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ルームコンサル 東京T様 2022年9月
今日はB&W702S2をご利用のT様のお宅にご訪問させていただき実施した測定・ルームコンサルで実施した内容で、印象的だったことを中心に紹介します。ルームコンサルは、訪問前にお客様にヒアリングシートを記入してもらうことで、部屋の広さやスピーカーの位置を記入してもらい、お写真も送ってもらううことにしました。
これが分かると、私が訪問する前に定在波シミュレーターで事前にSPの配置の検討ができるので現場での時間短縮につながるのです。お客様に現状不満に思っていることなども書いてもらっておいて、できるだけ事前にできることも考えておけます。
T様はリスニングルームを改築後100Hzあたりのミッドバスのブーミー感（こもり感）が気になるようになったとのこと。その改善方法として、スピーカーの配置や音響パネルで改善できないか？ということを希望されました。弊社の音響パネルを4枚持参し、実際に配置して測定実施いたしました。
定在波シミューレーターと実測
事前にいただいていた部屋の広さやスピーカー位置から得られたシミューレーターでは、↓の写真のようなグラフでした。
私が見る限りシミュレーター上は定在波の大きなピーク・ディップをさけた良いポジションに思えました。実際にマイクをリスニングポジションに置いて実測したのが↓でした。
40Hzから200Hzあたりはとてもフラットで、ピーク・ディップが±5ｄB程度に収まっています。ここまで綺麗な特性は珍しいです。しかし、250Hzあたりに少し大きめのディップがあります。スピーカーの位置変更を20センチ～30センチの範囲で4パターン行いました。最終的に特性が良かったのが↓です。
一番最初のポジションと、移動後を重ねて表示してみます。
青が移動後ですが、200～300Hzにあったディップはなくなり、気にされていたミッドバス帯域である100Hz～150Hzは薄くなりました。
音響パネル「あり」と「なし」で測定
特性的に最も良かったポジションで、さらに弊社の音響パネルを4枚背面と側面に配置して測定しました。
緑がパネルあり、青がパネルなしで測定したグラフです。80～150Hzあたりは盛り上がり、150Hzから300Hzは逆にピークが少ない平坦な特性となっています。数名のお客様宅で弊社の音響パネルを配置して測定しましたが、だいたい↑↑のような似た感じの特性になります。
パネルを置くことで低域の反射モードが変わるので、良くなる可能性と悪くなる可能性は半々のハズですが、何故か悪くなることはほとんどありません。パネルによって力強さと定位感が良くなった印象がありましたが、、
今回のT様の場合ミッドバス帯域が多いのが問題であるとしたら、マイナスに作用してしまうのかな？とも思います。現在弊社で販売している「反射性」のパネルですが、それとは別に「吸音性」のパネルもラインナップで持てないかなと思いました。
カーテンとカーペットを設置の周波数特性と残響時間特性
最後にリスニングルームのセンターに敷かれている、カーペットと左側の窓のカーテンをそれぞれ「あり」と「なし」で測定比較してみました。
カーペット「あり」はカーペットを写真のように敷いた状態です。カーペット「なし」はカーペットを撤去した状態です。
カーテン「あり」はカーテンを開いた状態。「なし」は閉じた状態です。
まず3つのグラフの周波数特性です。
紫：カーテンなし/カーペットなし
赤：カーテンなし/カーペットあり
緑：カーテンあり/カーペットなし
多少違いがありますが、ほとんど変化がありません。次に残響時間特性を比較してみました。3つのグラフを並べるとわかりにくいので、まずはカーペットの「あり」と「なし」を見てみます。
紫：カーテンなし/カーペットなし
赤：カーテンなし/カーペットあり
特に2KHz～5KHz以上でカーペットを敷いた場合のほうが、残響時間が短くなっているのがわかります。つまり、カーペットが吸音材となってその帯域の残響時間を短くしているということです。
つづいて、カーテンありと、なしの比較です。
紫：カーテンなし/カーペットなし
緑：カーテンあり/カーペットなし
カーテンは結構分厚いカーテンです。T様も吸音を意識して分厚いものを選んだとのことです。残響時間が短くなる効果はカーペットより大きく、400Hzの中域帯域から高域帯域にかけて残響時間を短くしています。残響時間特性は全く同じ条件で測定しても測定毎に若干の違いがでてしまいますので、F特に比べると若干信用性が低くはなります。（特に低域はあまり信用できません）
このくらいの差がでていれば、ほぼカーテンとカーペットが残響を短くしているのが測定されているかと思います。
ルームコンサルは現在↓のページの最下部の「再販売お知らせ」にご登録いただいた方に順番にご案内させていただいております。現在3ヶ月～半年待ちになります。
ルーム＆SP測定 コンサルティング 有料モニターチケット
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お客様からいただいたご感想
まず、長時間に渡り熱心に測定を実施いただいた事に感謝申し上げます。そして、有償モニターとは言え破格の価格設定は大変ありがたく思いました。オーディオルームを改築した結果に感覚的な満足／不満足点はありましたが、客観的な音響特性の良し悪し、改善要否と改善方法は掴めていませんでした。
今回最大の成果は、現状の測定結果が予想以上に良好であった事です。
一安心し、その上で測定結果が良好だったＳＰ位置やリスニングポジションへの微調整が行えました。今後、測定結果の理解と活用だけでなく、自分の感覚を信じて楽しみたいと思います。また何時か、今後の改善結果を確認する為の測定をお願いしたく思います。御社のファンになりました。ありがとうございました。
