけではありません。

 後のメルマガでも詳しく書きますが、ダクトや吸音材の量を調整することで、低域の量感はかなりコントロールできます。(これはバスレフでは難しく、BHBSでこそのメリットです)少しスッキリさせたい場合は吸音材を増やし、もう少し厚みを出したい場合は減らすことで、ご自宅の部屋に合わせた最適なバランスにできます。

 もうひとつの欠点を挙げるなら、定位が良すぎることで、録音の粗さもそのまま聞こえてしまうことです。これは良い面でもありますが、録音が古い音源では少しだけ気になることもあります。
とはいえ、こうした特徴をふくめて魅力が分かりやすく、Z1000(Z702)-Potenzaらしい個性を楽しめる仕上がりです。定位の良さ、ローエンドの伸び、そして量感ある低域。この3つを求める方には、非常に満足度の高いスピーカーだと思います。

 

完成品Z1000-Potenzaをおすすめできる人

 Z1000-Potenzaは、工房の技術をすべて注ぎ込んだ完成品モデルです。届いた瞬間から、最高の状態で鳴らすことができ、手間なく音工房Zの“完成形の音”を体験できます。

 特におすすめできるのは次のような方です。

・組立や調整に時間をかけず、 確実に最高の音を聴きたい方。

・長期間、安定したクオリティで リファレンス的に使いたい方。

・音の解像度・定位・静けさなど、 精密なバランスを求める方。

・リスニングルームの整った環境で、 音の違いを細かく聴き分けたい方。

・Z1000-BergamoやZ1-LivornoSなど、 上位モデルのサウンドに共感された方。

 完成品は、箱の精度・ネットワーク・ユニットマッチング・塗装すべてが工房仕上げ。個体差が少なく、測定値・聴感ともに安定した結果を得られるのが最大の利点です。

 

完成品をおすすめできないケース

 一方で、完成品Z1000はすでに完成されており、ユーザーが音を変える余地はキットに比べると限られています。そのため、次のような方にはあまりおすすめできません。

・自分でネットワークや吸音材を変えたい方。

・音の変化を試しながら楽しみたい方。

・自作や調整の過程そのものを楽しむ方。

・コストを抑えて同じ設計を体験したい方。

 Z1000は「最終形」を求める方のためのモデル。自由度よりも完成度を重視する方向けです。

 

キットZ702-Potenzaをおすすめできる人

 Z702は完成品と同じ設計をもとにしたキット版です。高精度プレカットのバーチ材を使用し、組立精度を出しやすく設計しています。音質はZ1000と共通の方向ですが、仕上げやパーツの自由度があります。

おすすめできるのは次のような方です。

・自分の手で組み立て、音を作る過程を 楽しみたい方。

・ネットワークの値を変えて 音の違いを確かめてみたい方。

・DIYに慣れており、塗装や仕上げを 自分の好みにしたい方。

・価格を抑えつつも、 Z1000と同等の設計を体験したい方。

・音の変化や“育つ音”を楽しみたい方。

 特に、付属の「ネットワーク使いこなしPDF」を使えば、Z1000の開発過程で検証した複数の調整値を試すことができます。音の方向性を自分で決めたい方には最適のモデルです。

 

キットをおすすめできないケース

 キット版Z702には、誰でも作りやすいというメリットがあります。ただし、工作や塗装を手間に感じる方にはZ1000をおすすめします。

 Z702はパーツの精度が高いので、基本的には順番どおり組み立てれば綺麗に完成します。とはいえ、ある程度の作業時間は必要で、接着や仮組み、サンディングなどの工程を自分で進めていく必要があります。

 また、塗装をどう仕上げるか、吸音材の調整をどうするかといった「最後のひと手間」もユーザー側で行う形になります。そのため、届いてすぐに使いたい方や、仕事や家事で時間が取れない方、工作自体を面倒に感じる方には、完成品のZ1000を選んでいただいたほうが確実です。

Z1000は工場での精密組立と塗装がすべて終わった状態で届きますので、手間なく最良の状態でお使いいただけます。

 

どちらを選ぶか

 Z1000とZ702は同じZ‐PotenzaユニットとBHBS構造を採用しています。ですので音の方向性は共通しており、どちらを選んでも自然な定位と密度のある音像はしっかり体験できます。

しかしモデルごとの「体験の質」は少し違います。

 完成品Z1000はとにかく結果重視です。届いたその日からベストな音が楽しめるように、バーチ材の高剛性エンクロージャーやムンドルフパーツのネットワークなど、音工房Zとして考えうる最良の状態で完成させています。「とにかく良い音を手に入れたい」という方にはこちらが最適です。

 一方Z702は過程を楽しむモデルです。音の芯になる設計はZ1000と同じですが、仕上げや吸音材の微調整などを自分で特に吸音材の入れ方ひとつで、低域の量感や中高域の抜けが変わるため、調整の幅はかなり広いです。参考になれば幸いです。

Z1000-Potenza/Z702-Potenza

2025年末の初回販売は終了いたしました。
2026年中にもう一度だけ生産する予定です。
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Z1000-Potenzaの販売ページ
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